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「ごみ拾いはスポーツだ」スポGOMIって何? ごみ拾いの世界一を目指して愛知で熱い戦い

テレビ愛知
11.24(日)11:59

スポーツ感覚でごみを拾って集めた得点を競う「スポGOMIワールドカップ2025愛知STAGE」が10月26日、名古屋市北区の「名城公園」で開催されました。「スポGOMI」は、3人でチームを組んで1時間で決められた競技エリア内のごみを拾って分別し、その質と量を競い合うスポーツです。

そんな「スポGOMIワールドカップ」の国内予選大会に密着しました。

13万人が参加した「スポGOMI」の魅力と歴史

「スポGOMI」W杯の横断幕

2008年に初めて開催された「スポGOMI」。考案者は一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ代表理事、馬見塚健一さんです。きっかけは馬見塚さんの朝のランニングからでした。走っている途中に落ちているごみが気になり、ごみを拾い始めたそう。その後「これをスポーツにできないか」と考え、2007年に武蔵野大学環境学部の学生と共にルールをづくりを始めました。

現在は2023年まで各地で1300回以上が開催され、参加人数は延べ13万人を超えました。海外ではアメリカ、ドイツ、オーストラリア、インド、韓国など6大州・約30カ国以上で予選大会が行われ、世界大会は2025年10月に日本で実施予定です。

「スポGOMI」は海洋ごみ問題への気づきをテーマに次世代へ海を引き継ぐため、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として開催されます。

スポGOMIのルール ごみの種類と競技エリアの把握が勝利の鍵

大会のルール説明

スポGOMIのルールはいたってシンプル。3人でチームを組み、制限時間内に指定されたエリアで拾ったごみの種類と重さに応じて得点を競います。そして最も高得点を獲得したチームが勝利です。

ごみ拾いは1時間、分別は20分。時間をオーバーした場合には減点になります。最後に全員が揃って競技終了です。分別されたごみによって獲得できるポイントが異なるので、チームごとにポイントを考慮しながら効率的にごみを集める戦略を立てます。

ごみの種類とポイント

●燃えるごみ(100グラムあたり10ポイント)
・紙、布、雑誌、弁当や食品容器包装ごみ、コンビニ袋

●燃えないごみ(100グラムあたり10ポイント)
・ビニール傘、ガラス、鍋、フライパン、瀬戸物、電池、ライター、鏡、金属類

●その他のごみ
・ビンや缶(100グラムあたり12ポイント)
・ペットボトル(100グラムあたり25ポイント)
・たばこの吸い殻(100グラムあたり150ポイント)

●粗大ごみ(マイナス100ポイント)
・扇風機、布団、消火器、タイヤ

「スポGOMIワールドカップ愛知STAGE」競技エリアと参加チームの戦略

スタート直前に競技エリアのマップが手渡される

愛知県代表を決める「スポGOMI ワールドカップ 2025 愛知STAGE」は、名城公園で行われました。友人や家族、職場の仲間で参加する人など、21チーム63人が参加。メインは本部から車道を挟んで北にある芝生広場やおふけ池、子どもの広場周辺の公園部分です。

大会参加者に、「スポGOMI」参加のきっかけやごみ拾いの戦略を聞きました!

生き物守るぞ隊

親子三世代で参加するチーム(チーム名:生き物守るぞ隊)の女性:
「娘が魚が好きで、少しでも生き物を守れるようなことって何か考えたときに、ごみ拾いなら気軽に参加できるな、と。人目のつかない場所にごみが隠れているそうなので、そこを狙います」

Who‐Do- 改革の3チーム

企業の仲間で参加したチーム(チーム名:Who- Do- 改革)の男性:
「塗料の製造販売している会社で、3チームに分かれて参加します。参加するのは3回目。2回目のときは20チームの中で3位に入賞できたんです。もっと上位を狙います」

飲み友だちの店舗経営者チーム(チーム名:Cocostyle)の男性:
「中区栄の錦で知り合った飲み友だちです。ごみを捨てる人の心情を鑑みて、植え込みの中を重点的に探します」

どんぐりや松ぼっくりをゲット

競技スタートの合図とともに、各チームが早歩きを始めました。スポGOMIには「走ってはいけない」という厳しいルールがあります。また、メンバーの先頭と最後尾のメンバーの間隔は10メートル以上開けてはいけません。

開始早々、多くのチームが公園の奥へ移動する中、本部周辺の公園でごみ拾いをしていたチームもありました。

「ニコチャンズ」男性:
「豊川から観光ついでに来ているので、ごみは拾いますが無理せず拾っています。どんぐりや松ぼっくりもたくさん落ちているから、拾うのが楽しいですね!」

公園でのごみ探索 発見されたのはゴザに謎のバッグ

捨てられたゴザ

飲み友だち経営者のチーム「Cocostyle」が拾ったごみは電池と瓶、さらにゴザなど。エリアの1番奥までごみを拾いに行ったそうです。

「Cocostyle」の男性:
「電池は固まってドカっと埋まっていました。ゴザはたぶん、花見のあとに持ち帰るのが面倒くさくなって、捨てたんじゃないかなと思う。いかんよね」

超重量級の謎のバッグ

会社仲間で参加しているチーム「Who-Do-改革TUCHI」は、池の周辺で謎の大きなバッグを見つけました。

「Who-Do-改革TUCHI」の男性:
「何が入っとるか分からんけど、めちゃくちゃ重い。現金が入っているんじゃない?」

重量級のバッグの中身は生活用品でした。小さなラジカセやたくさんの衣類、歯磨きのセットなどが入っていました。

ごみを拾う「生き物守るぞ」隊の2人

親子三世代で参加している「生き物守るぞ隊」。なぜかお父さんの姿がなく、母と娘2人でごみを拾っていました。

「生き物守るぞ隊」の女性:
「実はお父さんが駐車場をずっと探していて受付時間に間に合わなくて。結局2人でスタートしました。2人でも楽しいですね」

結果発表!優勝の決め手は重量級のバッグ

Who-Do-改革 TUCHI

1時間のごみ拾いが終わり、分別を終えて競技が終了。結果発表が行われました。優勝は「Who-Do-改革 TUCHI」です。

●第1位「Who-Do-改革 TUCHI」/重量17.67キログラム、1804.2ポイント獲得
●第2位「Who-Do-改革KAZE」/重量8・37キログラム、 905・5ポイント獲得
●第3位「Cocostyle」/重量6.191キログラム、653・4ポイント獲得

「Who-Do-改革 TUCHI」は、「愛知代表として胸を張れる成果を目指していきます」と全国大会に向けて意気込みました。

企業参入で盛り上がる「スポGOMI」 環境啓発活動に期待

「スポGOMIワールドカップ2025愛知STAGE」運営責任者 早野紀子さん

今回の「スポGOMIワールドカップ2025愛知STAGE」の運営責任者・早野紀子さんは、「企業や団体の参加が増えれば、認知も広がっていく」と未来を見据えます。

「企業が参加してくださったのは大きかったです。今後もSDGsや環境啓発に関わっている企業がイベントに参加してくださると、大会としても盛り上がるんです。それが街の中でも広がっていくと信じています。

一見きれいな公園でも、大会を開けば結構ごみが出てくるんですよ。名城公園だけでなく、これからはどんな場所で開催すれば効果的なのか、検討しながら大会を続けていきたいです」

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