ミャンマー詐欺集団の犯罪拠点は有刺鉄線付き塀と軍人見回り「かけ子」とみられる男2人を別容疑で再逮捕

ミャンマーの犯罪拠点で特殊詐欺に関与したとして男2人が逮捕された事件で、2人は別の詐欺事件にも関与したとして5月19日、再逮捕されました。その後の警察の調べで、犯罪拠点は有刺鉄線がついた塀で囲まれ、周囲を軍人が見回りしていたとみられることなどが新たに分かりました。

詐欺の疑いで再逮捕されたのは、石川翔紀容疑者(32)と谷地智成容疑者(22)です。警察によりますと、2人は2025年1月14日から15日にかけて、ミャンマーの犯罪拠点から神奈川県に住む男性(65)に警察官らをかたるうその電話をかけ、「あなたには資金洗浄事件で口座を売った容疑がかかっている」「持っているお金が不正かどうかを調べるために識別番号を調べる必要があり、口座にお金を振り込めば識別番号が分かる」などと言い、現金160万円をだまし取った疑いが持たれています。警察は2人の認否を明らかにしていません。
その後の警察の調べで、2人がいたミャンマーの犯罪拠点は、有刺鉄線がついた塀で囲まれ、周囲を軍人が見回りしていたとみられることが新たに分かりました。2人は「銃声が聞こえたこともあり、敷地外にでることは容易ではなく、ノルマが達成できなければ組織からスタンガンのようなもので電気ショックを与えられるなどの暴行を受けていた」などと話しているということです。

捜査関係者によりますと、2人は「かけ子」とみられていて、報酬はだまし取った金額の4%。だまし取った金額が1000万円に達するごとに、追加で報酬が支払われる約束がされていたものの、ノルマが達成できなければ、報酬を4%から2%に引き下げられていたとみられています。
また、犯罪拠点の敷地内には、詐欺の電話をかけていたとみられる作業場のほか、宿舎やレストラン、病院やコンビニなどがあったとみられることも新たに分かりました。犯罪拠点には、2025年2月にタイ当局に保護された愛知県に住む少年(16)を含め、少なくとも8人の日本人がいたとみられていて、警察は引き続き、犯罪組織の実態解明に向け捜査を進めています。