
4月を待ち望む75歳の職人も…26年春に向けたランドセル商戦がスタート 見た目だけでなく使いやすさも重視


来年2026年の春の入学に向けたランドセル商戦は既に始まっていて、オーダーメイドで作る75歳の職人の男性も、自分が作ったランドセルを子供たちが背負ってくれる日を心待ちにしています。
■下見で来ている人も…2026年春入学に向けたランドセル商戦
名古屋市中村区の「ジェイアール名古屋タカシマヤ」では3月8日から売場を拡大し、過去最多の種類を販売していますが、来年2026年春に入学する子供に向けた商戦です。

60歳の祖母: 「お正月ぐらいに見て買う感じだったんですけど、今は年々早くなっていますよね。それが私もびっくり」 33歳の父親: 「緑がいいとか本人のこだわりがあったので、それにあったものがないかと思って探しに来ました」 ジェイアール名古屋タカシマヤの担当者: 「下見に来られる方も多いなというのが特徴的です。ゴールデンウイーク、5月に入ってからが一番盛り上がる。祖父母の方とみえる方も多く、ファミリーでランドセルを選ぶ光景をよく目にします」
■ランドセルのいま…色やデザインだけでなく使いやすさも
日本の子供たちに親しまれてきたランドセル、昔は「男の子は黒、女の子は赤」が基本。

平成になるとさまざまな色のランドセルが登場し、選択肢が広がりました。 今では色やデザインだけでなく、より使いやすいランドセルになっています。ランドセルが開けっ放しにならないよう、簡単に開け閉めできるものもあります。

この日、ランドセルを買いにきていた親子連れは、台湾から一時帰国中で、半年ほど前から品定めをしていたといいます。 45歳の母親: 「中学生のお姉ちゃんがいるんですけど、その子のランドセルがすごく重たくて、低学年のころ『重たい』って言って本人が嫌がっていたというか苦労していたので、できるだけ軽いのがいいなと思っています」 3つに絞った候補の中から、ハートが特徴的なパステルカラーのピンク色を選びました。平均的なランドセルよりも軽い1080グラムで、お母さんも大満足です。

5歳の女の子: 「かわいい。楽しみ」
■オーダーメイドのランドセルを…4月を心待ちにする75歳の職人
名古屋市北区の「ナガエかばん」は、1人1人の子供に合わせたオーダーメイドが自慢で、職人の長江幸雄さん(75)はこの道25年のベテランです。

ナガエかばんの長江幸雄さん: 「うちのこだわりは、なるべく天然素材を使うこと。それからなるべく手縫いを多くすること」 4月1日から予約を受け付けるのを前に、サンプルを作っています。長持ちするように、大事な背中やベルトなどは手縫いで仕上げ、素材も牛革や豚革など天然素材にこだわったオンリーワンのランドセルです。1つ8万5000円からと値段は少し高めですが、長江さんは「本物」と自信を持っています。

長江さん: 「お子さんが初めて背負うかばんですから、やはり初めてのものは本物を使ってほしいということで。最初からストレスの少ない、そういうランドセルにしようと」 少子高齢化の時代でも、ランドセルは底堅い需要があります。また3月は卒業シーズンですが、6年間ともに歩んできたランドセルをミニサイズにしたり、小銭入れなど、リメイクするお客さんも多いといいます。

4月を間近に控え、長江さんは、大切に作ったランドセルを1年生が背負う日が来るのを心待ちにしています。 長江さん: 「喜ばれるものを作れるというのは、職人冥利に尽きると思います。私どものような作りをしているところは、重い・高いの代表ですので、値段はたしかに高いですけれども、なくなることはないですけれども、細く長くいいものを少しだけ作ろうと思っています」