
地下アイドルの収入はいくら?「社会人よりもらっている」 禁断の“お金事情”を取材 メジャーデビューは…したくない⁉ 名古屋

連日連夜、多くのお客さんで賑わっている名古屋のライブハウス。皆さんのお目当ては…アイドルです。
【写真を見る】地下アイドルの収入はいくら?「社会人よりもらっている」 禁断の“お金事情”を取材 メジャーデビューは…したくない⁉ 名古屋
(ファン)
「地下アイドルは元気の源」
「一緒に楽しんで作り上げているという感覚が好き。地下アイドルの方がいい」
そう、アイドルはアイドルでも「地下アイドル」。メジャーデビューしていないアイドルのことで、実はいま、名古屋の地下アイドル業界は大盛り上がり。100組以上のグループがしのぎを削り、乱立しているんです。
そんな地下アイドルたちは、アイドルという仕事だけで生活していけるのか?その収入は?気になる職業の“お金”事情を深堀りします。
さらに、お金事情を探ると明らかになったのは、地下アイドルたちの新しい考え方。謎に満ちた地下アイドル。気になるお金事情を密着リサーチしました。
「仲のいい女の子に会いに来ている感覚」
11月15日、名古屋・栄にあるライブハウスで行われていたのが、4組の地下アイドルによる合同イベント。そこには、約130人の熱狂的なファンが。地下アイドルの魅力について聞いてみると…
(ファン)
「距離が近いし、仲のいい女の子に会いに来ている感覚」
「アイドルに認知されると嬉しい。アイドルを支えているという気持ちが生まれたりする」
そんな地下アイドルたちの収入源は…
(アイドル)「『行くよー』みたいな投稿してくれたよね」
(ファン)「したした」
(アイドル)「あれが嬉しくて」
(アイドル)「前髪切った⁉」
(ファン) 「だいぶ前!」
(アイドル)「めっちゃ短くなってるよ」
(ファン)「推しの全部のライブに来ているから、いろいろちょっかいをかけてくれる。それでより一層ハマる」
地下アイドルの収入はどれくらい?
ライブ直後に始まる、ファンがアイドルと直接会話ができる「交流会」。そこでファンが購入し、撮影されるチェキが、収入に直接結びつくんです。
(ファン)
「(ライブに)来たら、10枚くらい撮らないと満たされない。日常です」
そんな地下アイドルの収入源、チェキについて詳しい話をしてくれたのは…
今年3月に結成したばかりの5人組グループ「AMO million(アモ ミリオン)」の
リーダー、橋本さおりさん。
(橋本さん)
「ライブの出演だけだと、給料にはならないので(チェキを)撮影した枚数が給料に直接かかわる」
ほとんどの地下アイドルの給料は、チェキやグッズの販売数による歩合制なんです。AMO millionの場合は…?
(橋本さん)
「チェキ1枚1500円。1ライブ30枚くらいチェキを撮る」
ライブは約週4回。アイドルの皆さんに還元されるのは、30%から50%ということなので…1か月に約25万円。結成したばかりですが、今年の社会人の初任給ぐらいお給料をもらっている計算に。
その額は…「社会人のみなさんと同じくらい」
さらに、他のグループにも聞いてみると…
(アイドルグループ PULSAR_CLIMAX)
Q.普通に生活できるくらい?
「いただけています」
(アイドルグループ あたまのなかは8ビット⁉)
「社会人のみなさんと同じくらい」
(アイドルグループ image)
Q.友だちと比べても…?
「それよりも、もらっている気がします」
普通に独り暮らしをしながら、生活していける給料をもらっているそう。密着リサーチしてわかったのは、地下アイドルはお金がないというイメージではないこと!
10年以上、地下アイドルのマネージャーをしている、嵐貴光さんによると…
(あたまのなかは8ビット⁉ 嵐貴光マネージャー)
「ここ最近2~3年で若い子や、女の子のファンがとても増えた。推し活がブームになって、メジャーアイドルに比べて(地下アイドルは)会いに行きやすい、ライブも多い、インスタグラムやTikTokなどにより、地下アイドル自体の認知が増えた」
SNSでのアイドル活動や推し活ブームにより、新たなファンを獲得。交流会に参加する若いファンが急増し、収入が安定してきたんです。
「メジャーアイドルには なりたくない」
(20代男性)
「Xでたまたま見つけた。顔がかわいいなと思って行ってみたら…(推し活に)どっぷりつかってしまった」
(20代女性)
「SNSでかわいい(アイドルの)女の子から『いいね』が来たら、気になって顔を出してみようかなと」
収入が安定したことも理由となり、変わってきたのが…地下アイドルたちの考え方。
(嵐貴光マネージャー)
「地下アイドルを一つの職業として、やっている子もいる」
地下アイドルが、立派な職業になりつつあるというんです。しかも…
「メジャーアイドルには、なりたくない」
メジャーデビューしたくないとは、どういうことなのか!?
