ウナギの価格 規制かかれば「単純計算で5倍に」ワシントン条約で揺れる“ウナギ業界” どんな影響が?

EU=ヨーロッパ連合が、絶滅のおそれがある野生動物の国際取引を規制する「ワシントン条約」の対象にニホンウナギなどを加えるよう提案しました。
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そんな中、名古屋市内のウナギ専門店を取材すると…
(松本道弥アナウンサー)
「名古屋市東区にやってきました。土用の丑の日も間近ということで、きょうはウナギの名店にお邪魔します」
訪ねたのは、創業95年の名店「うなぎの西本」。
(松本アナ)
「皮の外の部分がパリッパリッとしていて香ばしく、中の身はフワッとして柔らかいです」
このひつまぶしは「鰹だし」と「アゴだし」をブレンドしたあんかけでも楽しめ、多い日は一日に約100食出る人気メニュー。
(名古屋市から)
Q:実際にウナギを食べてどう?
「うまい。ボリューミー。最高。最高においしい」
「ウナギを食べて、元気にあすもがんばるぞという気力のために。多少値段が上がってもがんばる、という気持ちが大きい」
気になる「ワシントン条約」の今後…どんな影響が?
では、ワシントン条約に関連して伺います。
(うなぎの西本 3代目 石田浩一さん)
Q:“二ホンウナギ”の取引が規制される可能性があるがどんな影響が?
「ウナギ専門店として供給できるほどの入荷がなければ、廃業も考えなきゃいけない」
石田さんの懸念は、世界一のウナギの輸出国=中国からの輸入が途絶えること。
(石田浩一さん)
Q:どれくらい価格は変わる?
「単純計算で国産2割でまかなおうとすると、(供給が)5分の1。そうなると単純計算で言うと(値段は)5倍」
しかし、輸出が強く規制されると、最大消費国=日本をあてにする国々にとってはウナギを確保する意味が無くなるはずと石田さんは話します。そこで、希望的観測としては…
(石田さん)
「シラスウナギはマリアナ海峡を通って、北上して日本に来る。手前の台湾や中国で漁をしなければ、日本にシラスウナギが来る確率も高くなる。日本国内のウナギの供給が保たれるのでは、という希望的な思いもある」
秋の締約国会議での結論が出るまでは、業界の不安は続きます。
(石田さん)
「2年に1回くらいは値上げしている。物価高もある。だけど僕らも生活がある。納得して来ていただくしか、僕らには道がない」