伊勢エビ漁の町を悩ます危険な放置船 県が“持ち主に代わって”撤去 所有者不明で約2200万円の税金投入も 三重・志摩市

伊勢エビ漁などが盛んな三重県志摩市浜島町。海に面したこの町が抱えるのは、“放置された船”を巡る問題です。今、全国で対策が求められています。
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(中道陸平記者 13日午前10時頃)
「こちら県が管理している港なんですが、10隻以上の船が放置されている状態です。海面を見てみると油のようなものが漂っているのもわかります」
三重県が上空から撮影した映像を見てみると、海の中に完全に沈んだ船が複数確認できるほか、船から漏れ出したとみられる油が海面を覆っています。
この港では、20年ほど前から船の解体を行う業者によって中古の船が持ち込まれるようになり、県は業者の代表を務める男性に船を撤去するよう指導してきました。しかし男性は4年前に亡くなり、男性が所有していた18隻のほか、所有者の分からない10隻の船が放置された状態になっていたのです。
台風などで流れ出すと危険!油漏れも確認され「行政代執行」を宣言
(県の担当者)
「放置されている船なので、台風などで流出したときに、他の船や岸壁にぶつかるリスクもあるので、適切に処分していかなければならない」
他の船などに影響する危険や油漏れが確認されたことなどから、県は「行政代執行」を宣言。
(県の担当者 13日)
「期日までに義務の履行がされませんでしたので、三重県が代執行を行います」
14日からは重機を使った作業も始まりました。
(荘司和也カメラマン 14日ヘリリポート)
「行政代執行により放置された船が、今、撤去されていきます」
船は今後3か月ほどかけて撤去されることに。かかる費用は総額約7000万円で、そのうちおよそ4800万円は18隻の船を所有していた男性の関係者に請求されるということですが、所有者不明の10隻の撤去にかかる残りの約2200万円は、県の負担として税金が投入されるということです。