
「受験料0円」の入試制度で門戸広げる 全国15か所にサテライトキャンパスも展開へ 2026年4月開学の大学CoIU 岐阜・飛騨市

2026年度に開学予定の新大学が、受験生の経済的負担を軽減する入試制度と、全国に広がるキャンパス構想を柱に、次世代の学びのあり方を創造する試みが始まろうとしています。
意欲ある学生のため「受験料0円」に

少子化が進み18歳人口が減少する状況を受け、各大学が特色ある教育プログラムを打ち出し、学生獲得のために模索する動きが広がっています。特に地方大学においては、都市部への若者流出という課題に向き合いながら、地域の未来を担う人材育成の役割が期待されています。
そんな中、岐阜県飛騨市に2026年4月開学予定のコー・イノベーション大学(CoIU)が、画期的な入試制度を発表しました。一般選抜においては受験料が0円、総合型選抜・学校推薦型選抜では2回目以降の受験料が0円となるものです。
一般選抜は、国語(古文漢文を除く)、英語、数学Ⅰ・Aの3科目から2科目を選択。総合型選抜・学校推薦型選抜では、複数人で一つのテーマについて話し合う対話形式と個人面談を実施。入学定員は120名となっています。
CoIUによると「本学の理念に共感し、社会で活躍したいという意欲がある学生を選抜するために、広く門戸と機会を提供したい」という考えから、受験料の無料化に踏み切ったということです。
入試出願は2025年9月1日からすでに受付を開始しています。
日本全国15か所にサテライトキャンパスを設置

「受験料0円」とあわせて発表されたのが、全国15か所にサテライトキャンパスを設置するというもの。
「日本中まるごとキャンパス」という構想のもと、2年次以降は全国に設置予定のサテライトキャンパスから自身の関心のある地域を選んで移住し、企業と共に地域課題解決に向けたプロジェクトに参加。大学で学んだ理論と地域での実践を紐づける“超”実践型のカリキュラムとなっています。
サテライトキャンパスの候補地は、北海道、宮城県仙台市、東京ミッドタウン八重洲、新潟県胎内市、長野県小布施町、石川県中能登地区、富山県射水市、岐阜県岐阜市、岐阜県飛騨市、岐阜県高山市、愛知県田原市、三重県、京都府京都市、鳥取県鳥取市、福岡県福岡市の15か所。
9月8日に行われた開学発表会で、学長に就任する宮田裕章氏は「生成AIが知識や技術の習得を補完する時代に必要なのは“問いを立てる力”。実践の場で学生・企業・行政などのプレーヤーと一緒に問いを立てる取り組みを進めていく」と語りました。
地域課題に取り組みながら「問いを立てる力」を育む新しい大学の挑戦。受験料0円の入試制度とともに、今後の展開に注目が集まります。