
世界一へのカギは愛知ゆかりの選手たち 鈴木明子さんがフィギュアスケート国別対抗戦の見どころを解説

2年に一度の世界一決定戦が、17日東京で始まりました。大会をもっと楽しめる見どころや注目ポイントを、鈴木明子さんに教えてもらいました。

フィギュアスケート最強国を決める国別対抗戦。男子・女子・ペア・そしてアイスダンス。
強豪6か国から各種目のトップ選手たちが集結。オリンピック以外では世界一を決める唯一の団体戦です。
自身も2度、国別対抗戦に出場したプロフィギュアスケーターの鈴木明子さんに大会の楽しみ方や注目ポイントを解説してもらいます。
まずは、「国別対抗戦ならではの雰囲気」。
「選手たちが楽しんでいるところが他の大会とは一番違う。ちょっとお祭り感もある雰囲気の中で試合ができるのが、普段のピリッとした試合とはまた違うかなと思う」(鈴木さん)
会場の雰囲気は超独特。グランプリシリーズや世界選手権などと同じ、国際スケート連盟公認の試合ながら選手たちも大はしゃぎ。
競技中には選手たちが、リンクサイドで観戦。様々な応援グッズを持って仲間を全力で応援するんです。
「すごく応援してくれる声が聞こえている。みんなが『頑張れ』とか『ラスト!』とか言ってくれる。最後の最後で頑張り切れるのは身近で応援してくれる仲間たちがいてこそ」(鈴木さん)
ちなみに応援グッズは選手たちが自前で用意していて、お面や扇子、手持ちのポップなど、個性豊か。
キスアンドクライでのパフォーマンスも自分たちで考えているそうですよ。
3度目の世界一へ

続いては、「超重要な大会で3度目の世界一へ」
羽生結弦さんや浅田真央さんなど、多くの名スケーターたちが出場し過去8大会のすべてで表彰台に乗っている日本。
それでも金メダルに輝いたのは2回のみ。今年も強力なライバルが日本チームの前に立ちはだかります。
「アメリカは本当に本気のメンバーで来るので、ガチンコ対決」(坂本花織 選手)
アメリカといえば、グランプリファイナルと世界選手権をともに2連覇中、”4回転の神”イリア・マリニン選手に、グランプリファイナルを制したアンバー・グレン選手など、有力スケーターたちが顔をそろえます。
日米対決の中で、明子さんが特に注目しているのが、去年まで世界選手権を3連覇した坂本花織選手と、今年3月坂本選手の4連覇を阻み、新女王となったアリサ・リウ選手の対決です。
「(アメリカ開催の)世界選手権で優勝したアリサ・リウ選手が、今回は坂本選手のホームである日本での戦い。坂本選手も悔しい世界選手権だったと思うけど、どんな演技をするのか評価はすごく気になる」(鈴木さん)
今回は、来年のミラノ・コルティナオリンピック前、最後の団体戦。大一番を占う重要な戦いになります。
「自分が選手の時もそうだったけど、これがシーズン最後の試合になるので、いい形で締めくくってオリンピックシーズンに向けていきたいところだと思う」(鈴木さん)
日本の新エースが初出場

続いては、「優勝へのキーマンとなる、地元スケーター」
ここまで8大会の代表メンバーに必ず入ってきたのが、愛知ゆかりのスケーターたち。今大会出場する一人が、中京大学の鍵山優真選手です。
「団体戦はすごく好き。チーム一丸となって頑張るのがすごく好きなので、個人で1人で色々抱えてやるよりも、みんなでやった方が楽しい」(鍵山優真 選手)
日本の新エースとして戦ってきた今シーズン。4回転ジャンプの本数を増やし、難度の高いプログラムに挑戦してきましたが、注目すべき部分はそこだけではありません。
「滑りの質であったりとか、表現としての深みがプラスされていて、ジャンプはどうしても調子もあるので上手くいかない時もあるけど、滑りの質という部分では、今シーズン特に成長した部分でもある」(鈴木さん)
得意のダンスによる表現力と、父・正和コーチゆずりの滑らかなスケーティングで高い評価を得てきた鍵山選手。
「ただ曲に合わせて動くのではなくて、自分の身体から音楽が出ているような表現を作りたい。舞台を見ているかのようなパフォーマンスが僕の理想の表現」
「国別は出場するのが初めてなので、団体戦の楽しさをしっかりと感じながら、自分の演技も頑張っていきたい」(鍵山選手)
世界王者“りくりゅう”の見どころは?

さらに鈴木明子さんが見どころに上げるのがチームのキーマンとなる、地元スケーター。この春中京大学を卒業した三浦璃来選手と、愛知県東海市出身の木原龍一選手の“りくりゅうペア”です。
ペア結成6年目。これまで新型コロナやそれぞれの怪我で試合に出場できない時期もあり、今シーズンが、もっとも多く国際大会を経験した1年となりました。その最終戦で、チーム最年長の32歳と23歳のペアが掲げたテーマは「完走」。
「とにかく怪我をしないということを目標にやってきたので、国別対抗戦がシーズン最終戦になりますので、試合終了まで怪我をしないことが目標なので『完走』とさせていただきました」(木原龍一 選手)
2度目の世界王者に輝いた2人の見どころは、スピード感のあるリフトや、シンクロ率の高いスピンなど、息の合った演技。そしてーー
「絶妙な2人の関係性というか、璃来ちゃんのちょっと抜けちゃっているところを“龍一ママ”がカバーするみたいな。彼らなりの信頼関係を、演技だけではなく演技後とかにも感じてもらえたら」(鈴木さん)
(4月17日放送メ~テレ『ドデスカ+』より)