
子ども用の売上は前年比200% 暑さ対策に“日傘”が必需品「突起なし」安全性重視のデザインが人気

連日猛暑が続く東海地方。暑さ対策として年齢や性別を問わず普及しているのが「日傘」です。なかでも、子ども用日傘の売上が例年に比べ伸びています。

日傘は一般的に女性が持っているイメージですが、男女問わず使用したい熱中症対策グッズの1つです。熱中症対策で日傘の利用を環境省が呼びかけるようになり、小学校でも日傘をさして登校することを許可している学校もあります。
愛知県名古屋市で傘を製造・販売する「小川」では、今年の日傘の売上が例年に比べ伸びていると言います。
なかでも、「子ども用日傘」の売上は前年比200%。その背景には、連日続いている猛暑が関係していると言います。洋傘売り場の“スペシャリスト”であるアンブレラ・マスターとして「小川」に勤務する、早川尚樹さんに話を聞きました。
「徐々に(日傘)需要の高まりはありましたが、2020年以降は晴雨兼用傘の需要が高まってきたように思います。(子ども用日傘は)コロナ禍で傘さし登下校を取り入れる学校が増え、その活動が認知された2021年ごろから高まり始めました。弊社が子ども用日傘の販売を始めた2019年から比べると、販売本数は約38倍、売上は約46倍になっています」(早川さん)
子どもが安心して使える日傘を開発

子ども用日傘の売上が伸びている一方、集団登下校をする地域では子ども同士の距離が近く、傘の尖った部分が意図せずぶつかったり、傘をさすことで視界が狭くなり、周りが見えにくくなったりするなどの危険性があります。
そのため「小川」では、登下校時にも安心して使えるよう、「LINE DROPS キッズ晴雨兼用傘」を開発しました。
子ども用の長傘には「突起のない露先」と「透明窓」という特徴があります。
熱中症から守る役割も

親骨(放射状に広がる骨)の先を尖っていないパーツにすることで、意図せず人にぶつけてしまった時も、けがにつながりにくい工夫がしてあり、また透明窓を設けることで傘をさしても前方を確認しやすくなっています。
傘の一部に反射テープを取り付けているため、薄暗い時間や雨の日など、車のライトを反射し、存在をアピールすることができるそう。
裏面の生地にもポリウレタンコーティングを施していて、太陽の光や熱を遮り、子どもを熱中症などから守る役割もあります。
「子ども用の日傘を選ぶ場合、体格に合っているか、子どもがきちんと持つことができるかがポイントです。『すぐに(体が)大きくなるから大きめを選んだ方が良いのでは?』という声もありますが、傘に不慣れな子は大きな傘を持つとふらついたりして予期せぬけがにつながる可能性もあります。身長や傘を持つ力に合わせて選んでください」(早川さん)
まだまだ暑い日が続きますが、日傘を活用してしっかりと暑さ対策を行いましょう。
(メ~テレ 飯田莉穂)