鉄道模型人生60年!リアルな再現にこだわる蒸気機関車作りとは?
車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年~2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。今回は、鉄道の模型を作り続けて60年という愛知県の男性を紹介。国鉄時代の列車、中でも蒸気機関車の忠実な再現を追求する姿に密着する。
本日の秘密基地の主は、愛知県豊川市に住む鈴木英一さんだ。鉄道模型にハマったのは小学5年生の時。以来コツコツ作り続け、現在では大好きな蒸気機関車を走らせるため、13畳の部屋いっぱいに広がるジオラマを作った。
蒸気機関車が走っていたころの様子を再現した、鈴木さんのジオラマ。機関車に石炭を入れる設備や大転車台まであり、動きもリアルだ。「模型というのは実物ありきのものなので、なるべく近づくよう忠実に作る」と鈴木さんは言った。
鈴木さんがこれまでに作った蒸気機関車は、全部で62両ある。デゴイチの愛称で親しまれているB51形蒸気機関車や、スマートな車体から貴婦人と呼ばれるC57形蒸気機関車など、代表的なものを含め1928年以降日本の蒸気機関車は、合計26形式。その中で、鈴木さんが唯一作っていなかったものがある。
それはC60形蒸気機関車。「C60形は学生時代によく見て、非常に記憶に残っている機関車だから、いつか作りたいという思いがあった」と鈴木さんは語る。リアルな再現にこだわってきた鈴木さんは、ある特別な作り方に挑む。それは本物のC60形蒸気機関車はC59形を改良して作られた車両なので、本物と同じようにあえてC59形の完成品を手に入れてC60形に改良するという方法だ。
最初に取りかかったのは運転室。C59形の塗装をはがしC60形の縮尺図面と比べてみると、幅が1ミリ大きいことが分かる。全てのパーツをバラバラにした鈴木さん。「わずか1ミリだけれども違う、正確に作りたいので運転室の幅を縮める」と言う。
たった1ミリの違いではあるものの、そのままにしてはおけない鈴木さん。36ミリある運転室の幅を35ミリにする。
まず屋根を切り取り、運転室を真っ二つにする。左右のパーツの内側をそれぞれ0.5ミリずつ削り、再び合体させようという作戦なのだ。
削るのは片面わずか0.5ミリ。削りすぎてしまうと取り返しがつかなくなるため、左右のバランスを確認しながら慎重に進める。そして仮づけをして幅の長さを測り、合わないと再びバラして削り直し。この作業を繰り返しながら、1ミリの壁と格闘する鈴木さん。
気が付けば6時間が経過し、やっと35ミリぴったりまで削ることに成功。1ミリの違いを再現できた。
さらに細かなパーツを取り付け、3日がかりで運転室が仕上がった。
『極上ライフ おとなの秘密基地』
【放送局】テレビ愛知 2016〜2018年放送(現在はLocipoでアーカイブを視聴可能)
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://youtu.be/Hzn8Q4VSatY