お風呂だけでないヒートショック 廊下にトイレ 「気温差」による体への負担
最強寒波により、東海地方も冷え込みが強くなっています。あたたかい室内との「気温差」による、体への負担も心配されます。この時期に起こりやすい「ヒートショック」。家の中でこそ、気を付けたいことがあります。
今シーズン最強と言われる寒波の影響で、5日朝の名古屋の街は厳しい寒さに。
5日の名古屋の最低気温は0.5℃。暖房を効かせた室内との温度差も大きくなりがちですが、その差が20℃を超えると、体にも影響が出てくると言います。
そう、ヒートショックです。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気や失神を引き起こす健康被害です。
主に、リビングなどの気温差が大きい脱衣所、浴室などで起こることが多く、中でも特に注意が必要とされているのが高齢者です。
名古屋の高齢者施設ではーー
名古屋市天白区にある、高齢者施設「ナーシングホームらもーれ」。
ヒートショック対策として入浴時間の30分以上前に暖房を入れ、脱衣所の温度を部屋と同じ、25℃ほどに上げるようにしているといいます。
「血圧の変動に現れてくるので、室温や入浴の温度など、できるだけ寒暖の差がないように気をつけている」(ナーシングホーム らもーれ 中村昭裕さん)
エアコンに加え、天井にはヒーターが取り付けられていて、必要に応じて使用しているといいます。
しかし、感染症の流行期でもある冬。室内の「換気」も欠かせません。喚起すると一気に室内の温度も下がってしまうため、タイミングに気を付けているといいます。
「外の気温との寒暖差が激しいと、空気を入れ替えた時も非常に寒くなったりするので換気を最低限必ずやりつつ、しっかり暖房をつけて、できるだけ寒暖の差が少なくなるような形で対応できればいい」(中村さん)
ヒートショックは廊下やトイレでも…
ヒートショックに詳しい、医師の早坂信哉さんは、お風呂だけでなく、リビングと廊下の移動などでも注意してほしいと話します。
「温度差があれば、どこでも起こることで、家の中でも結構ある。例えばトイレ。リビングからトイレに行くと、トイレは暖房がついていないことが多いと思うので、ここでもヒートショックが起こり得る。廊下も寒いことが多いと思う」(早坂信哉医師)
ゴミ出しや洗濯物を干すなど、ほんのちょっと外に出る時もリスクがつきまといます。
「寒さに身をさらすと、人によっては血圧が40~50ぐらい上がる。ヒートショックいわゆる脳卒中、心筋梗塞までならないにしても、かなり血管には負担をかけるのであまり好ましいことではない」(早坂医師)
最強寒波の影響で、特に外の気温が低い今、暖かい室内との「気温差」には十分気をつける必要があります。
「特に寒波が来る場合は、寒さに身をさらさないということ。家の中で寒い場所は温める。ないしは1枚羽織ってもらうといい」(早坂医師)