アプリでも視聴可能!アプリでも視聴可能
新着

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

中京テレビ
07.25(金)19:39

持ち前の明るさと攻めの姿勢が導いた、起業家への道。ガッツ溢れる笑顔の裏には、挫折や拒食症、将来への葛藤を乗り越えた日々がありました。“作り手のストーリー”にこだわり、食体験を発信する狙いとは。

“楽しいこと”が大前提!親子で楽しむ食体験を発信

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

名古屋大学農学部在学中、食の背景にあるストーリーを届けるブランド「こだわりん」を立ち上げた柘植千佳さん。食育をテーマに、親子向けの「マルシェ」と「食育体験」の2種類のイベントを展開しています。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

「“こだわりの食”が集結するマルシェでは、手作り体験やクイズラリーなど様々なイベントを実施しています。手作り体験では、農家のお米で白玉だんごを作ってパフェにしたり、生地から米粉のパンケーキを作ったり、トウモロコシを収穫したり、“作り手のストーリー”を知るプログラムが充実しています」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

なぜ、食育と作り手のストーリーを発信する『こだわりん』を始めたのでしょうか。その背景には、柘植さんが経験した2つの物語がありました。

ケガで柔道断念...拒食症で孤立した日々

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

中学時代、柔道に熱中していた柘植さん。全国大会に出場するほどの腕前だったといいます。しかし、高校生の頃、ケガで柔道の道を断念。その喪失感から、拒食症になってしまったといいます。

「“やりたいことってなんだろう?”、“なんで受験が必要なんだろう?”とか分からなくなってしまって。食べられないことで、笑えなくなって、人と話す意味も分からなくなりました。一番つらかったのが、“食べられないこと”をずっと考えてしまうこと。コミュニケーションもうまく取れなくなってきて、どんどん孤独になっていった時期がありました」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

拒食症の経験を経て、柘植さんは「食は栄養摂取のためもあるけれど、人と人を繋ぐための“食”なのだ」と強く感じたといいます。

孤独が教えてくれた、“食べること”の大切さ。

「誰と一緒に食べるのか?そして、食べる人と作る人がつながるキッカケになることをしたいと思い、『こだわりん』をやりたいと思いました」

価値観を変えた、農家同士の“野菜自慢”

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

名古屋大学農学部に在学中、「品種改良やDNA 配列の操作によって、おいしいものが作れることは学んでいた」という柘植さん。

食材をどんな人がどのように作っているのか知りたいという思いから、全国の農家が集まる「農業セミナー」に参加したといいます。そこで知ったのが、“作り手のストーリー”でした。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

「例えば、九州のヤンチャな農家さんと青森の物静かな農家さんが、『俺のとこのニンジンは…』と、それぞれが作っている野菜への想いを言い合うんですよね。農家さんの性格によって作り方も違うし、だからこそ味が変わってくる。品種改良でおいしいものが作れると思っていた私にとって、農家さん同士の会話はとても興味深いものでした。実際に畑に行ったりして、農家さんからストーリーを聞いてから食べる野菜はすごくおいしい。この体験を、たくさんの人に共有したいと思ったんです」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

『こだわりん』立ち上げにつながった、2つの経験。その想いを形にする機会となった起業にも、意外なストーリーが隠されていました。

起業のキッカケは、バナー広告のクリック

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

中学時代まで、柔道一本だった柘植さん。大学に入学し、やりたいことを探してみても、熱中できるものを見つけられずにいました。そんな状況を打破したのは、たまたまクリックしたバナー広告。

「友達がビジネスコンテストに応募することを知って、私もその応募ページを見ていたんです。そのとき、女性起業家向けの選手権を告知するバナー広告が出てきたのでクリックしたら、学生起業家の卵を募集するページにつながったんです。興味本位でポチッと応募してみたら、なぜか受かってしまって…(笑)」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

慣れないビジネス用語を必死に勉強し、他の学生と共に起業の知識を学んだ結果、なんと起業の出資対象者に選抜。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

NICT学生起業家甲子園中部大会での優勝をはじめ、数々のビジネスコンテストでの受賞を経て、Lawin株式会社を設立しました。

「食を中心とした産業も盛り上げたい」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

『こだわりん』が提供する体験のラインアップは、食だけでなく、“ものづくり”まで拡大。作り手や地域のルーツを辿ることで、アイデアを創出しているといいます。

「絵付体験では、絵付けするお皿がどのように作られているのか、そんなストーリーを伝えることから始めています。お皿の材料となる土を実際にさわったり、砕いたりして、“これが粘土になるんだよ”と伝えたり。そのあと、子どもたちに絵付けをしてもらって、自宅のオーブンで焼き上げれば、その日から使えるものとして持ち帰ってもらう。そういう“地域”の食を中心とした産業も、盛り上げていきたいと思っています」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

ほか、溶かした金属で鋳造のキーホルダーを作ったり、キッチンアイテムに好みのモザイクタイルを貼ってみたり、手仕事の魅力を知る体感を多数開催しています。

多様な価値観がつながる場所へ「ストーリーは国境を越える」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

