車は傾きながら猛スピードで歩行者へ… 名駅前で3人はねられ1人死亡2人重傷 専門家は「100キロ前後出ていると思う」

けさ、名古屋駅前で通勤時間帯に71歳の男が運転する車が、横断歩道の歩行者を次々とはね、1人が死亡2人が重傷です。
【現場の画像】防カメには傾きながら走る車が… 朝の名駅前で歩行者3人はねられる 1人死亡2人重傷
(通行人)
「5分違っていたら私っていうところ…会社の人と話していた。ゾッとする」
事故が起きたのは、けさ7時40分頃。朝のあわただしい横断歩道に車が突っ込みました。現場は名古屋駅から南へ600メートル。バスターミナルや駐車場の出入口がある下広井町交差点で、逆走してきた軽乗用車が横断歩道を渡っていた通行人を次々にはねました。
この事故で3人が病院へ搬送されましたが、このうち愛知県稲沢市の会社員・田中幸子さん49歳が死亡。他2人が首の骨を折るなどの重傷です。
事故は、どのように起きたのか。バスターミナルや駐車場から現場の横断歩道までは、300メートル近い下り坂のスロープがあります。
事故現場は、むかって左側は入口ですが、事故を起こした軽乗用車は、上から入口側に逆走する形で大勢の人が渡っている横断歩道に突っ込んできたのです。
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車体を傾けながら入り口に…
(下和田歩記者)
「事故があった駐車場から地上につながるスロープです。事故を起こした車はこのスロープを下りきった先で反対車線にはみ出して、横断歩道を渡っていた人たちをはねたとみられます」
出入口の内側から撮影した防犯カメラには、赤い軽乗用車が猛スピードで車体を傾けながら、入口側に突っ込んで事故を起こす様子が。スローにしてもかなりのスピードが出ています。
現場は名駅の南側にある、大学や企業へ向かう人が大勢歩く道でした。
(通行人)
「車が歩行者3人ひいて、血だらけ(と言っていた)。ヘリが飛んでいて、大きい事故があったんだなと」
警察は、事故を起こした軽乗用車を運転していた、名古屋市北区の職業不詳・鳴海洋容疑者71歳を過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕しました。
鳴海容疑者は、事故を起こしたことは認める一方、「人にぶつかっていない」と容疑を否認していて、警察が詳しい状況を調べています。
専門家「おそらくペダルの踏み間違いで…」
では、今回の事故について専門家は…
(交通事故鑑定人 中島博史氏)
「おそらく100キロ前後出ていると思う」
「(駐車場の)出口に向かって直線路を走るときに、スピードが出過ぎていて、本来の出口レーン側に曲がり切れず、入り口側の車線の方に飛び出して、人をはねた事故だと思います」
Q.下り坂でスピードが出すぎで、制御できなくなったということ?
「下り坂だとしても駐車場の出入り口として、普通の人は使っているので、きちんとブレーキを踏めば制御できなくなる坂とは考えられないです。速度が出すぎてしまった原因は、おそらくペダルの踏み間違いでアクセルを強く踏んでしまったためにスピードが出たと思う」
Q.ドライバーは71歳の高齢者でした。年齢と事故は何らかの関係が?
「高齢者になると認知機能の衰えなどで、見落としや操作ミスが増えて事故が増えると考えられています。個人差は大きいですが、高齢になるほど運転を間違ったことに気づいて修正することに反応は遅れがちです」