限りあるウナギ資源の保護につなげる 身が大きくてふっくらした愛知発の新ブランド「葵うなぎ」

ウナギの国際取引規制が4日、正式に見送られることになりました。
ただ、資源の保護は引き続きの課題です。ウナギの食文化を未来へつなぐため、名産地のひとつである愛知で生み出された「新ブランド」を取材しました。
ワシントン条約の締約国は4日、ウズベキスタンで開かれた全体会合でEU(ヨーロッパ連合)などによるウナギの国際取引規制を、正式に不採択としました。
多い時には3時間待ちの列ができるという、名古屋市昭和区の「うな富士 本店」。
4日もおいしいウナギを求め、多くのお客さんの姿が。
「ほっとしている」
「うな富士」創業者の水野尚樹さん。「ウナギ規制案」の否決に安堵の声を漏らす一方で…。
「ウナギ業界全体が自助努力によって、絶滅の危惧が高まらないように確認する。そういう作業が必要になってくる」(水野さん)
今回の国際会議では規制が見送られたとはいえ、限りあるウナギの資源を無駄にはできません。
持続可能な「葵うなぎ」

そんな中、愛知県が長年開発を進めていた“持続可能なウナギ”の新ブランドが注目されつつあります。
「"あ"いちの、"お"おきな、"おい"しいうなぎ」の頭文字をとった、ウナギの新ブランド「葵うなぎ」です。
「養殖のウナギは通常、ほとんどオスになることが多かった。大豆イソフラボン由来の成分を含んだ飼料を与えることで、ほとんどのウナギをメス化することに成功した」(愛知県 農業水産局 影山慧 主任)
ウナギのメスは、オスよりも大きく育つため、メスが多ければ多いほど1匹のウナギからたくさんの身が取れるということになります。
「より大きくして食べることによって、1匹のシラスウナギを大事に、資源を有効活用することができる」(影山主任)
4日、より多くの人に知ってもらおうと「葵うなぎ」を使ったうな丼やひつまぶしなどが提供されました。気になるのは、そのお味です。
「おいしいです。肉厚で脂が乗っているけど、あっさり。身がふっくらしている」(来店客)
「うまいね。確かに皮も柔らかいし、ホクホクしている。このウナギだったらいいなと」(来店客)
日本の食文化として愛されてきたウナギをこれからも。
資源保護に向けた試行錯誤が続きます。
「ウナギが大好きな皆様が安心してウナギを食べていくために、1匹のシラスウナギを大事に有効活用していく。『葵うなぎ』の広まりから、シラスウナギの資源保護につなげたい」(影山主任)





