【褒章】教科書の文字を大きくする活動で「弱視の子どもたち」の学びの支えに

教科書の文字を大きくする活動を続けているボランティア団体が岡崎市にあり、30年以上、全国の弱視の子どもたちの支えとなっています。
岡崎市のボランティア団体、「拡大写本グループあい」の代表、宮石由美子さんです。作っているのは、拡大教科書という弱視の子どものための教科書です。
この拡大教科書、眼鏡をかけても十分に視力が得られない弱視の小中学生に無償で配られています。特徴は文字の大きさ。最大でおよそ1.4センチ四方にまで大きくすることができます。ただそこで問題になるのは…
(拡大写本グループあい 宮石由美子代表)
「やっぱりレイアウトですね。わかりやすいように」
例えば小学3年生の社会の教科書。通常1ページで収まる情報を要点ごとに切り分け、ページを分けてレイアウトします。はじめに「子どもたちへの問いかけ」をまとめて見られるようにして子どもたちの思考する力を促し、その後、本文を読んでもらう配置にしました。授業の進行に沿ったレイアウトになっています。
(拡大写本グループあい 宮石由美子代表)
「ただ単にだらだら大きくしただけではわからない。一番わかりやすい教科書をつくりたい」
1993年の設立以降、多い時には年間1000冊以上の教科書を作ってきたこの団体。その功績が認められ、この秋、緑綬褒章を受章しました。
子どもたちからは、お礼の手紙が来ることもあります。ある日、宮石さんの元に届いた手紙には、「毎日国語の音読があったので拡大教科書があって本当に良かった」と書かれていました。
(拡大写本グループあい 宮石由美子代表)
「(Q:覚えていますか?この子のこと。)はい。覚えています。6年間使ってくれていたので。顔を近づけなくても読める、机に置いたり立ち上がって読めるというのはとてもうれしいことだというので(自分も)とてもうれしかった」
学習教材のデジタル化が進む中にあってもオーダーメードにこだわった拡大教科書の需要はなくならない。今後も活動を続けていきたいと宮石さんは話しています。





