“津波警報” 東海3県も混乱 避難した住民らは…「大変」 避難所の厳しい暑さ 崖からの転落事故 養殖いかだが流される被害も

ロシアのカムチャツカ半島で起きた地震で、愛知県に最大50センチ、三重県にも最大40センチの津波が押し寄せました。その影響は、きょうも続いています。
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(村上康平カメラマン)
「複数の養殖イカダが流され、壊れています」
きのう夜、40センチの津波が押し寄せた三重県鳥羽市。
(中道陸平記者)
「橋の左手にあったイカダが潮の流れによって、どんどん右側に押し出されています。位置がみるみる変わっていきます」
浦村カキの養殖イカダが流されていました。
(浦村シーファーム 浅尾大輔さん)
「こっちのイカダがあっちに行って、あっちのイカダがこっちに行って。かなり入れ替わるくらいめちゃくちゃになっています」
避難しても“厳しい暑さ” 求められる対策
きのう、突然発表された津波警報。三重県内では、4450人が避難しました。
しかし、きのうも厳しい暑さ。尾鷲市では最高気温が38℃を超えました。
(避難した人)
「高齢者はなかなかよく逃げれらないのでね」
Q:何本も水を持ちながら山を上がるのは大変?
「大変やなあ。とてもじゃないけど歩くことはできない」
田原市赤羽根では、きのう夜、50センチの津波を観測。市内の避難所でも「暑さ対策」が求められていました。
(避難した人)
「とりあえず建物の中にいると、炎天下が避けられるから」
三重県熊野市では、痛ましい死亡事故が起きました。
避難時に起きた 崖からの転落事故
(村上真惟記者)
「事故があった三重県熊野市の現場です。避難しようとした女性の車はこの崖から転落したとみられます」
津波警報の発表から約20分後の、きのう午前10時すぎ、熊野市内に住む58歳の女性が運転していた乗用車が国道沿いの崖から転落しました。
女性は死亡。女性は家族に、「高台に車を置いてくる」などとLINEのメッセージを送っていて、避難場所に向かう途中だったとみられています。
(近所の人)
「慌てたんだろうね。(避難は)パニックになるから。恐ろしいと思って逃げたんだろうけど」
伊勢湾フェリーは、現在、運航を再開していますが、午前中はストップ。
(伊勢湾フェリー伊良湖営業所 島田智史 次長)
「夏休みに入り、親子連れの客が増える時期。非常に残念」
今月6日に海開きした熊野市の新鹿海水浴場も…津波注意報が解除されるまで、閉鎖されていました。
愛知・大村秀章知事「冷静に対応していく」
一方、きのう午後、愛知県の大村知事は…
(愛知県 大村秀章 知事)
「予定をしていた行事であるし、世界中からコスプレイヤーの皆さんも来ていますから」
世界コスプレサミットのPRで、愛知県知事と名古屋市長が毎年恒例のコスプレ姿を披露。愛知県の大村知事は、鳥山明さんの代表作「ドラゴンボール」のピッコロ大魔王に変身。津波警報の中での表敬訪問について問われると…
(大村知事)
「被害はない状況にあるので、それであれば予定通りやらせていただく」
東海地方の津波注意報は午前中に解除されましたが、三重県鳥羽市の浦村カキの組合によりますと、約300の養殖イカダが流されたとみられています。
本格的な復旧作業は8月4日から始める予定だということです。