「さっさと山へお帰り!」 再生回数100万超も…クマの“フェイク動画”に専門家警鐘 「非常に罪深い」 冬眠始める12月頃までは注意を

岐阜県関市の射撃場。空中に放たれるクレーを次々と打ち抜くのは地元猟友会のメンバーです。
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来月からの猟の解禁を前に、毎年行っている訓練ですが、頭が痛い問題が…
(関市猟友会 臼田雄一会長 73歳)
Q.猟友会の人手不足は?
「全国的に深刻な問題。高齢化しているし」
関市猟友会の臼田雄一会長は、メンバーの高齢化で早ければ5年後には活動の担い手がいなくなる可能性があるといいます。
(臼田会長)
「クマの駆除にしても、撃つ人がいないと、必然的に市民の皆さんに危害が及ぶので、猟友会は大事な存在」
「事務をしている職員が現場で判断するのは…困難な任務」
一方、ハンターに「緊急銃猟」の許可を出す立場となる市長村側も、難しい判断を迫られます。
(関市 山下清司市長)
「私の命を受けて担当職員が現場に行くことになる。事務をしている職員が現場で判断するのは、今までにないことで、困難な任務だと思う」
関市では、対応マニュアルの作成や猟友会向けの研修を実施するなど準備を進めているといいますが…
(山下市長)
「山の中で発砲するのと状況が違うので、住宅街で(発砲が)ずれて壊しちゃったらどうしようとか考えると、引き金を引くのには勇気がいるかもしれない」
全国各地でおきているクマ被害。新たにこんな“問題”も…
クマに餌付けする動画も…
(柳瀬晴貴記者)
「動画サイトTikTok上で“クマ”と検索すると、生成AIで作られたとみられる偽物のクマ動画が大量に出てきます」
10月上旬ごろから、SNS上で出回り始めたのが、クマの“フェイク動画”。
中にはニュースを引用したように見せかけたものや、クマに餌付けする動画も拡散され、100万回以上再生されています。
コメント欄にはAIで生成されたと知らずに、誤解したとみられる書き込みも。
「人身被害を誘発する要因になりかねない」
クマの生態に詳しい岐阜大学の淺野玄准教授は「餌付けはもってのほか!」「誤った認識が広がると命を守る判断を鈍らせてしまう」と警鐘を鳴らします。
(淺野玄准教授)
「餌付けは動物の行動を変えるには影響のある行動。非常に罪深いと言いますか…人身被害を誘発する直接的な要因になりかねないので、非常に危険」
では、クマへの警戒はいつまで続くのでしょうか。淺野准教授は、クマが冬眠を始める12月頃までは、注意が必要だと呼びかけます。
(岐阜大学・淺野准教授)
「岐阜や周辺では12月いっぱいぐらいまでは(冬眠に備えて)餌を食べるクマがでてきても不思議じゃない。まだまだこれから一層引き続き注意していただきたいなと思う」





