スマホ条例を豊明市議会で審議 「仕事で2時間以上、野球チェックも」市長直撃 「なぜ条例にするのか」

スマホの使用時間の目安を1日2時間とする条例案が豊明市議会で審議されています。罰則のない『条例』に効果があるのか、議員からは質問が上がりました。
豊明市の市議会で質疑が行われたのは、スマートフォンに関する条例案です。この条例案ではすべての市民を対象に、仕事や勉強以外の自由時間でスマートフォンなどを使用する時間の目安を2時間以内とするとしています。罰則は盛り込まれていません。議員からは。
清水義昭議員:
「この条例が制定された場合、過剰使用が減ると考えておられるのか」
浅井 俊一教育部長:
「あくまで自主的なものでありますけれども、減少する方向となればという」
近藤 信男議員:
「この条例があったとしても大人は誰にも注意されません。どのように制御するのでしょうか」
浅井 俊一教育部長:
「個人を制御するというような意向はございません」
終了後、一部の議員からは。
林ゆきひろ議員:
「豊明市民だけの問題ではない。波及効果も考えて検討していく。」
豊明市が進めるスマホ条例その中身は
豊明市のスマホ条例について簡単にまとめました。なぜ制定に向けて市が動きだしのかその背景です。「スマホなどの長時間の使用によって、睡眠時間や親子の対話時間が減るなど、健康面や家庭環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため」と小浮正典市長は話しています。
スマホの使用時間ですが、仕事や勉強などの生活で必要な時をのぞいて1日あたり2時間以内。使用する時間帯も、小学生以下は午後9時まで。中学生以上は午後10時までとしています。
スマホ条例案 豊明市民は賛成か反対か
この条例案について賛成か、反対か。豊明市民50人に聞きました。さらに、市民から寄せられた疑問を豊明市長にぶつけてみました。
賛成の30代女性:
「子どもが産まれる前からテレビとかは1日2時間までがいいと聞いていたので」
賛成の60代女性:
「孫が小学生で、注意するときに条例が出たから守りなさいと注意しやすいと思う」
反対の20代女性:
「2時間はちょっときついかな」
反対の20代女性:
「わざわざ市から言われなくても家庭内でやったらいいと思う」
反対の10代男性:
「小学生や中学生ならいいと思うが、大学生の僕たちは2時間だと厳しい。6時間とかの制限ならいけるんじゃないかな」
市民50人に聞いた結果は、賛成が23人、反対が27人でした。
条例案の市民の反応について小浮市長は
この結果を豊明市の小浮正典市長に伝えると。
小浮正典市長:
「だいたいこういう風になるだろうとイメージした状態になっています。どうしても理解していただくまでの浸透が、まだ進んでいないのかなと思う」
取材を進める中で、市民から寄せられた様々な疑問について、小浮市長に直接、答えてもらうことに。
豊明市民:
「全国から注目されたいからという理由でやっているのでは?」
小浮正典市長:
「それは全く違います。全国でいろいろな形で報道されたが、それが狙いではない。あくまで6万8000人の市民が睡眠時間を確保して、健やかに過ごしてもらうことが我々の目的」
豊明市民:
「この条例が罰則が無いと聞いて、あった方がまだちゃんと浸透するのではないか?」
小浮正典市長:
「我々の考え方は、スマートフォンは非常に便利なので、これは使いこなした方がいいという前提で進んでいる。ですからスマートフォンは悪ではないので、何か罰則をつくる考えは最初から全くない。自分は大丈夫ですと、睡眠時間はきちんと確保していますということであれば何も問題ない人たちなので、それはそのまま条例案をスルーして結構です」
では、「ホームページや広報誌などで適切なスマホ利用を呼びかければいいのではないか」という声に対しては。
小浮正典市長:「これまでと同じようなやり方で、ただのメッセージとしてやっている状態だと、市民はスルーして誰も受け止められないと思う。強いメッセージがあることを市民には受け止めてほしい」
市長は1日にどれぐらいスマホを使っているのか、聞いてみると。
小浮正典市長:
「仕事で絶対に2時間以上使っている。そのほかで30分から1時間は毎日使っている。それはほとんどがプロ野球のチェック。WBCのときは絶対に自分は超えます。宣言しときます。あくまで睡眠時間がきちんと確保されているかどうかをセルフチェックしてもらえればそれ以上の効果を求めているわけではない」
この条例案は、9月22日に採決され、可決されれば10月1日に施行されます。