日本最大スタートアップ支援拠点「ステーションAi」支えるスタッフに密着 人材獲得や資金調達をサポート
日本最大のスタートアップ支援拠点「ステーションAi」で11月1日にオープンしたホテル「Minn STATION Ai Nagoya」。広々とした部屋には2段ベッドが並び、最大で8人が泊まることができます。企業の合宿などにも利用され、12月の客室稼働率は9割を超える好調な水準だといいます。
スタートアップ成功のために尽力するステーションAiのスタッフは、日々どんな役割を担っているのか。中日新聞経済部の勝股大輝記者に話を聞きました。
ステーションAiは、10月に開業した日本最大のスタートアップの支援拠点です。スタートアップ成長のためのさまざまなプログラムを用意し、企業を下支えしています。ステーションAiで働くスタッフは約100人です。企業の人材獲得の支援や創業直後のスタートアップの資金調達をサポート。この地の起業文化の裾野を広げるため、学生起業家を育成するプログラムの実施のほか、海外展開の後押しや社会人起業家の育成なども行っています。
スタートアップの大きな課題「人材不足」をサポート
スタッフたちは、この地のスタートアップ環境を変えようと起業家と同じく「挑戦」の志を持っているといえます。今回はステーションAiのスタッフである加藤大貴さんに焦点を当て、その仕事を紹介してもらいます。加藤さんはスタートアップの成長の原動力として欠かせない「人材獲得」に向けて後押しをしている担当者の1人です。
「人が1人いるだけで事業は伸びるんです。スタートアップにとって、人を確保できるかできないかは大事なこと」
スタートアップの課題の1つに「人材不足」があります。スタートアップで採用担当をしている方は「現在の売り手市場の中、将来が見えにくいスタートアップを選ぶ人は少ない。入社の意思決定の段階で思いとどまる人が多い印象」と言います。
週に1回から2回、人材獲得に向けた打ち合わせを行う
11月初旬、施設内の共有スペースの一角で、加藤さんが会っていたのは、生産工程の管理ソフトを手がけるスタートアップ「MonoRevo」の人事担当者です。
ステーションAi加藤さん:
「応募が来てから書類合格までの(応募者に)お伝えしている日数はどれくらいですか?」
MonoRevo人事担当 畑守佳奈さん:
「遅くとも翌日までですね」
ステーションAi加藤さん:
「結構早めには出してくれているんですね」
MonoRevo人事担当 畑守佳奈さん:
「そうですね。今は当日回答が原則で…」
MonoRevoとの打ち合わせは、雑談も含めると週に1回から2回ほど開催。こうしたスタートアップ企業による人材獲得の相談は多いといいます。
「人材獲得競争でスタートアップが勝つには、大企業には給与面では勝てない」と加藤さん。
「まずは副業や兼業などで、スタートアップで実際に働いてもらい、魅力ややりがいを感じてもらうことが大事です」
ステーションAiの最高執行責任者、尾崎裕樹さんは「振る舞いや事業に取り組む姿勢を含め、我々はスタートアップにとってお手本であるべき存在」と話します。
多彩なサポートを活用して産業集積地である愛知に新たな価値やサービスをもたらし、世界を舞台に活躍するスタートアップが、ステーションAiから出てくることを期待したいです。
(12月16日放送 中日BIZナビ共同企画「東海ビジネススコープ」より)