
キーの“電池切れ”で呼ばれることも…真夏の車のトラブルに駆け付けるJAFに密着 炎天下で多発のアクシデントとは


真夏の東海地方で急増する車のトラブルに密着。炎天下で多発するのはバッテリー上がりやタイヤのパンク、さらにはキーの電池切れ。突然のアクシデントに直面するドライバーの姿と、現場で奔走するJAF愛知支部の活動を取材しました。
■真夏のトラブルで最も多い「バッテリー上がり」
午後1時、愛知県常滑市から依頼が入りました。 依頼者の男性: 「エンジンかからなくて。知り合いがこっちに来て、迎えに車動かそうと思ったら」 セントレアに友人を迎えに行こうとしたところ、エンジンがかからなかったといいます。JAFの隊員が最近いつ乗ったかを聞くと。 男性: 「ひと月半くらい乗っていない」 隊員: 「さすがにひと月超えてくると新車でもしんどいと思う」 「長期乗らなかった車を動かそうとした際にバッテリーが上がっているケースが多い」と隊員は話します。

原因はバッテリー上がりでした。車を長期間運転しなかったことで自然放電により電気が消費され、発生したようです。 バッテリー上がりが一番多いのは冬ですが、二番目に多いのが夏です。データによると、2024年8月の出動理由で最も多いのがバッテリー上がりで約3割を占めています。特に夏休みは、レジャーや帰省などで久しぶりに車を使うケースが増えることから、エンジンがかからないトラブルが多いといいます。

約10分で作業終了。男性は会員なので、料金は無料でした。 続いては、名古屋市瑞穂区の住宅街から「車のエンジンがかからない」と80代の女性から救援要請が入りました。 依頼者の女性: 「壊れるのが不思議なくらい毎日乗っている。どうして壊れたのか?」 買い物に行こうとしたもののエンジンがかからず、JAFを呼んだといいます。購入してから約5年間大きなトラブルは無し。前日まで動いていたのに、この日突然動かなくなったといいます。隊員が5分ほど調べたところで、理由が判明しました。

隊員: 「バッテリーの電気が減っていたのでバッテリー上がりかと。電気入れたらハザードがつきました」 どうやら、原因はハザードのようです。 女性: 「あ~それを切るのを忘れている。それで上がっちゃったのね」 ハザードのつけっぱなしによる、バッテリー上がりでした。

原因が分かって、ホッとした女性。最近は、スマートキーでリモート操作ができることから、車内を確認せずにロックしてしまう人が多く、ライトや室内灯の消し忘れによるバッテリー上がりが多いといいます。
■スマートキーの「電池切れ」でドアが開かない
午前8時。要請を受け愛知県武豊町の住宅街に向かいます。依頼した80代の男性はスマートキーを握って待っていました。 依頼者の男性: 「普通開くじゃない。でも開かないし、これ(メカニカルキー)が全然使えない。使うと警告音が鳴る」

付属のメカニカルキーを使ってドアを開けることはできましたが、キーを差し込み回すと警告音が鳴ってしまいます。どうやらスマートキーの電池切れのようです。通常は、操作すると赤いランプが点灯しますが、男性のキーは点灯しません。

この状態でエンジンをかけようとすると、盗難防止のため警告音が鳴る仕組みになっているのです。男性はJAFに連絡する前に電池切れが原因だと気が付いていたそうですが。 男性: 「電池切れだと思って、車屋やディーラーをまわったけどみんなお盆休み」 普段利用しているディーラーを含め、近所にある車関連のショップがお盆のため全てお休みでやむなくJAFを要請することになりました。 隊員: 「この時期特有というか、ディーラーが休みになるとそういう案件も入ってくるので」 到着から10分ほどで作業が完了。費用は、電池代の400円でした。
■「オイルランプ点滅」でディーラーまでレッカー移動
午後1時。名古屋市東区に向かいます。待っていたのは、60代の男性。 依頼者の男性: 「オイル漏れのランプがずっとつきっぱなしで。オイル交換は1万キロくらいしていない」 三重県から名古屋の自宅への帰り道で、オイルランプが点滅したため、気になってJAFに連絡したと言います。調べると、エンジンオイルが不足していたため、ディーラーまでレッカー車で運ぶことになりました。すると、男性はレッカー車の助手席に乗り込みました。

隊員: 「(助手席に乗っていましたけど?)お客さんも一緒に行って整備が終わったらご自身で帰ってくる。JAFとしましては、お客さんが同乗して行くことはできますので」 JAFでは、依頼者が希望すれば、車の搬送先まで同乗できるサービス(20キロ以内)があります。レッカー代も、乗車料金もかかりません。今回のように簡単な整備であれば、修理した場所からそのまま乗って帰れるのだそうです。
■夏場にバッテリー上がりに次いで多いのが「パンク」
午後1時。名古屋市千種区に向かいます。 依頼者の男性: 「走行中ではなくて、娘がタイヤがパンクしているのに気が付いて。パンクの頻度も少ないのでスペアタイヤもなくて」

依頼は、ネジが刺さったことによる、パンクの修理。石けん水をかけると、泡が膨らむのが、空気が漏れている証拠です。JAFへの依頼で、バッテリー上がりに次いで多いのがパンク。特に夏場は、熱による劣化なども原因になるといいます。

15分ほどで作業が終了。ちなみに隊員が特に夏に考慮するのが。 隊員: 「待っているお客さんが(暑さで)過酷な時期でもありますので、より早く」

暑い時期、外で待つ人のことも考慮して、作業はより迅速に。待つ側も作業する側も、この季節は大変です。
■ハンドル操作を誤り縁石に乗り上げ動けなくなった軽自動車
午前11時。向かったのは愛知県半田市。現場に着くと、軽自動車が縁石をまたぐ形で歩道に乗り上げていました。縁石にはこすったような傷跡も。 依頼者の70代男性: 「運転しながらお茶を飲んだら、あっという間に乗り上げちゃって」

ハンドル操作を誤り縁石に乗り上げ、数十メートル進んだところでストップ。さらに、道路に戻ろうとバックをしたものの、20メートルほど進んだところでタイヤが空回りし、動けなくなったといいます。バックの際に縁石にこすれて前輪はパンク。途方に暮れてJAFを呼んだといいます。

隊員: 「タイヤ動かします。だいぶ回しましたね、削れている」 まずは、パンクしたタイヤをスペアに交換。この日の知多半島の最高気温は32度。風もなく強い日差しが照り付ける中での作業は過酷です。タイヤの下に木や器具をはさみ、縁石を越す作戦。いきなり縁石を越そうとするとボディを傷つける恐れがあるため、慎重に作業を進めます。無事脱出に成功しました。

男性: 「出てOK。嬉しいわ。早かった1時間かからない」 車が動くことを確認した後ディーラーまで一緒に行き、車両を引き渡します。車は歩道に乗り上げた影響でダメージを受けている恐れもあるため精密検査となりました。 突然のトラブルにも頼れる存在。JAFの活動は、ドライバーの安心を支えています。 2025年8月21日放送