『こだわりん』の企業理念は、食の物語を通したおいしい笑顔の最大化。

食育体験イベントでは、そば打ちや和菓子職人との栗きんとん作り、挽きたてのきなこを使用したわらびもち作りなど、パワーアップした体験を楽しみながら、食の背景をより深く知ることができます。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん
「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

なかには、練りもの文化と竹林整備の大切さを発信する「たき火で焼く竹輪づくり」、山のいのちをいただくことで獣害を知る「ダッチオーブンの米粉ピザづくり」など、地域が抱える社会課題を学ぶ体験も。そこに柘植さんが、食体験に求める狙いがありました。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん
「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

「“楽しかったね”で終わるのではなく、親御さんが子どもに“楽しく学ばせることができて良かった”と満足していただける時間にしたいと思っています。小さい頃に体験したことって、大人になっても意外と覚えていたりする。食やモノの背景や作り手のストーリーを知ることで、子どもたちに人生をより豊かに生きてほしいと思っています」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

楽しい体験を通して、日本中に広がっていく笑顔と学び。柘植さんはその輪を、世界中に広げたいと話します。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

「ストーリーは国境を越えられると思っています。日本人が日本の文化を知り、その魅力を発信することが、世界の人とつながるキッカケになる。ストーリーは、日本だけでなく、世界中に存在します。“作り手のストーリー“を通じて、『こだわりん』が国を越えて、さまざまな価値観や考えが繋がる場所になれたらいいなと思います」

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

現在、『こだわりん』では、食を中心とする、約3,000にもおよぶ事業者と関係を築いているといいます。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

柘植さん曰く、『こだわりん』の位置づけは、「スタートアップ事業として、事業モデルとしては、イベントプロモーション(広告事業)」。“地域に人が集うきっかけを。”をテーマに、食の作り手や、手仕事の生産者とのコネクションを活かし、その魅力が家族に届くようなイベントを提供しているといいます。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

「この趣旨に共感してくださる、スポンサー企業様と共にイベントを開催し、ご家族が楽しく作り手のことを知り、体験し、そして、地域に人が集うきっかけを提供したいと考えています」と話す柘植さん。続けて、「そういった意味で、リアルな場所を利活用し、地域に人が集う場所を提供したいと考える車の販売店(ディーラー)、ショッピングモール等の商業施設、テーマパーク等をクライアントとし、リアルな場所を利活用し、来店(来場)の満足度をあげることで、“地域コミュニティ”の活性化に貢献できればと考えています」と事業への思いを明かしました。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

次なる目標は、この繋がりを活かして、新たな広がりを展開すること。

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

今後の展望について、柘植さんは「今、色んな事業者さんと繋がっているので、今までになかった展開を企画できることがすごく面白いんです。このご縁を活かして、いろんな場所にいる親子の皆さんと繋がっていけたら嬉しいなと思います」と笑顔で語りました。

プロフィール

Lawin株式会社
代表取締役 柘植 千佳

「人と人をつなぐための“食”」 拒食症が教えてくれた、“食べること”の意味 Lawin代表取締役・柘植千佳さん

名古屋大学農学部卒業。「こだわりん」ブランドを立ち上げ、食育をテーマにした、マルシェイベントや食の体験教室を運営。“食のストーリー”によって、子どもたちの創造力や思考力を高め、将来を生き抜く力につながるきっかけを提供している。

Locipo(ロキポ) 無料テレビ動画・見逃しネット配信サービス
無料Locipo アプリ

スマホアプリで
Locipoを楽しもう! ▶

ウェブにはない機能がいっぱい!

Store QR code
  • 東海テレビ
  • 中京テレビ
  • CBCテレビ
  • メ〜テレ
  • テレビ愛知
© CBC TELEVISION CO.,LTD. |©「かよチュー」実行委員会|©テレビ愛知|©中京テレビ|©東海テレビ|© Project Vanguard if/Aichi Television|© CBC TELEVISION CO.,LTD. 🄫中日ドラゴンズ 一般社団法人日本野球機構承認 🄫Konami Digital Entertainment|©多田かおる/ イタキス製作委員会|©テレビ愛知・フリュー/徹之進製作委員会|©メ~テレ|© 実験ヒーロー製作委員会2024|©CBCテレビ・文響社 |©CBCテレビ・文響社|東海テレビ、中京テレビ、CBCテレビ、メ~テレ、テレビ愛知|東海テレビ、中京テレビ、CBCテレビ、メ〜テレ、テレビ愛知|© Studio Ghibli|©2023 二月 公/KADOKAWA/声優ラジオのウラオモテ製作委員会|©エンタメ~テレ|©VANGUARD Divinez Character Design ©2021-2025 CLAMP・ST各ページに掲載の記事・写真の無断転用を禁じます。
  • JASRAC許諾番号

    第9008707021Y45037号

    第9008707022Y45038号

  • NexTone許諾番号

    ID000007318

    ID000007452

©東海テレビ, 中京テレビ, CBCテレビ, 名古屋テレビ, テレビ愛知 2020 All Rights Reserved.