
「トランプ関税」発動に愛知の自動車部品メーカー「世の中の流れに逆行している」

アメリカのトランプ大統領が発表した新たな関税が世界に衝撃を与えています。懸案の自動車関税も発動を迎え、先行きの不透明感は強まるばかりです。

3日の朝から大荒れとなった株式市場。
名古屋証券取引所の株価ボードは値下がりを示す「緑色の表示」一色に。
日経平均株価が一時、前日の終値よりも1600円超下げたほか、東海地方の主要企業の株価も軒並み下落しました。
その発端となったのが「相互関税」の発表です。
トランプ大統領は2日の演説で冒頭に「きょうは解放記念日だ」と述べたうえで、「世界中の国々に対して相互関税を導入する」として、すべての国を対象に一律で10%の関税を課す方針を表明しました。
さらに政権として、貿易赤字や非関税障壁を問題視している特定の国をリストアップし、税率をさらに上乗せするとしています。
日本の「相互関税」は24%

「日本はタフな国だ。日本はアメリカに46%の関税を課していて、車など特定の品目ではより高い関税を課している」(トランプ大統領)
特定の国には日本も含まれ、日本からの輸入品に24%の「相互関税」がかけられます。
「今回発表された相互関税の中身は想定されていた以上に厳しいものだったといえます。トランプ大統領が演説で『経済の独立宣言』とまでうたったのは、アメリカが世界の国々の食い物にされてきたという強い被害者意識があるためです。岩盤支持層を意識した言葉でもありますが、物価高をもいとわず厳しい措置に踏み切ることで、『搾取は許さない。アメリカの強さを取り戻すんだ』という、なみなみならぬ意志が感じられます」(小島佑樹記者)
景気の悪化につながる可能性も

トランプ氏が発表した「相互関税」はアメリカの産業を保護し、雇用を増やす狙いだといいます。
ただ、アメリカの消費者からみると輸入品の価格が上がり、これまでのようにはモノが買えなくなります。
モノが売れなくなると日本からの輸出にも悪影響が及び、メーカーはつくる量を減らすなどの対応を迫られます。
世界経済にも日本経済にも混乱やダメージが広がれば、景気の悪化につながりかねません。
株価の下落にとどまらず、業績が悪化した企業ではボーナスを減らしたり、新規採用をためらったりする動きが広がる可能性もあります。
自動車への追加関税が発動の時間を迎える

そして、東海経済の懸念だったもう一つの関税も――
「自動車関税」です。
「アメリカ製ではない、すべての自動車に25%の関税をかける」(トランプ大統領)
トランプ大統領は3月26日、輸入自動車に25パーセントの「追加関税」をかけると発表。
日本からアメリカへの輸出額の約3割を占める自動車への追加関税が、3日発動の時間を迎えました。
東海地方の自動車産業に影響は?

ついに発動されたトランプ関税。
東海地方の自動車産業には、どのような影響があるのでしょうか。
愛知県碧南市の「旭鉄工」。
Q.こちらでは何を作っていますか
「サスペンション。車の足回りの部品を作っています」(旭鉄工 木村哲也社長)
トヨタの「ランドクルーザー」などに使われる自動車のエンジンや、変速機の部品を作っています。
アメリカと直接、取引しているわけではありませんが――
「関税がかかって、アメリカの景気が悪くなり(自動車の)売り上げが落ちると、我々の売り上げにも影響があるので非常に大きな問題」(木村社長)
Q.8年前のトランプ政権との違いは?
「前回は関税まではなかったので、ここまでやるのかと。前回は多少不安はあったが、思ったほどいろんなことをしたわけではなかった。今回の方がインパクトとしては大きい」(木村社長)
「早期に関税が見直されることを願う」

車の部品メーカーという立場ですが、企業の取り組みにも幅を持たせているといいます。
「コストダウンに注力しないといけないので、さらに生産性を向上していく。自動車部品の売り上げ以外のところで、引き続き伸ばしていくという努力が必要。DXについて強力に取り組んで、他社に販売しているので、それを強める」(木村社長)
トランプ大統領が続ける強気の外交政策。今後の行方を注視しています。
「世の中の流れに逆行していると思う。希望としては、どこかで訂正される。アメリカ経済に悪影響が出て、見直さざるを得なくなるかもしれないが、早期に関税が見直されることを願う」(木村社長)