人手不足の影響で各業界が業務効率化を模索 運送業界「トラック自動運転」&鉄道「保守作業で効率化」

トラック業界物流施設にトラックの自動運転を導入へ
今、各業界は、人材不足などの影響で業務の効率化を求められています。そこで、2つの業界にスポットをあてます。
まずは運送業界です。今、物流施設の建設が愛知県日進市で計画されています。業務効率化の鍵は、トラックの自動運転です。東名高速道路の日進ジャンクションから北へ1キロメートル進むと、木々に覆われた土地があります。ここに、最新型の物流施設が2030年代前半に完成する予定です。この施設は、三菱地所が開発を進めていて、敷地面積は10万平方メートル。隣接する自動車専用道路から直接乗り入れられる計画です。
この施設内で導入が検討されているのは、トラックの自動運転です。三菱地所などは物流施設の3次元データとレーザーセンサーの技術を組み合わせて、建物内も走行できる自動運転トラックの開発を進めています。トラックのドライバー不足が社会問題化するなか、三菱地所は自動運転トラックの導入で物流の効率化を進めたい考えです。
三菱地所基幹物流推進室 桂木悠斗室長:
「何不自由なくものを受け取っているという状況だと思うが、そういった状況は危機的になっている。大都市圏に対するアクセスの良さもポイントになっている。今以上に物流の利便性を感じていただけるようなサービスを提供できるのではないかと思っている」
鉄道の保守作業でJRと古河電気工業が工具を共同開発で作業時間を大幅削減

一方、業務の効率化は、鉄道の保守作業現場でも。その鍵を担うのは、こちらの工具です。JR東海とケーブルメーカーの古河電気工業が約2年かけて開発しました。レーザー光が出るこの工具を使うことで、台車の金属部分の塗膜を取り除くことができます。台車の安全試験では、これまで作業員が電動工具を使って塗膜を削り、塗膜の下の金属部分に傷がないか確認していました。今回の工具の導入で削りムラがなくなって試験精度が向上します。さらに作業時間も1つの台車あたり約160分から30分に短縮できるといいます。
JR東海名古屋工場台車センター 溝上孝博総括助役:
「台車枠というものに対して、レーザー光をあてるのは初めてだったので、本当に問題がないか、徹底的に技術的な検証をした」
古河電気工業設計開発担当 西井諒介課長:「(今回の共同開発を通して)鉄道を超えて、船などさまざまな分野の客から引き合いがある」





