蒲郡市の人気鮮魚店「鮮魚販売 順風丸」は週1日、3時間しか営業しない!?
愛知県幸田町にある道の駅「筆柿の里 幸田」で毎週土曜日に開催されているのが鮮魚の出張販売。開店時間が近づくと、朝早くにもかかわらずお客さんたちの行列がズラリと並びます。
お客さんのお目当ては、スーパーなどでは見かけない珍しい魚介類の数々。今回は、週に1度、約3時間しか営業しない謎の人気鮮魚店の秘密に迫ります。
鮮魚販売「順風丸」
道の駅「筆柿の里 幸田」で出張販売を行っているのは「鮮魚販売 順風丸」。毎週土曜日に蒲郡市からやってきて、約3時間のみ出張営業を行っています。
「順風丸」の店頭にはピチピチの鮮魚。それも普段あまり見かけることがない珍しい魚介類がズラリ!この日は、色が変わりやすいため流通量が少なく、「幻のエビ」とも呼ばれてるいガスエビが特に人気を集めていました。
幻のエビ・ガスエビ
他にも水深100~300mの海に生息する「カワビシャ」や、ぷっくりとした頭が特徴の「ミノエビ」など、普通のスーパーでは見かけない魚介類が盛りだくさん! 「順風丸」では、こうした魚介類を一袋500円均一で販売しており、「珍しい魚が安く手に入る」と朝から行列ができるほど人気を集めています。
1袋500円
沖合での底引き網漁に密着
沖合底引き網漁船「順風丸」
「鮮魚販売 順風丸」を営んでいるのは、加藤水産株式会社です。実は「順風丸」とは、加藤水産の沖合底引き網漁船の名前。水揚げされた深海魚などを出張販売の形で直売しています。
海が深い遠州灘や熊野灘まで1週間がかりで出港することもある「順風丸」。船長を務める加藤辰也さんによると、沖合底引き網漁船での漁は大変ハードなためなり手が少なく、愛知県内では4隻しかないといいます。
あっという間に魚の山
この日の漁では、イシモチやニギスを中心にバラエティ豊かな魚がいっぱい! これらの魚は人力で一匹ずつ選別し、種類ごとに氷を敷き詰めた木箱に並べて冷蔵室へと運ばれます。これを1日6回~7回繰り返すのが「順風丸」の船員の日課。チームワークが欠かせません。
人力で魚を選別
食べられない深海魚も販売
ミドリフサアンコウは見た目がユーモラス
こうした食用にならない深海魚は、深海魚をメインとする蒲郡の人気スポット・竹島水族館へ運ばれるとのこと。さらに6月からは、捨てられていた深海魚も研究用パックとしてのネット販売できるよう準備を進めているそうです。
研究用パックとしてネット販売予定
食べられる深海魚はもちろん、食べられない魚まで販売する「順風丸」。珍しい魚を求め、今日も沖へと向かいます。