さらに、地下アイドルのその先、卒業後の職業も取材しました。
収入安定→アイドルの考え方に変化
(AMO million 橋本さおりさん)
Q.給料は地下アイドルを一本でも生活できるくらいにはなっている?
「みんなとご飯を食べたり、女の子として美容にお金かけたりとか、地下アイドルでも生活できている」
(アイドルグループ image)
Q.友だちとかと比べても…?
「それよりも、もらっている気がします」
収入が安定したことも理由となり、変わってきたのが地下アイドルたちの考え方。
(アイドルグループ PULSAR_CLIMAX)
「地下アイドルでやったから、地上(メジャーアイドル)になりたいというわけでもない。自分が楽しいことを突き進めていく」
そう!「地下アイドルはメジャーデビューへの下積み」ではなく、立派な一つの職業に。メジャーデビューを望まないその理由は?
ファンは「家族みたいな存在」
(STARRY × NIGHT↗ 恋文あゆさん)
「ファンとの距離が遠くなるのは寂しい。ちゃんと皆の顔を覚えている状態でいたい」
(AMO million 橋本さおりさん)
「ファンとの距離感がメジャーのアイドルよりも近い。ファンがいなかったら、ここまでやってこられなかった。ファンからはあまり離れたくない」
地下アイドルの大きな魅力である「ファンとの距離感」を大切にしているから。
(AMO million 岡田みなもさん)
「ファンの皆さんから『こういう曲がほしい』『こういうアイデアがいいんじゃない?』とか、叱ってくれる時もある。家族みたいな存在」
アイドルが「プロデューサー」と「事務所社長」を兼業
しかし、職業としての地下アイドル、ずっと続けられるわけではなく、その後を見据えた、アイドルもいるようで…
5人組グループ「AMO million」の橋本さおりさん。リーダーでもありますが、地下アイドルのその後も考えながら、プロデューサーと事務所の社長を兼業しています。そのお仕事の一つが…
(AMO million 橋本さおりさん)
「いつもTikTokの撮影や編集、お店のPR動画も制作したりしている」
社長でありプロデューサーとして、グループの知名度向上のため、SNSに掲載される飲食店のPR動画にも出演。
ライブで着用する衣装も自ら発注
(AMO million 橋本さおりさん)
Q.SNSでの戦略って大切ですか?
「めちゃくちゃ大切。『この子は何をしているアイドル?』って調べたいとき、SNSで調べる。ライブがない日も一緒に時間を共有するという意味で」
X、インスタグラムなど、4つのSNSを同時に運用し、グループのためにも常にファンとつながりを持つようにしているんです。さらに、プロデューサーとして、ライブで着用する衣装も発注。
(AMO million 橋本さおりさん)
「私の生誕祭で着る衣装がこれです」
Q.この一着、値段は?
「12万円くらい」
他にもポスターのデザインを手がけたり、作詞を行ったりなど、業務は多岐にわたります。そこまで頑張る理由は、地下アイドルを卒業したあとのビジョンがあるから。
(AMO million 橋本さおりさん)
「アイドルのプロデュース、マネジメントというところは、アイドルを卒業しても
それだけでちゃんと(生活が)できるようにはしたい。(プロデュースするアイドルが)少しでも効率よく、結果を出せるようにするには、自分の経験が少しでも生かせる」
アイドルを卒業したら…何がしたい?
他のアイドルの中にも。
(アイドルグループ image)
「マネージャーとか振り付けを考えたりとか、アイドルを支える側に回りたい」
(AMO million 岡田みなもさん)
「ファンの人と関われるのであれば、音楽やアイドルに携わる仕事ができたら」
密着リサーチしてわかったのは、卒業してからも、この業界でずっと働きたいという人が多いこと。アイドル・ファンにかかわらず、いまを生きる若者を魅了する力が、地下アイドルにはあるのかもしれません。
CBCテレビ「チャント!」2025年11月24日放送より





