“当日券“求めて2日連続野宿の人や… 先頭は前日のお昼から 閉幕まで5日の大阪・関西万博 入場前の行列に密着

来週月曜日、大阪・関西万博が閉幕します。入場券の販売はすでに終了、当日券の入手も大変な状況ですが、今日を含めて残り6日、東海地方からも多くの人が訪れているようです。きょうの様子を取材しました。
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10月8日午前2時ごろ…
万博会場近くの路上には暗闇の中、横になっている人々の行列が…いったいなぜ、硬い地面で夜を明かしているのか。
(並んでいる人)
「予約できていないチケットがあります」
「チケットだけあるんですけど、日時指定が取れていなくて」
(並んでる人)
Q.きょうは何時から並んでいる?
「きょうは昨晩の午後8時から。日付の予約が取れていない。チケットはあるんですよ。(いわゆる)死に券」
チケットを買ったのに、日時指定の予約が取れずに入場できない“死に券”。
9月時点で、死に券の枚数は約91万枚に上るといいます。
先頭は前日午後1時から… “2日連続野宿”してでも入りたい!
スタッフが、長い行列の先頭へ向かうと…
(先頭の男性)
Q.先頭ですけど何時から並んでいる?
「午後1時から並んでいます。きのうのお昼の」
(スタッフ)
「ちゃんと飲み物まで…」
(先頭の男性)
「まだおにぎりがあすの朝の分も残っていたりとか」
取材を続けていると、並んでいる人たちにトイレの場所などを丁寧に案内する女性が…この人はいったい?
(2番目の女性)
Q.めちゃくちゃ詳しいですね
「2連泊もすると詳しくなる。きのうからいるから仲良くなってね」
Q.ご家族やお友達とかじゃない?
「皆さんおひとりさまで来られている。人類みな兄弟。万博ファミリーです」
何と、おとといもここで野宿をして先着順で会場へ入り、きょうも入場しようと野宿をしているツワモノです!
(2番目の女性)
「家で寝るのも、ここでゴザ敷いて寝るのも、寝てしまえば一緒。入るまでの過程が長く感じないんですよ。昼の2時からでも先に先輩がおられたから、それでしゃべってたらあっちゅうまにね。花火も特等席で見られたし。『万博泊したね、2連泊したね』というのも思い出に変わるじゃないですか。全てが思い出」
早朝4時40分、ようやく万博の敷地内に入るゲートが開門。会場までさらに約4時間待ち続けます。
きのうの万博終わりに再び並んだ人も…
(松本道弥アナウンサー 東ゲート午前7時半)
「開場まであと1時間半ですが、とてつもない人数がゲート前に集まってきています」
徹夜組だけでなく、あらかじめ入場予約した人も次から次へとやってきます。その数は、ことし5月に比べて明らかに増えています。
そして、トイレの前にもものすごい行列です!
さて、入場待ちの列の先頭には、やはりこの人が。万博ほぼ皆勤賞の、愛知の男性です。
(175回来場 福安隆夫さん)
「(きのうの万博が)終わってから並んだ」
Q.きのうの夜9時前から並んでいる?
「そうです。防災や防寒のこういうものや…あと寝袋」
Q.寝袋を持ってきてまで
「じゃないと寒くて寝られない」
Q.早く来る意味は?
「早く来る最大のメリットは人気パビリオン。なかなか予約が取れない…イタリア館に7時間並んで入れるだけいい。7時間ではイタリア行けないので」
もはや「並んで楽しむ万博」に?
ゲート前に並べるのは、事前に入場予約できた人たち。しかも、朝一番の入場予約が取れているのに…
(名古屋から)
「きょうというかきのうの夜(に来た)。会場前に着いたのが午後11時過ぎ。外でシートを敷いて一晩泊まった。せっかく午前9時の枠が取れたので、最大限有効活用したい」
(三重から)
「21回目。閉幕の日にも来る。これだけの人が来るんだから価値がある」
(名古屋から)
「きょうは6回目。さよならをしに来た」
Q.きょう自分も最終回?
「最終回で。イタリア館に行きたい」
Q.イタリア館はまだ行けていない?
「まだ行っていない。きょう行こうかと。今更文句はない、お祭りなので楽しんだもの勝ち」
並ばずに済むかどうかではなく、もはや「並んで楽しむ万博」になっているようです。
当日券を求めて12時間以上待ち、念願の初万博!
そして、先着順の当日券を求め、予約無しでゲート前に並んでいた「徹夜組」。名古屋から来たかおりさんは…
(名古屋から来た かおりさん)
「正午過ぎに入れました。12時間以上は確実に待っていますね」
ゲットできた当日券は正午入場のもの。引き換えてゲートをくぐるまで、さらに2時間待って、ようやく念願の初万博です!
(かおりさん)
「すごいですね。初めて見たけど圧巻ですね、大屋根リング」
まずは入場の10分後からできる、パビリオンの予約にチャレンジ!
(かおりさん)
「全部×ですね、どうしましょう。オーストラリア館ちょっとあいてる」
パビリオンに入れなくても「来た価値あった」
しかし、この賑わいで結局予約はとれず、向かった先は大屋根リングの上!
(かおりさん)
「ここから見るとほんと広いですね。あれも全部並んでいる列ですよね。これだけいたら入れないなと納得」
(スタッフ)
「景色の感想は…予約できなかった恨みつらみじゃなくて…」
(かおりさん)
「来て良かった。これ見ただけでも来た価値あった」
パビリオンの中は見られませんでしたが、万博会場の空気を満喫していました。