武道の奥義はタマゴにあり!?力学の原理で武術を研究

これが1987年に中部大学で行われた驚きの実験。
「生卵が車の重みに耐えることを証明する」という工学部の皆さんです。
実験は見事成功。どうしてこんな離れ業ができたのか。

中部大学工学部 吉福康郎 助教授(当時)
「ここ(卵上部)に力がかかった時に、丸くなっていますね。力を一点で支えれば壊れてしまうんですが、上手に周りに分散するんですね。かかった力を面全体で受け持っているという格好になる」

卵を使った驚きの実験、いったいなぜ行ったのか。
実験のリーダーだった方にお話を伺います。

卵の実験の意味

中部大学名誉教授の吉福康郎さん76歳。
実験から33年、今も元気にお過ごしでした。

早速当時のニュース映像を見てもらうことに。
なぜこの実験を行ったのか…。

実験は小学3年生向けの学習雑誌の企画特集に掲載するため、出版社から吉福さんに、「卵を並べた上に乗用車は載せられますか」と持ちかけられたものでした。

では卵が車の重みに耐えられた最大のポイントは何だったのか。

中部大学 吉福康郎 名誉教授
「昔の石造りでもアーチは強い。そういう構造、人間でいうと足の裏”土踏まず”はアーチになっていて、上からの重量に耐えやすいようにできている。
卵って一見弱いけど、あの形は強いんだよと、アーチ型の構造の強さを、理論ではなくて目で見て、非常に印象的に子どもたちに理解してもらえる」

力学で武術を分析

吉福さんの専門は物理学。この卵実験の他にも、人と人が力と技をぶつけ合う格闘技や武術の動作も物理学の力学を応用して解析しました。

吉福名誉教授「高速度撮影をして、様々な力学の式も使って、エネルギーがどう伝わっているかを調べた」
小川アナ「格闘技における打撃の衝撃を科学的にアプローチしていったと」

CBCは1987年、スポーツドキュメンタリー番組でも吉福さんの実験を放送しました。
地元が生んだボクシング元世界チャンピオンの畑中清詞さんのパンチ力を調べた時の映像です。
当時畑中さんの右ストレートは最高330キロの衝撃力を記録。

こうして様々な格闘技や武術の達人の技の研究を重ねていった吉福さんを取材したのはこの人も。2005年、当時61歳の吉福さんを大石キャスターが取材していました。

小川アナが実践で学ぶ

この時から15年、吉福さんは現在76歳に。
今回34歳の私も吉福さんに「武術と力学」について教わることに。

この間合いから左手を使って後方に倒してみろというのです。

小川アナ「僕、空手初段ですけど」
(小川アナ、倒そうとするができず、自分が倒れる)
小川アナ「ダメでした。今何が起きたんですか?」
吉福名誉教授「来るのが分かったんです。初動が分かったんです」

今度は私が吉福さんの攻撃を受けることに。

吉福名誉教授「じゃ僕が行きますね」
(小川アナ倒される)
小川アナ「あれ…。行きますねと丁寧におっしゃって頂いて、分かってたのに…」
吉福名誉教授「なぜかというと、(手首と手首が)触れたのに動いてないでしょ。
だから(相手の手を)壁だと思って、スッと入る」
小川アナ「確かに何も押されている感じがしない」
吉福名誉教授「目には見えているんですが、こういう時はね、触覚が優先するんです。目には動いているのが見えるけど、触覚は何も感じないから、何もないんだろうと脳が錯覚するんですね」

吉福さんが研究によって解明してきた力学に基づいた原理の数々、私、圧倒されるばかりでした。

吉福名誉教授
「昔の人は人間の動きを経験から追及していって、現代科学より先に行っているなと思いますね。それが古武術に随分その動きが残っていて、解明すればするほどすごいことをやっているなと」

卵実験から行きついた先は 武術の奥深さでした。

吉福さんがたどりついたのが、「争わないことこそ奥義」。
相手が向かってくるからといって争わない。力を逃がす。
仲良くしていれば襲われない!
「いつも平和の心でいる」ことだそうです。

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