衆議院議員選挙2024 争点の1つ「外交・安全保障」の各党の訴えは 緊迫の高まる東アジア情勢

10月27日に行われる衆議院議員選挙。選挙の争点の1つは「外交・安全保障」です。
超大型弾頭を搭載した弾道ミサイルや、改良型の戦略巡航ミサイルなど、度重なる発射実験で軍事拡大を続ける北朝鮮。国際社会への挑発行為ともとれるミサイル発射は、2024年少なくとも9回に及んでいて、日本の脅威となっています。
さらに8月には中国の軍用機が、9月にはロシアの軍用機が、3回にわたって日本の領空を脅かしました。台湾をめぐる米中の対立が深まる中、東アジア情勢は日に日に緊迫の度合いを増しています。
これに対して政府が進めているのが、敵の射程圏外から敵の基地を攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の整備をはじめるする「反撃能力」の強化。日本の防衛費は2023年度から急激に膨れ上がっていて、その額は5年間で総額43兆円に達する見込みです。
また、戦後核を含めた軍事力で日本を守ってきたアメリカとの関係も揺らいでいます。沖縄・普天間基地の名護市辺野古への移設や、在日アメリカ軍の地位や権利を定めた「日米地位協定」のあり方など、問題は山積み。日米同盟のあり方が、今問われています。
日本をとりまく脅威にどう対応するのか。「外交・安全保障」に対する各党の考えをまとめました。
各党の「外交・安全保障」政策は?

【自由民主党】
抑止力を維持しつつ、沖縄などの基地負担軽減を実現するため、普天間基地の辺野古移設を着実に進めます。日米地位協定は、あるべき姿を目指します。

【公明党】
防衛力を着実に整備・強化したうえで、平和安全法制に基づく適正な運用を積み重ね、日米同盟の抑止力・対処力の一層の向上を図ります。

【立憲民主党】
急増した防衛予算を精査し、防衛増税は行いません。基地の在り方や地位協定の見直しについて、アメリカに再交渉を求めます。

【日本維新の会】
防衛費を国民の負担に頼ることなく、適切な水準まで増額します。アメリカに対して、核拡大抑止における意思決定への関与や、共同訓練の実施を求めます。

【共産党】
普天間基地の即時閉鎖や日米地位協定を抜本的に改定します。「集団的自衛権の行使」を容認した閣議決定や安全保障法制を廃止します。

【国民民主党】
アメリカに過度に依存しすぎている日本の防衛体制を見直します。日米地位協定の将来像について日米間で議論します。

【れいわ新選組】
防衛費の増額計画を中止し、非軍事の「メード・イン・ジャパン」に投資します。アメリカ追従の外交政策は見直します。

【社会民主党】
台湾有事を想定した日米の戦争準備を許しません。在日米軍基地を整理・縮小し撤去させるほか、日米地位協定を全面改定します。

【参政党】
日米地位協定を見直し、現代の世界情勢に合わせた戦略的関係を構築します。外国資本による国内の土地取得の規制を強化します。