すし屋でライブ中継!?「魚太郎」がオープンした“回転ずし店”の型破りなサービス内容とは『チャント!』
愛知県の知多半島に本店を構える鮮魚店「魚太郎」。毎日100種類以上の活きのいい魚が並び、漁港直送の魚がお値打ちに買えると、本店だけで年間120万人が訪れます。
そんな魚太郎が2023年4月、新たにオープンさせたのが回転ずし店、「回転鮨 魚太郎」。なぜ今回転ずし業界に参入したのか?「ちょいと解決しましょう課」中山真希調査員(以下、中山調査員)が調査しました。
漁港から店までわずか45分!とれたて&さばきたての魚貝が楽しめる
「回転鮨 魚太郎」は、JR半田駅から徒歩5分の場所にあります。中山調査員がさっそく店内へ。
(中山調査員)
「回転ずしでカウンターがしっかりある。目の前で職人さんが握っている」
カウンター席のほかBOX席も用意されており、全116席。回転ずし初参入とは思えない、大規模店舗です。一体どんなものが食べられるのでしょうか?
中山調査員が席に座っていると店内に、突如鐘の音が鳴り響きます。すると、店員さんがピチピチの天然真鯛やシャコ、カワハギ、マアジなどを積んだトレーを持ち、店内を回ってから厨房へ入っていきました。店内に水槽は見当たりませんが、一体どこから持ってきたのでしょうか。
その答えは、さかのぼること2時間前の午後3時。知多半島の「豊浜漁港」では全国的にも珍しい、午後のセリ「夕市」が行われていました。セリ落とした魚はトラックの水槽に入れられ、お店へ直行。漁港からお店までの時間は、わずか45分!
お店で見たのは、漁港から直送された鮮魚だったのです。魚太郎の回転寿司では、ランチだけでなく、夕方でもセリ落としたばかりの活きのいい魚を食べることができます。
さらに、こんなパフォーマンスも。
(店内アナウンス)
「店内のモニターにご注目ください!先ほどセリ落としてきたばかりの天然真鯛をさばいてまいります」
魚を捌く様子を、小型カメラでライブ中継していました。そして、さばいている魚がお客さんのテーブルにあるタブレットに、即時オススメ表示される仕組みです。ライブ中継がされるや否や、厨房に次々と注文が入り、職人たちは急ピッチで握りに。お客さんたちも、ライブ中継を見た後だと、おいしさが倍増する、と大満足の様子です。
「コロナで売り上げ9割減…」回転ずし業界へ参入した背景とは?
なぜ、「魚太郎」は回転ずし業界に参入したのでしょうか?その理由を、立ち上げ責任者の黒澤仁さんにうかがいました。
(外食事業部・黒澤仁副部長)
「コロナでこの店の売り上げが9割減になってしまって」
元々、この場所には「蔵のまち」という魚太郎の和食店がありましたが、コロナ禍の影響で売り上げが激減。ピンチをチャンスにすべく考えたのが、魚太郎の魚をお手頃価格で提供できる「回転ずし」でした。
そこで、半田店を救うべくヘッドハンティングされたのが、黒澤さんです。黒澤さんは、全国でチェーン展開する函館発の人気の回転ずし「函太郎」の運営を任され、手がけた店舗は月商6800万円超えの記録を持つ、回転ずし経営のプロ!
魚太郎では、寿司を握ったことのない半田店のスタッフに4ヶ月間つきっきりで指導。寿司職人の技を習得させました。
ところが、そんな黒澤さんも、鮮魚店「魚太郎」には驚かされることばかりだといいます。
(外食事業部・黒澤仁副部長)
「見たことのない魚がたくさんくる。(全く見たことがない?)触ったこともない。(誰かに聞くんですか?)まずググります」
漁港直送で、これだけ多くの魚を仕込もうと思うと、回転ずし業界では考えられないほど、仕込みに手間がかかります。しかし、半田店には最初から魚捌きに慣れた和食職人が揃っていたため、毎日大量に届く丸魚をスピーディに寿司ネタにすることができるといいます。
「頼んでない魚が来ちゃう」おせっかいすぎる仕入れ担当者にびっくり!
この店を始めて、黒澤さんが最も驚いたことは、仕入れ担当者の“おせっかいさ”です。
(外食事業部・黒澤仁副部長)
「頼んでない魚もきちゃう。仕入れ担当者が『きょう珍しい魚があったから、ウマイから絶対出してくれ』と」
取材当日に、仕入れ担当者がゴリ押ししてきたのが“サザエ”。サザエの調理が初だという黒澤さんは、和食職人に調理法を聞き、今回は生のまま軍艦にしました。予想外の新メニューは、スタッフ自ら写真を撮り、即メニュー画面にアップします。ダブレットのメニュー画面をよく見ると、プロが撮った写真とは、明らかに色やサイズ感の違うものがチラホラ。
(外食事業部・黒澤仁副部長)
「多い日は5種類ぐらい一気に新しい魚がくるので、そのときは大変です」
素人っぽい写真は、その日の隠れたオススメ品!新作が出るたびに、飛ぶように注文が入ります。仕入れ担当者の無茶ぶりから生まれた、サザエの軍艦のお味は…?
(中山調査員)
「めちゃくちゃサザエのっています。刺身盛りで出てくる量。音が口の中で響いています。コリッコリッって。回転ずしでとれたてのサザエを食べることはないですよね」
今回の調査結果をまとめると、「魚太郎」が回転ずし店を作ったのは、“半田店の売り上げ不振を立て直すため”でした。そして、回転ずしは、魚太郎の“強すぎる地魚愛と回転寿司経営のプロが融合”した、型破りな店だと判明。ギモンを、無事に解決することができました!
CBCテレビ「チャント!」6月30日放送より