
打率5割超えの田中幹也選手 より良い2番になるため必要なのは「作戦」【教えて矢野さん】

ドラゴンズは9月9日から15日までの7試合で、2勝5敗でした。元ドラゴンズで野球解説者の矢野燿大さんに、この7試合に登板した投手と好調の選手について分析してもらいました。

15日のドラゴンズは敗れましたが、岡林選手が3安打。最多安打見えています。
「1年間の中でこれだけ積み上げてきた岡林選手の技術もすごいですし、チームもまだまだ諦められない場所にいます。チームのための1本でもある。安打数は打率と違って減らない。どんどん積極的に最多安打を狙いながら、チームのための1本というのをやった結果、最多安打というのをやってもらいたいですね」(矢野さん)
首位の小園海斗選手とは3本差と迫っている岡林選手。ただチームとしては苦しい状況続いています。直近7試合、2勝5敗。矢野さんはどう見ていますか?
「(勝敗を)逆にしたかったですね。ただ、いい部分もあります。10日金丸投手が2軍に落ちてからの1軍登板をしっかり勝ちました。松山投手も40セーブ。セーブポイントのタイトルを争っています。大野投手もこの日、調子よくなかった中でも0に抑えて10勝。これは大野投手、来年もやってくれると思います。(大野投手持ち味は)シンカー系がいいんですけど、逆に今年はスライダー系。投球パターンちょっと変えている。変えた勇気っていうのもあると思います」(矢野さん)
上林誠知選手、打撃不調の要因は…

ただこの中でチームとしてちょっと状態が心配な選手がいます。上林誠知選手、8月の打率が3割4分9厘あったんですが、9月に入って1割4分0厘。これは心配な数字になりますね。
「上林選手チームを引っ張ってきてくれたんですけど、上林選手の良いところってストライクゾーンのどこでもヒット打てるっていう技術。ストライクゾーンのコンタクト率がむちゃくちゃ高い選手。逆にその長所が、弱点を攻めていけるところになっている。ボールを振っているケースが多いんです。上林選手、振る勇気はあるんです。逆に振らない勇気がこれから出てくるとバッテリーからすごく嫌な選手になるかなと。『自分がキャッチャーだったらこの場面にどう投げるかな』って、ちょっと考えてもらったらチャンスでいきなりストライクから入ってくることはまずない。ストレートから入るとなれば、インサイドのボールなのか外のボール球で様子を見る。となれば、初球はボールしかないと思えば、あまり打ちにいくということがなくなる。そうなるとワンボールすすみ今度はゾーンに投げる確率が上がってくる。ボールを振らないっていうのがこれから上林選手がもっといい打者になるため必要になってくる」(矢野さん)
好調・田中幹也選手は打率5割超え

一方でいま好調な選手もいます。それがこの田中幹也選手ですね、9月に入って打率5割4分8厘です。
「前半の打率が2割もいかないところでしたけど、ずっと上がってきています。僕はもともとこれぐらいの力あるバッターなのかなと。体は小さいんですけど、結構しっかり引っ張れる。こういうバッティングできる田中選手なので、これは僕は普通かなと思っています。田中選手がもっといい2番になるため必要なのは『作戦』。この前の試合でもサードにセーフティして、次1塁側にプッシュをやって、(相手の)嫌なこともできている。でもバスターとかエンドランとかいうのがあまり決まってないなと感じた。僕らの時、荒木選手・井端選手むちゃくちゃ嫌な1・2番だった。だから岡林選手、田中選手って新しい嫌な1・2番になるためには、そういう作戦を監督がいつでも出しやすくなると本当に田中選手の価値がもっとあがっていく。相手にとって嫌な1・2番になっていくと思う」(矢野さん)
現在の順位表です。ドラゴンズはこの1週間ちょっと苦しかった中で5位となってしまいました。3位の巨人に対してドラゴンズ6.5ゲーム差。数字としてはちょっと厳しい状況になってきました。
「先を見るとどうしても無理かなと思ってしまう部分も出てきてしまう。1戦必勝ドラゴンズファンの人も諦めてないと思うんですね。そういうファンのために、目の前の1勝コツコツ1勝ずつ積み上げてほしいです」(矢野さん)
(2025年9月16日放送 メ~テレ『ドデスカ!』より)