「何十年となかったこと」 稚魚のシラスウナギが記録的な豊漁ですが… 養殖コストの高騰でウナギ価格への反映は不透明

先月28日の午後4時半ごろ。
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岐阜県海津市を流れる「津屋川」で場所とりをする人たちが。
(漁師:77歳)
「シラス漁といって、養殖用のウナギの稚魚(の漁をする)。昼過ぎから場所取りに来ている。10メートル違うととれる量が全然違う」
この日、岐阜県から許可を得た海津市漁協所属の約20人が日没を待ちます。
伊勢湾から遡上してきた「白いダイヤ」とも呼ばれるウナギの稚魚「シラスウナギ」を狙います。夜行性のため日没後3時間ほどが一番活発に動くと言われています。
(漁師:77歳)
「去年は全くだったけど、ことしは不思議と豊漁。こんなことは今まで何十年となかったこと。ずっと不漁が続いていた」
「シラスウナギ」漁の解禁は2月1日でした。ことしは「ダイヤざくざく」ということで心も踊ります。
(漁師:53歳)「去年よりとれる。ことしはすごくとれるので楽しみ」
漁師ら「いっぱいとれるから楽しいけど、お金にならない」
日本に来て30年あまり。フィリピン出身の漁師、濱田マリリン・カリアソンさんは
(漁師 濱田マリリンカリアソンさん:52歳)
「お金もそうだけど、やりたいだけ。おもしろいから。ぱぱぱ~ってきたらとるだけ。ことしはとれるけど(買い取り価格が)安い。(ことしは)1日で1000匹になることも。(去年は)100匹いかないくらいだった」
なんと、去年の10倍の捕獲量だという証言。このため、高値での取引が当たり前のシラスウナギですが去年2月の解禁時と比較するとことしの買い取り価格は15分の1になったと言います。
(漁師:67歳)
「いっぱいとれるから退屈ではないけど、お金にならない。(いわゆる)豊漁貧乏。今は1匹10円ほど。高い時は100円、200円くらいだった」
そして、日が暮れた午後6時半。漁が始まりました。暗闇の中で白く光る体長5センチほどのシラスウナギ。ライトで照らしながら次々と捕獲。
(漁師:53歳)「ことしは(とれる)ペースが早い。めちゃくちゃ来る」
約1時間半の漁 今回の成果は?ことしの豊漁…なぜ?
漁を続けること約1時間半。
(漁師 濱田マリリンカリアソンさん:52歳)
「53匹くらい(とれた)。きょうは少ない。これから毎日(漁に)行く。4月30日までだからもうちょっと頑張らなきゃ」
では、豊漁の理由はなんなのか?
(漁師:77歳)
「黒潮に乗ってしらすが来るので、その加減だろうけど…」
謎多きウナギの生態。地元漁協は今年の豊漁の理由については「確定的なことは言えない」とのこと。とったシラスウナギは養殖業者に出荷、この夏の土用の丑の日には食べごろになるだろうということです。
年間に約150トンを出荷する漁協は
(一色うなぎ漁業協同組合 田中三千雄 組合長)
「豊漁ということでシラスウナギの価格が安くなって、喜ばしいことだと思っています。(価格が安いのは)大きいですね、経費の大きな部分を占めていますので」
豊漁を喜ぶのは西尾市を中心に110あまりの生産者でつくる一色うなぎ漁協。3か所の養鰻場で年間150トンほどのウナギを出荷しています。ここ3年ほど続いた不漁でシラスウナギの価格は高騰し、経営を大きく圧迫してきました。
(一色うなぎ漁業協同組合 田中三千雄 組合長)
「高い時で300万円くらいでした、1キログラムあたり」
今後のウナギ価格への反映は不透明
シーズン後半にはいった、ことしの2月頃になると鹿児島や宮崎、千葉など全国各地でもシラスウナギは豊漁に。
ただ、シーズン当初の去年12月中旬以降は餌代や水温維持のための重油代など養殖のためのコストが高騰していたことから、今後のウナギ価格への反映は不透明ということです。
(一色うなぎ漁業協同組合 田中三千雄 組合長)
「このような(豊漁の)状況が2年・3年・4年と続けば、多少は変わってくると思いますが。そのあたりは、まだ分かりません」