愛知でとろける、冬のごほうびチョコ : 3ページ目
お菓子と版画が出会うとき。
北海道を映す“アートな世界”
他スイーツの紹介に進む前に、SNOWSのもうひとつの魅力に触れたいと思います。
SNOWSで味わいと同じくらい大切にされているのが、“世界観”の存在。お菓子作りに向けられる真摯な姿勢は、パッケージや空間づくりにも込められていました。
雪や山など、どこか懐かしいビジュアル。パッケージには、“山の版画家”こと、大谷一良さんの作品が使用されています。北海道の冬を象徴する表現を探すなかで出会い、その世界観に共鳴したことから、SNOWSは誕生時から大谷さんの版画と共に歩んできたといいます。
そんな作り込まれた世界観は、売り場空間にも広がっていました。
「2026 アムール・デュ・ショコラ ~ショコラ大好き!~」では、ジェイアール名古屋タカシマヤ 3階のサテライト会場に出店しているSNOWS。
白を基調とした爽やかな水色が印象的な内装は、版画に描かれる雪景色や空、山を感じさせ、商品のディスプレイは、まるで作品展示のようです。
ショッピングバッグにも版画の一部が使われ、正面にブランド名などはあえて入れず、作品を主役としたデザインに。アートを持ち歩くような感覚を大切にしています。
ここではお菓子は単なる商品ではなく、北海道の風景や空気を運ぶ存在。空間に足を踏み入れたときから、その体験は静かに始まっているのです。
SNOWSが目指しているのは、「おいしい」で終わらないブランド。
味の背景にある素材や製法、デザインの物語にふれ、「また来年の冬に会いたい」と思ってもらえる存在になることだといいます。
もちろん、味わいも毎年アップデートが重ねられています。例えば、「スノーチップス」は今年は、より纏わせるチョコレートを増やしてブラッシュアップ。それでも価格は“据え置き”という、企業努力も続いています。
チョコレートを贅沢に“二度がけ”!
クリームを繊細なパイ生地が包み込む
バレンタイン新商品「雪まくら」は、放牧牛乳を使った新しいアプローチを模索するなかで誕生。
モチーフとなったのは、もちろん大谷一良さんの版画作品。しかし、その作品には、タイトルがつけられていませんでした。
雪や山、木々のようにも見える情景から、冬の気配を感じ取ったという鈴木さんたち。版画で表現された連なる山々のかたちは、パイの層と味わいの深さと重なり、パイのふっくらとしたフォルムも相まって、「雪まくら」という情緒的な響きにたどり着いたといいます。
同商品は、パイ生地を何層にも重ねて焼き上げ、中には冬の放牧牛乳を使ったカスタードクリームをたっぷり注入。仕上げにビターなチョコレートをまとわせ、全体を“二度がけ”してコーティング。この手間を惜しまない工程が、リッチな口当たりを支えています。
冷蔵庫で1~2時間ほど置くと食べごろに解凍される「雪まくら」ですが、解凍時間によって食感が変わるのも魅力のひとつ。時間の経過までも楽しみ方に含まれている、ちょっと特別なひと品です。
味と見た目、両方で楽しむ
「森ノ木」に宿る発想
SNOWSのものづくりは、「商品を作ってから、パッケージを考える」という順番ではありません。アイデアの段階から、お菓子のイメージと版画が響き合いながら、発想が広がっていくといいます。
クリスピーチョコレート「森ノ木」は、その象徴的な存在。大谷一良さんの版画作品「森の見る夢」に描かれた木の枝をモチーフに、チョコレートの型が起こされています。
つまり、デザインそのものが、作品から生まれているのです。
味が主役であることは、変わらない。それでも、“見た目でどう楽しませるか”を同じくらい大切にする。その姿勢がSNOWSらしさを形づくり、一つひとつの商品に物語を宿しているのです。