新米に猛暑の影響…価格も高騰のまま 透明ではないコメ「白未熟粒」とは? 愛知

愛知県でも新米の出荷が本格的に始まりましたが価格は高く、猛暑で白く濁るお米も出ているんです。
トラックの荷台に積まれているのは、豊田市産の新米「コシヒカリ」。
JAあいち豊田では28日、新米の出荷式が行われました。
今年は、例年並みの今月18日ごろから収穫が本格的に始まり、28日からJAの直売所などで販売されます。
会場ではさっそく新米の試食会も。
「もちもち。すごくおいしいです」(JAあいち豊田 代表理事組合長 石川尚人さん)
今年もおいしいお米ができたと安堵するのにはある理由が。
「高温障害で俗にいう白未熟粒が出る…」(石川さん)
「白未熟粒」とは…?
「細いコメや小さいコメ、中が透明になっていないコメが今年はちょっと多いかなと」(中甲 杉浦俊雄 社長)
豊田市でコメを生産する杉浦さん。500ヘクタール以上の田んぼを所有しています。
今年も去年と同じぐらいの収穫量にはなるものの、この“異常な暑さ”と“雨不足”の影響から、高温障害のひとつ「白未熟粒」になる新米が多くみられたといいます。
「高温になると生育が止まってしまう。(生育が)止まるとコメにたまるデンプンが溜まらなくなってしまう。(本来)デンプンがたまってまん丸なコメになるが、それがまん丸にならずにどこかが白くなる」(杉浦社長)
今後、新米が消費者の元へ届くときに影響はあるのでしょうか?
「白未熟粒で味が変わるというのはないと思うが、食感が変わる。それで味の変化、感じ方が多少違うのかなと思うが、味に関してはそんなに変わってこないと思うし、それは自信をもって作っている」(杉浦社長)
豊田市の「産直市場いこまい若林」では。
「先ほど出荷された新米が、早速店頭に並んでいます」(記者)
待ちに待った新米・豊田市産のコシヒカリの入荷です。
「新米のコシヒカリを買いに来ました。せっかく新米なので、きょうの夜はこれを炊いて食べようかなと。この子もいっぱい食べるので」(新米を買った人)
新米がきょうからだから買いに?
「そう。あんまり暑いからコメがまともにできるか心配は心配」(新米を買った人)
今後の価格の見通しは

農水省が発表する全国のスーパーのコメの平均価格は、最新の価格(8月11日~17日)で5キロあたり税込み3804円。コメの高騰や不足が表面化した去年の同じ時期と比べても1000円以上高くなっています。
この店でも、去年の販売開始時は、豊田市産コシヒカリの価格が玄米1キロあたり580円でしたが…。
28日は1キロ880円と値上がりしています。
今後の価格の見通しは…?
「この後の新米のラインナップがそろって、お客さんのニーズや(価格)情勢がまた変わってくるかなと。なかなかこのあとの価格の見通しは難しいところ」(JAあいち豊田 産直店舗課 土方進一 課長)
去年は多くの店で、店頭からコメが消えましたが、JAあいち豊田は今年は収穫量が多くなると見込んでいます。
「例年と比べてどんどん暑くなっているが、数量は去年と比べて多く取れたと農家に聞いている。9月からの販売数量はしっかり提供できるかなと思っている」(土方さん)