
小規模ながら楽しめる仕掛け満載…名古屋港にある“もう一つの水族館” 飼育員と来館者の距離の近さも魅力に


名古屋市港区にある水族館「シーライフ名古屋」。小規模ながら親子で楽しめる仕掛けが満載で、裏側ツアーや夜の館内探検も大人気。魚の繁殖やウミガメの保護など、生き物を守る活動にも力を入れています。
■ スタッフとの距離が近い親子で楽しめる水族館
名古屋市港区のテーマパーク「レゴランド」のすぐ向かいにある「シーライフ名古屋」(大人1800円~ 子ども1400円~)。

敷地面積7800平方メートルと決して大きな施設ではありませんが、11のエリアに3500匹の生き物が暮らしています。薄暗い照明の中を魚が回遊する神秘的なエリアや、沈没船をイメージしたエリアなど遊び心あふれる展示が盛りだくさん。

竜宮城エリアはトンネル状の水槽が子供達の冒険心をくすぐります。さらに床がシースルーになっており、水槽の上を歩ける仕掛けも人気です。中でも最も人が集まるのは、描いた魚を巨大スクリーンの中で泳がせることができる最新技術を駆使したエリアです。

「シーライフ名古屋」の大きな特徴は、飼育スタッフと来館者の距離が近いこと。ガイドはもちろん、生き物に関する質問にも丁寧に答えてくれます。

館長の小川泰史さん: 「スタッフと話せる機会を作ることがとても大事。僕自身も子どもの頃は飼育員さんと話すのって芸能人とかに会うより感動だった。子どもたちにとっても、そういう存在であってほしい」
■バックヤード体験ツアーで特別な発見を
ファンを増やすために実施しているのが「バックヤード体験ツアー」(1名800円)です。竜宮城エリアの巨大水槽の裏側を見学でき、普段は見られない貴重な光景が楽しめます。 飼育員: 「イソギンチャクを背負っているヤドカリ。表ではまだ展示されていないのでこの子を見るにはバックヤードに入っていただくしかないです」

さらに。 飼育員: 「サメの卵です。こちらの卵さわっていただきたいと思います」

巨大水槽の魚への餌やり体験もでき、来場者の評判も上々です。 客: 「勉強になったし、楽しかった」 別の客: 「すごく貴重でいい体験ができました」 また夏には、レゴランドホテル宿泊者限定で閉館後の館内を巡る「シーライフ名古屋ナイトツアー」を開催。飼育員の解説付きで夜の魚の鑑賞を楽しめます。 客: 「楽しかった。特別感があった」 別の客: 「説明しながら回っていただいて貴重な時間だった」
■命守る活動も
一方で、生き物を守る活動にも力を入れています。 小川館長: 「今もシーライフで飼育している、ポットベリーシーホースというタツノオトシゴの仲間がすごく繁殖をしていて」

乱獲で絶滅の危機にあるともされるタツノオトシゴ。その赤ちゃんを水族館で繁殖させています。 小川館長: 「水族館の中で繁殖できる種類を1種類でも増やして。絶滅の危機に瀕している動物たちを人間の手で増やしていって、野生の中で数を維持することも可能かもしれない」

2025年7月、シーライフは静岡県沼津市の幼魚専門水族館にタツノオトシゴの赤ちゃんを引き渡しました。 小川館長: 「うちで生まれたタツノオトシゴを幼魚水族館に進学させる。展示によっては、(魚の)行き場がなくなるケースがある。他では活躍できるので。一匹一匹の命を大事に共有していく」

一方で幼魚水族館から託された魚もありました。 小川館長: 「誰かが大事に育てた魚をもらって展示してあげて。観客にメッセージが届くならやる意義はある」

さらに、シーライフでは傷ついたウミガメを一時的に保護し、治療を続けながら来館者に公開。治療を施したのち自然の海へとかえすなどの活動も行っています。そのため、ウミガメが見られるのは治療中だけです。

小川館長: 「できれば飼育して展示してあげたいから、傷ついたウミガメの報告があったらいいなと思う一方で、そういう個体が出ないことを望む自分もいるし非常に難しい」 来場者を楽しませる仕掛けを次々と考案しながら、生き物の未来を守るために奮闘を続ける小さな水族館。 小川館長: 「水族館に期待される価値って時代とともに変化してきているので、50年とか100年とかを見据えた水族館を僕らの世代でデザインしていかないといけないと思います」 展示だけでなく命を守る活動を続けるシーライフ名古屋は、子どもたちに自然の大切さを伝えています。 2025年8月18日放送