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フードロスとつくる責任 カレーうどんえびせんべい [SDGs]未来にワクワクを

持続可能な開発目標SDGsの特集です。
今回は、食材を無駄なく使おうという取り組み。2つの名古屋名物がコラボした新しい商品の誕生に密着しました。

もちもちの極太麺にルゥがよく絡んだ若鯱家の「カレーうどん」。
新鮮な車エビや赤エビなどをつかった桂新堂の「えびせんべい」。
名古屋名物の2つの味が、新たな可能性を生み出そうとしています。

まず、訪れたのは名古屋市北区にある、若鯱家の製麺工場。
気温や湿度によって、小麦粉や塩・水の配合を微妙に調整しながら、年間およそ2万4000食を製造しています。
この工程で発生するのが…一定の長さに満たないものや形がいびつなものなど、商品としては提供できない麺。年間およそ480kg出ます。

フードロスを生まないために

  若鯱家・高橋雅大 副社長「カレーうどんを作る上でフードロスを生まないようにするために考えていかないと」

そこでタッグを組んだのが名古屋に本店があるえびせんべいの桂新堂です。実はここでも、エビの「ある部分」の活用法を探っていました。

北海道産の甘エビ。エビを丸ごと使う「姿焼き」が一押しの商品ですが、頭や殻を取り除いて作るせんべいも多く、その生産工程で出る「頭」にはおいしいミソが詰まっているためもったいないと考えていました。

  桂新堂・光田侑司専務「1回(エビの頭で)お菓子を作ってみるかとなって」「通常のえびせんべいでは考えられないやり方でやっているので、開発に1年以上」

そこで登場するのがあの若鯱家のうどん!それを細かくしてえびの頭を混ぜたせんべいの原料に入れます。気になるのはこの色…そう、カレーです!カレーも混ぜるのにはわけがありました。

  製造スタッフ「うどんを使っているので、塩っ気を抑えるのに苦労しました」

うどんには弾力を出すためなどに「塩」が使われていますが、そのままだと塩味が強すぎるせんべいになってしまうため、カレー粉を混ぜて味を整えたのです。何やら、おいしそうな予感。
これでできたのが、えびのうま味とカレーうどん両方のおいしさを合わせた、いわばカレーうどんえびせんべい。

  新宅記者「海老の香ばしさと、カレーの風味も最後までしっかり残っています」

しかし、これで完成ではありません。この後、商品化に向けた最後の詰めが。

フードロスから新たな商品を生み出す様々な取り組み

世界的に問題となっている、フードロス。そこから新たな商品を生み出す取り組みは他にもあります。

  新宅記者「このレジ袋、お米を活用して作られたものです」

全国の郵便局で購入できるこのレジ袋は、何と、米が原料。

  日本郵便東海支社 青木雅憲 係長「災害などによって食用に適さなくなった資源米を原料としてレジ袋を作った」

つくったのは、米どころ新潟県は南魚沼市の企業。古くなったり、砕けたりして食べられなくなった米を使い、再生可能なバイオマスのプラスチック樹脂を製造しています。

  バイオマスレジン南魚沼 中谷内美昭 専務「このバイオマスプラスチックの事業が南魚沼・新潟から情報発信されて、日本の環境問題への貢献につながれば」

郵便局では1枚3円から。利用客は…。

  利用客「手触りがよくて落ち着く」

フードロスはファッションにも役立てられています。

  若尾記者「この店で人気というこのバック、色を染めるのにお酒のジンの原料が使われているということです」

グレー、アイボリー、ベージュの3色のバッグ。お酒の香りづけなどに使われていたハーブから染料を作り、生地に色をつけました。

仕立てたのは、名古屋市にある繊維商社。野菜の切れ端やコーヒーの出し殻などから色素を取り出し、バッグや衣類などの染料として再活用する取り組みを行っていて、これまでおよそ30社が取り扱っています。

  店長「天然染料を使っている、環境に配慮している点を説明することによって、価格の違いに関係なくこちらを選ぶ方が増えている」

  お客さん「結構かわいいなと。持っていると愛着が湧くんじゃないかな」

若者のアイデアを活かす

さて、完成間近のカレーうどんえびせんべい。後は消費者にどうアピールするかが、カギです。
若鯱家と桂新堂のカレーうどんえびせんべいは若者の力を借りることに。

  桂新堂・光田専務「今まで全然見てなかった視点。えびせんべいはどちらかというと、年齢層が高めで、もう少し下の世代にもえびせんべいを知ってもらいたい」

環境や貧困問題などを学び活動に取り組んでいる名古屋国際中学・高校の生徒たちです。

  打合せ 生徒「学校とコラボして、うどんとお菓子をコラボして作りました、という説明を入れた方が、買った人は分かりやすいかも」

商品の名前やパッケージのデザインなどに、生徒たちのアイデアを活かそうと、放課後などに話し合いを重ねています。
数々の商品を世に送り出してきた老舗の企業でも思いもよらないアイデアが次々に出てきます。

  桂新堂・光田専務「今の高校生ってすごい。大人顔負けの話をしますし非常に発想にも優れている」

  打合せ 生徒「(パッケージを)巾着袋状にしてポーチとして使えたりすると、SDGsにもつながるしいいのでは」「裏に原材料などが書いてあるけど、そこに優しさとかの文字を」

  桂新堂・光田専務「今の高校生ってすごい。大人顔負けの話をしますし、非常に発想も優れている。」
  若鯱家 高橋副社長「企業側が持続可能なあり方を一緒になって勉強して、社会に適応する人材として成長していただけたら」

昔ながらの商品から新たな価値を生み出しそれを次の世代と一緒に成長させていく。
そこには持続可能な社会そのものが見えてきます。

今回の3つのチャレンジに共通するのはSDGs目標の12番「つくる責任、つかう責任」です。
今回のえびせんべい、商品化は、まだ先ということですが、パッケージデザインや商品名は一体どんなものになるのか楽しみですね。

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