“海の管制官” 24時間365日体制で船の安全を守る 海難事故を防ぐため…「先読み先読みで船を監視」

名古屋港などに向かう「船の安全」を守っているのが、愛知県田原市、渥美半島の先端にある「伊勢湾海上交通センター」。
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(伊勢湾海上交通センター 佐々木晋一企画課長)
「今、船が2隻南下している。手前に赤いブイと向こうに緑のブイ。この間が伊良湖水道航路の航路幅。船舶が通るには非常に狭い海域なので、交通の難所となっている」
海上保安庁が管轄する海上交通センターは全国に7つあり、このうち伊勢湾海上交通センターが担うのは、名古屋港や四日市港・三河港など、この地方の主要な港へ向かう船が必ず通る伊良湖水道航路です。
幅が1.2キロと狭く、周辺には浅瀬も多い海難事故のリスクが高い場所なのです。
1日約100隻通行「24時間365日体制で監視」
(佐々木企画課長)
「生活雑貨を積むコンテナ船や、生活に必要なエネルギーを運ぶタンカー。中部圏の自動車産業が盛んな土地柄、自動車を運搬する船舶が多い。大小さまざまな船舶が1日約100隻程度通行している」
その船がぶつからないように目を光らせるのが「海の管制官」です。
(管制官 石田光希さん)
Q.今の無線は何を?
「目的地を聞いて、どこ向けかを確認。船と船が航路の出口で衝突するのを防いでいる」
「海の管制官」の主な仕事は、航路に入る船の順番を調整したり、船同士がぶつからないよう情報提供をすること。ここでは約20人の管制官が、24時間365日体制で働いています。
(石田さん)
「先読み先読みで船の監視を行っている。自分が船の安全交通の支えになればいいな」
中部の経済を守るためにも…
(見学者)
「地震の時はどうするんですか?津波の時とか」
(佐々木企画課長)
「(先月30日の津波の時は)船は大きなスケジュール変更なく出入りしていた。船には津波注意報・警報が出ていると、アナウンスはここからした。家でテレビを見るのと違って(船では)知ることができないので」
この日は夏休みの見学ツアーが開かれ、豊橋市と浜松市から2組が訪れました。
(見学者)
「航空管制官のイメージはドラマなどでついていたが、船の場合は身近にあるのに交通を管理している人がいるというのは、あまり想像していなかった」
「いつも海から見える大きい船が全部ここを通っていると思うと、順番などを決めるのも本当に大変なんだろうな」
階段を上った先には大きなレーダーが。これで船の位置を日々チェックしています。船の安全を守ることは、自動車産業を中心とした中部の経済を支えることにつながっています。
(佐々木企画課長)
「航路を閉鎖するような事故を起こしてしまうと、中部の経済もストップしてしまうし、皆さんの生活にも不便を及ぼしてしまう。そういった事故の懸念を無くすために安全を守っている」