
大阪・関西万博で人気のスタンプラリー 「万博おばあちゃん」に聞く攻略法 シヤチハタが明かす開発秘話

開幕から3カ月を迎えた大阪・関西万博。会場で人気となっているのが「スタンプラリー」です。スタンプを製造している名古屋の老舗はんこメーカーに開発秘話を聞きました。

万博会場には、スタンプラリーを楽しんでいる人がたくさんいます。
会場内には200個以上のスタンプが。各パビリオンの外観やシンボルがあしらわれた色とりどりのスタンプで、気軽に思い出を持ち帰れるとコレクターが続出しています。
短い時間でたくさん押せるコツはあるのでしょうか?
攻略法を教えてくれるのは、すべてのパビリオンとスタンプを制覇した”万博通”、愛知県瀬戸市の「万博おばあちゃん」こと山田外美代さん(76)です。
まずは「チーム山田家」と「チームメ~テレ」に分かれて、30分間でスタンプを何個集められるか対決します!
スタンプをたくさん集めるコツ

「チームメ~テレ」は開始5分で「NTTパビリオン」と「住友館」の2つのスタンプを発見し、30分間で11個のスタンプという結果に。
一方、「チーム山田家」は30分間で81個も集めました。にわかに信じられない数ですが、攻略法を伝授してもらいました。
1つ目は、たくさんの国が集まったパビリオン「コモンズ館」。1番多く集められる「コモンズA館」では一気に25個以上のスタンプが押せるそう。
2つ目。アメリカ館のほか、人気のドイツ館などではパビリオンの外にスタンプ台があるんです。
「親子で(世界)地図を見ながら今ここに来たんだよと言って、お話ししながら、例えばアメリカ館のスタンプを押すとか、そういうことをすればもっと楽しい親子の関係ができるかも」(山田外美代さん)
人気の裏に名古屋発の技術

実は会場内のほとんどの万博公式スタンプを、名古屋市に本社がある老舗はんこメーカー「シヤチハタ」が手掛けています。
シヤチハタが開発した朱肉のいらないはんこは、1970年の大阪万博をきっかけに認知度を高め、2005年の愛・地球博でも100個以上を制作しました。今回の万博では約210個の公式スタンプを準備。
Q.難しかったところは?
「線が細いものや、逆に太いもの、さまざまなデザインをスタンプとしていかにきれいに表現するかを、1カ国1カ国丁寧に対応していくのがすごく苦労しました」(シヤチハタ 万博推進室 朴基燮さん)
これまでの万博での学びから、今回はさらにこんな工夫をしました。
「いつ、どなたが押してもきれいに捺印できるという所を担保する。1日大体10~15km歩いて、(スタンプのある)200カ所を回りながら、お客様がきちんとスタンプを押せるかチェック。毎日会場回っています」(朴さん)
きれいに押せるように改良も

メンテナンス態勢を強化すると共に、スタンプの改良を重ねています。メ~テレのキャラクター「ウルフィ」の万博仕様のスタンプで、隠れた”スゴイ技術”を教えてくれました。
「お子さんがすごく力強く押すこともありましたので、今までのだと、ちょっとにじんだような印影になりがちな部分があったが、解消するように中にばねを仕込むなどして、誰が押してもきれいな印影が得られるような仕組みを取り入れた」(シヤチハタ 商品開発部 田島聡之さん)
力加減が強くても弱くても、きれいに押せるようになっているといいます。さらにこだわりが…。
「(スタンプの持ち手が)動く仕組みになっているので、力を斜めにかけても押せるような仕組みを取り入れている。例えばちょっと斜めに押したとしても、きれいに押せます」(田島さん)
開発したスタンプは、1日3000回押したとしても、この夏の猛暑にも負けない特殊な作りをしているといいます。
「日々会場を巡っていると、やっぱりお子様からお年寄り、インバウンドのお客様まで、スタンプを押して笑顔じゃない人はいないなと思って。夢と希望と技術が詰まっています」(朴さん)