
オリンピック目指す高校生スキーヤー 日本人では1人だけ「ダブルコーク1080」 山形から雪が降らない愛知に引っ越してきたワケは“競技のため”…? フリースタイルスキー・菅原希昴選手(17)

冬のオリンピックまであと5か月。メダルが期待される注目選手が続々登場する中、新たなスター候補を発見しました! 雪がない愛知県で練習に励む高校生スキーヤー。日本人では1人しかできないという「ダブルコーク1080」、さらに高難度の「ダブルコーク1260」を磨き、オリンピック出場を目指しています。
ミラノ・コルティナオリンピック出場を目指す高校生スキーヤー “競技のために”愛知県へ!?

愛知県春日井市にあるスキーやスノーボードのジャンプ練習施設「YAMAZEN AICHI QUEST」。ここで2026年のミラノ・コルティナオリンピック出場を目指す注目選手が練習していました。
急斜面を滑走し、華麗なジャンプを披露してくれたのは、フリースタイルスキーの菅原希昴(すがわらきほ)選手。中京大中京高校の3年生です。

この日、練習していた種目は『ビッグエア』。50メートル程の高さから滑り降りてジャンプし、技の難易度・完成度・高さなどを競い合う競技です。
希昴選手は、今年4月に行われたヨーロッパカップで、『ビッグエア』で優勝、斜面に設置された複数の障害物を使って技を競う『スロープスタイル』で準優勝と、2種目で表彰台に! オリンピックに向けて今、勢いに乗っている選手なのです。

『ビッグエア』で使用する巨大なジャンプ台は、希昴選手も「怖い」というほどの高さ。約40度の傾斜も、下から見上げるよりかなり急角度に感じます。
ジャンプを見せてほしいとお願いすると、後ろ向きで滑り出し、軽々と2回転半ジャンプを決めてくれました。

そんな希昴選手にはオリンピックに向け磨いている技がありました。それは「ダブルコーク1080」。横に3回転しながら縦に2回転する大技で、日本では希昴選手だけが行うそうです。
さらに、「ダブルコーク1080」より半回転多く回る「ダブルコーク1260」も、すでに習得済み。オリンピックへの期待が高まります。
“スキーのために”山形から愛知へ 離ればなれになった父は…

5歳のころからスキーを始めた希昴選手。元々は山形県に住んでいましたが、中学2年生の時、“競技のために”愛知県春日井市に引っ越してきたのです。
スキー選手なのに雪がない春日井市に引っ越した理由は、夏の練習環境が充実しているから。雪が降らない夏場の練習環境が大事だといいます。

母親と妹も春日井へ引っ越し、一緒に暮らしていますが、父親だけ山形に残ることに。今は年2~3回しか会えません。希昴選手が愛知県に行くと決断したとき、父・大地さんの心境は…
山形にいる父 大地さん:
「最初はさみしかったけど、自分の目標に向かって頑張っているから応援しています。ミラノオリンピックまであと何か月かしかないので、全力で悔いのないように頑張って!」
応援してくれる家族のために、毎日練習を頑張る希昴選手の夢は「ミラノ・コルティナオリンピックで表彰台」。オリンピック出場をかけ、11月から始まるワールドカップに挑みます。

最後に「すごくきれいと言われる」という、板をクロスしたときに手でつかむ一瞬の姿をカメラで捉えることに。希昴選手のシルエットと夕日が見事に融合し…最高の一枚をおさめることができました!