参議院選挙投開票日に“もう1つの投票”が 愛知・豊橋市「新アリーナ事業」めぐる住民投票 市民の選択の行方は?

愛知県豊橋市ではもう一つの投票が行われています。「新アリーナ事業」をめぐる住民投票、市民の選択は!?
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(賛成派集会・7月1日)
「すごい公園作ろうぜ!」
「オー!」
「すごいアリーナ作ろうぜ!」
「オー!」
「住民投票は賛成に〇」
(反対派デモ・6月29日)
「アリーナいらない!」
「アリーナ反対!」
「アリーナよりも生活助けて!」
「税金使ってアリーナ建てるな!」
豊橋市民を二分する、総事業費230億円の「新アリーナ問題」。その決着は、豊橋市初の住民投票にゆだねられました。
住民投票で問われているのは「新アリーナ事業」。豊橋公園の野球場を取り壊し、公園の東側エリアを整備する計画で、スポーツイベントやコンサートに使う5000人収容のアリーナを建設します。総事業費は約230億円。
プロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」の新たな本拠地になる構想です。去年9月に正式契約を結び、2027年の開業を目指していましたが…
契約解除を掲げる市長の当選で事業はストップ 住民投票へ…
契約解除を掲げる長坂尚登市長が当選したため、去年11月以降、事業はストップしています。市民からは…
■6月19日
(20代 賛成)
「アリで良いのでは。活気があったほうがいいかなって」
(70代 賛成)
「イベントの会場ができれば、豊橋も盛り上がると思う」
(40代 反対)
「車もきっとすごく混みそうだし。豊橋に有名人が来るかと言われたら、そんなに来る気がしない」
(70代 反対)
「これだけかけて勘定が合うのかな」
投票ができるのは、18歳以上の市民約29万人。事業の継続に賛成か反対か、どちらかに丸を書く形式で行われます。
豊橋市での期日前投票数はほぼ2倍
7月4日から参議院選挙とともに住民投票の期日前投票も始まっていますが、豊橋市での投票数は前回の参院選のほぼ2倍に。住民投票も投票資格者のうち17%、約5万人がすでに投票しました。
賛成派・反対派そして契約を結んだ事業者それぞれの主張
(賛成派・7月2日)
「7月20日の住民投票は、賛成に○でお願いします」
(反対派・6月29日)
「反対に○!反対に○!」
ことし5月に住民投票の実施が決まってから、熱く投票を呼びかけてきた賛成派と反対派。
【賛成派市民団体】
(「新アリーナを求める会Neo」 小林佳雄代表・7月2日)
「アリーナは山ほどの機能とコンテンツを持った宝のハコ」
賛成派は今後30年間で1100億円の経済波及効果があるほか、災害時の拠点としても活用できることなどを訴えます。
【反対派市民団体】
(「豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会」 藤田茂樹共同代表・7月2日)
「事業をいったん止めて、豊橋市の将来・豊橋公園の将来を、私たち市民と共に考える時間をつくる」
一方反対派は、高額な税金投入の問題やアリーナができると周辺の道路が渋滞することなどを理由に挙げます。
では、市と契約を結んだこの事業の責任者は。
(豊橋ネクストパーク 平出和也社長・7月14日)
「合理的な理由なく一方的に契約を解除することはできないのではないかと認識している。市長の当選理由・住民投票の結果が、すなわち合理的な解約事由になるとは、事業者としては理解していない」
長坂市長「“結果”を尊重して市政を進めていくことになる」
事業の遅れによるコストアップや資材高騰、一度結んだ契約を解除するのにかかる賠償金の額はわかっておらず、建設する場合もしない場合も、かかる費用の総額ははっきりしないままです。
このことについて長坂市長に聞きました。
(豊橋市 長坂尚登市長・6月30日)
Q:総額いくらかかるのか分からない。この数字は出せない?
「出せないと思っている。未来予測の話になってしまうし、不確定なものが一定ある中で、判断いただくことになると認識している」
Q:結果が出た後に(実はこれくらいの金額がかかると分かって)またもめるのでは?
「私は心配していない。今回の条例は市長も議会もその結果を尊重することになっているので、結果を尊重して市政を進めていくことになる」
豊橋市を二分する初めての住民投票の行方は?投票日は参院選と同じ7月20日です。