高校に「アイス自販機」を! 最寄りのコンビニは徒歩20分 生徒は先生を説得できるか? 岐阜・郡上市

岐阜県の高校である投票が…。是非を問うのは、暑い日に食べたい“アレ”の自動販売機の設置です。
岐阜県の郡上北高校で、生徒たちによる熱い議論が繰り広げられました。
「時期ごとにアイスを変えれば、また来る理由になる。冬に向けてアイスをもっと売れるように、どうすればいいか」(生徒)
議題は「アイスの自販機」。
生徒たちは学校側に、自販機を校内に設置してほしいと求めています。
「コンビニに行くのに、片道20分くらいかかる」(生徒)
高校から最寄りのコンビニまでは、歩いて20分ほど。
しかも長い坂を下ったり、登ったりしなければなりません。
Q.自販機がないとコンビニまで歩く?
「歩く時あります」
Q.どうですか?歩いて行くと
「溶けます」
生徒たちは1年にわたり議論

高校生たちが熱望する「アイスの自販機」。
ただ、すんなり要望が通るわけではありません。
学校側が指摘するいくつかの問題点を解決するため、生徒たちは1年ほど前から議論を続けてきました。
たとえば「ごみの問題」。
「誰が回収するのか」「ごみ箱はどうするのか」などの指摘を受け、自販機を置く予定の場所を視察をすることも――。
「ここに自販機が来ると、ごみ箱がそこに」(生徒)
「横幅が27cm…」(生徒)
先生たちに「プレゼンテーション」

そして、9日に行われたのは、先生たちへの「プレゼンテーション」。
学校の全職員による投票で、自販機設置の是非が決まります。
「アンケートに答えてくれた256人中205人の人が、アイスの自販機を置いてほしいと答えてくれました。全体の約8割です」(生徒)
プレゼンを聞いた先生からは、厳しい質問も。
「需要の調査をしたということだけど、学校の中で物を売るという場合は、経済的な需要とは別に生徒の生活にとって必要かどうかを考えないといけないのでは。単に生徒が欲しいからと、学校の中で何でも売れるわけではないので」(先生)
「“経済的な需要”は今話し合っているので、すみません。お時間ください」(生徒)
先生による投票の結果は?

課題となっていたごみの問題は?
「(契約審査会で)承諾していただけなかった場合、学校でごみを回収・処分する必要が出る。ごみは毎日回収するものなので、体育祭などのイベントがない限り、ゴミがあふれ出すほど、アイスが売れることは考えづらい」(生徒)
先生たちの投票へ…その結果は?
「導入ありとお答えいただいた方が、31名中の20名」
「自販機の設置」を認める意見が、過半数を超えました!
このあと入札のための審査会が開かれ、業者が応募してくれれば、来年にも設置されます。
校長「子どもたちの力はすごい」

「なぜ自分たちがそう思うのか、それを周りに広げて、客観的なデータを集めていったところに、感心するというか驚くというか。今回のことで、子どもたちの力、高校生のエネルギーはすごいなと」(郡上北高校 高野圭 校長)
「1年通して自分たちでここまで持ってこれたのが、すごくうれしいし、やりがいも感じます」(生徒)
Q.きょうも暑いですね
「暑いです。このあとアイス買いたいねって感じです」
アイスの自販機が設置されれば、岐阜県内の公立高校では初めてになるそうです。