
好調の上林誠知選手と根尾昂投手を矢野燿大さんが解説 GWの連戦で見えた「もう一つの勝ちパターン」

ドラゴンズは3日と4日の広島戦で連敗しましたが、いい部分もたくさんありました。ドラゴンズOBで元阪神監督の矢野燿大さんに、GW9連戦と好調の上林誠知選手、根尾昂投手について解説してもらいました。

Q:上林選手のこれまでの成績は打率2割9分8厘、ホームラン2本、打点14で、いずれもチームトップです。そして盗塁は6つでリーグトップタイ。チーム4冠の成績を残しています。直近3試合でも打率5割を超えています。
矢野さん:
「相手が左ピッチャーの時はスタメンから外れるケースも多かったけれど、最近は左ピッチャーのスタメンで出始めたし、4日の試合の3回に放ったタイムリーはボール球なんです。追い込まれてからこういう球を打てると、井上監督の評価もめちゃくちゃ上がる。『これから左ピッチャーの攻略には上林選手は外せない』というような、チームでの評価も上がるすごくすばらしいタイムリーでした」
Q:打線に欠かせない選手になってきた?
「そうですね。そして盗塁も初球で走っているんです。準備がしっかりできていないとこういうスタートを切れないので、打つだけじゃなくて走る上林選手というのも評価がぐんぐん上がり、(打順)3番に固定されてくるかもしれないですね」
「もともとバッティングも走塁も積極性があるんですけど、やはり準備ができていないとこういう結果が出てこないと思うので、そういうところもすばらしいですね」
防御率0.00 根尾投手もレベルアップ

Q:そして2試合連続無失点ピッチングの根尾昂投手です。今シーズン2軍で10試合を投げて防御率0.00です。そして1軍で3日と4日に1回ずつ投げて無失点。1軍と2軍合わせて防御率0.00と好調が続いています。去年と比べた変化は?
矢野さん:
「投球モーションにゆったりと間がでてきましたね。それに伴い、4日の試合でもそうでしたが、右バッターのインサイドに突っ込むストレートを投げきれるようになっている」
「そしてインサイドを投げる時にさらに有効な縦変化。今まで僕の中でフォークボールで空振りをそんなに見ていなかったけれど、空振りを取れるようになっている。これからはビハインドの場面よりも、もうちょっといい場面で根尾投手を使えるよっていうような評価につながる登板になったと思う。ちょっとレベルが上がったかなという感じに見えましたね」
1日の試合で見えた「もう一つの勝ちパターン」

Q:GW9連戦、ドラゴンズは6試合を戦って4連勝と2連敗となっています。ここまでの成績の評価は?
矢野さん:
「いい連勝でしたね。特に1日の試合。それまで松山投手が連投していたけれど、松山投手に1年間投げてもらわなきゃダメだということで、休ませることも必要なんです。1日の試合前に井上監督は、きょうは松山投手を休ませようと決めていた中で、普段の勝ちパターンじゃないピッチャー陣で粘って勝ちきれた。これからドラゴンズがもっと上に行くためには、もう1個の勝ちパターンというのが必要だった。その中で1日の試合は井上監督も腹をくくったいい継投をしましたね」
Q:1日は1点差の試合でしたけど、ヒヤヒヤでしたか?
「近藤投手がマウンドに上がった時は僕も見ながらドキドキでした。井上監督の気持ちがすごく分かるので、腹をくくっているなって。ドキドキしながらでも見守って勝ち切れたのは大きかったと思います」
「藤嶋投手が投げたり、橋本投手にもつなげたり、普段の勝ちパターンじゃない投手が出ていくとモチベーションも上がると思うので、そのピッチャーのレベルもどんどん上がっていくと思います」
(5月5日放送メ~テレ『ドデスカ!』より)