ドラゴンズ・小山コーチのオンラインカジノ利用発覚「信頼を失うのが怖く…」球団調査に自主申告せず

新たにオンラインカジノの利用が明らかになった中日ドラゴンズの小山伸一郎コーチ。3月までに行われた日本野球機構の「自主申告」の呼びかけには応じていませんでした。

　19日夜、急遽開かれた、プロ野球・中日ドラゴンズの会見。

　「当球団に所属している小山伸一郎コーチが、過去にオンラインカジノを利用したとして、本日（19日）、単純賭博容疑で愛知県警察の任意の取り調べを受けました」（中日ドラゴンズ 朝田憲祐 球団本部長）

　オンラインカジノの利用が新たに発覚したのは、小山伸一郎2軍投手統括コーチ(46)です。

　「プロ生活が始まったドラゴンズから、話をもらったのは自分の中では驚きしかなかったです」（中日ドラゴンズ 小山伸一郎 2軍投手統括コーチ）

　小山コーチは1997年に三重県立明野高校からドラフト1位で中日ドラゴンズに入団し、その後は楽天でもプレー。

　今シーズンから約20年ぶりにコーチとして”古巣”のユニホームに袖を通したばかりでした。

球団側が深刻に受け止めているのは――

　球団の聴き取りに対して、小山コーチは過去にオンラインカジノを利用したことを認めた上で、「違法性を認識しないまま、興味本位でやってしまった」と説明しているといいます。

　球団は、オンラインカジノを利用した時期や、賭けた金額などについては「警察の捜査に委ねる」として公表していません。　

　愛知県警の任意の取り調べにも全面的に応じているということですが、球団側が深刻に受け止めているのは――

　「NPBが12球団のキャンプ中に行った自主申告の呼びかけに応じなかったこと、この点については球団としても重くとらえています」　（朝田球団本部長）

小山コーチからの申告はなく、愛知県警から任意の出頭要請で初めて把握

　オンラインカジノをめぐっては、今年2月、オリックスの選手が過去に利用していたことが発覚。

　日本野球機構が12球団に対して、過去にオンラインカジノの利用が関係者にあった場合、自ら名乗り出るよう呼びかけました。

　その結果、3月までに8球団、16人が申告。

　ドラゴンズもキャンプ中に調査を実施しましたが、小山コーチからの申告はなく、球団は、1週間ほど前の愛知県警から任意の出頭要請で初めて把握したといいます。

　「球団の信頼を失うのが怖く、言うタイミングを逃してしまった」

　球団は、小山コーチを当面の間、謹慎処分とすることを決めました。

「自分はバレない」と思う傾向が当事者にはある

　ギャンブルにのめりこんだ人やその家族を支援する、愛知県の団体に話を聞きました。

　多くの当事者から直接相談を受けてきた松本代表。

　「自分はバレない」と思ってしまう傾向が当事者にはあると言います。

　「自分は見つからないと思っていることが大きいと思います。スマホの中まで調べられるような調査ではなく、自己申告だったので、自分のやってる程度のことは、わからないだろうと、言わずにこの波が静かに去っていけばいいという方にかけてしまう」（全国ギャンブル依存症家族の会愛知 松本知美 代表）

　誰にも相談できないまま、時間が過ぎてしまうと、ギャンブルへの依存がエスカレートする懸念もあるため、本人だけでなく、「周り」が気づくことも重要だと言います。

　「本人が相談するのが一番いいが、本人はなかなか相談しないと思う。周りの関わっている家族や同僚が『ちょっとおかしいぞ』ということがあったら相談してほしいなと思います」（松本代表）