
次世代の“棒高跳び”スター候補を発見! 25年ぶりに愛知県の高校記録を更新した期待の18歳 華麗なる棒高跳び一家の支えでロス五輪を目指す! トップスピードでも乱れない美しいフォームで世界へ

中京大学といえば、ハンマー投げで五輪メダリストとなった室伏広治さんや、フィギュアスケート界の女王として世界を魅了した浅田真央さんの出身校としても知られるスポーツの名門です。そんな中京大学で次世代を担う大注目のアスリートを発見! 次々と記録更新を果たす、その躍進の秘密を取材しました。
家族全員が選手!? 記録更新ラッシュする注目のアスリート

大学の陸上競技場で練習に励んでいたのは、愛知県豊田市出身、陸上・棒高跳びの谷口海斗選手(18)です。
2024年5月、高校3年生で5m11を跳び、愛知県の高校記録を25年ぶりに更新すると、3か月後に2度目の更新を果たし、5m20の記録保持者に。
さらに、2025年4月には5m31の自己ベストを跳び、まだまだ記録が伸びそうな勢い!

実は、谷口選手の家族は全員が中京大学で棒高跳びを行ってきた華麗なる棒高跳び一家。両親は大学の体育館の中に棒高跳びのピットをつくり、ウエディングドレスとタキシードのTシャツを着て人前結婚式をしたほどです。
現在は、高校教師の父・直土さんが谷口選手を指導し、母・智恵さんは栄養面をサポート。3つ上の兄・柊斗さん(大学4年)とは一緒に練習をしています。
重いポールを持って全力疾走! 見た目以上に過酷な棒高跳び

谷口選手が棒高跳びに使用する棒(ポール)の長さは約5m。重さは3kgほどといいますが、実際に持たせてもらうと体感は10kg以上。ポールの端を持つので実際よりもかなり重く感じます。
この重いポールを持ちながらダッシュするという、見た目以上に過酷なスポーツです。
谷口選手は実際どれくらいのスピードで走っているのか、大学の陸上部で短距離を専門にしていたスタッフが、ポールを持った谷口選手と30m走対決をしてみました。結果は…谷口選手の圧勝!

棒高跳びの跳躍はかなりのスピードが必要。中途半端なスピードでポールをついてしまうと、ポールが曲がらず押し戻されてしまうからです。
トップスピードで走っても乱れない、手足の長さをいかした美しいフォームが谷口選手の魅力の一つ。
自宅の裏庭には特訓器具が! 家族で支え合い目指すはロス五輪

次々と記録を伸ばし続ける谷口選手ですが、その急成長のウラには大きな理由がありました。
陸上・棒高跳び 谷口海斗選手(18):
「コロナの時期がすごくデカかった。どこも競技場が使えない中で、父が知り合いのイチゴ農園に仮設のピットをつくってくれた」
伸び盛りの中学時代にコロナ禍で全く練習ができなくなってしまった谷口選手。なんとかしてあげたいと、父・直土さんが愛知県岡崎市のイチゴ農園の敷地を借り、特設ピットをイチから製作。毎日家族で豊田から岡崎へ通い、練習を継続しました。
父・直土さん:
「イチゴ農園の片隅なので、こんなに長い助走をつくれない。『じゃあどうしようか』と 傾斜路をつくって跳んでた。1m40cmぐらいの高さから走って下りてくる」

さらに、強さの秘密はもう一つ。自宅の裏庭に設置された、父・直土さんの手作りの“棒高跳び特化型トレーニング器具”です。
鉄棒が不思議な形をしていますが、飛ぶ瞬間のポールが曲がっているときの形になっていて、肩を使って回る練習のためにつくったものだそうです。

棒高跳び一家に生まれて良かったという谷口選手。これからの目標は…?
陸上・棒高跳び 谷口海斗選手(18):
「世界で活躍できる、ロス五輪(2028年)に出場する、ということを目標に頑張っていきたい」
2024年に開催されたパリ五輪の参加標準記録は5m82。谷口選手はまだ10代。ここから筋力がついていけば、更なる記録更新が期待できます。今後の活躍に注目です!