気圧の変化で頭痛が…「天気痛」に注意 対策は血流を良くする「耳マッサージ」専門家に聞く
台風10号の影響により、大気の状態が不安定な日が続いています。そんな中、頭痛やめまいなど体の不調を感じたら、「天気痛(てんきつう)」かもしれません。放っておくと症状がエスカレートする可能性も。今回は天気痛の原因と対策について、愛知医科大学の客員教授・佐藤純先生に話を聞きました。
佐藤先生によると、普段から頭痛・めまいがある人、乗り物酔い・耳鳴りしやすい人、季節の変わり目に体調を崩す人は“内耳”が敏感なので、天気痛を感じやすいといいます。
天気の変化によって起こる「天気痛」とは?
天気痛は、天気の変化によって起こる体の不調です。頭痛、めまい、肩こりなど人によって症状はさまざま。なぜ天気の変化でこのような症状が起きるのか、天気の変化に伴った気圧の変化が関係します。
天気痛が起こるのは、気圧の変化を感じ取る「内耳(ないじ)」が関係しています。私たちの耳の奥にある「内耳」という部分は、気圧の変化を感じとるセンサーのような役割を果たしているのです。人によってセンサーの感度は違いますが、この内耳が気圧の変化をストレスと感じ、脳に伝わります。そして自律神経が乱れることによって、天気痛の症状を引き起こします。
特に症状を感じやすいのは梅雨の時期です。さらに台風の通過によって気圧が急に変動すると、症状を感じる人が急増するといいます。
天気痛を感じやすい人の特徴
天気痛を感じやすい人の特徴は、佐藤先生によると、普段から頭痛・めまいがある人、乗り物酔い・耳鳴りしやすい人、季節の変わり目に体調を崩す人は内耳が敏感なので、天気痛を感じやすいです。
また、佐藤先生のクリニックでは特に30代~40代の相談が多く、患者の約7割が女性となっています。女性はホルモンバランスの変動で体温が上下しやすく、男性よりも自律神経が乱れやすいといいます。
天気痛の対策方法は「耳マッサージ」
症状を放置すると、症状が悪化してしまいます。天気や季節の変わり目に関係なく、1年中症状が出てしまう人もいるため、なるべく早く医師に相談しましょう。
対策としては、規則正しい生活で自律神経を整える、頭痛薬や漢方薬を常備しておくなどの対策のほか、佐藤先生のおすすめは「耳マッサージ」です。耳の血流が悪いと内耳が気圧の影響を受けやすくなるので、血流を良くするために耳を動かすことが有効なんだそうです。
【天気痛を予防・緩和する耳マッサージの方法】
1.親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横にそれぞれ5秒ずつ引っぱる。
2.耳を横に引っぱりながら後ろ方向に5回ゆっくりと回す。
3.耳を折り曲げて5秒間キープ。
4.手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くように5回ゆっくりと回す。
5.セットで行うのが理想です。
このマッサージには症状の緩和のほか予防効果もあるので、ぜひ生活の中に取り入れてみてください。
佐藤先生は「自分が意識していなくても、体は天気の影響を受けている可能性がある。不調を感じたら症状とその日の天気を記録して、天気が関係していないか自分で一度確認してほしい」と話していました。
(2023年7月7日放送「5時スタ」より)