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【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】3月15日(火)アナよみ春秋

アナよみ春秋

東海テレビ
2022.04.11(月)放送2030.01.01(火)00:00配信終了

アナウンサーがよむ中日春秋

21本の動画

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】9月28日(水)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------   『大きな玉ねぎの下で』は、爆風スランプの一九八〇年代の曲。大きな玉ねぎとは東京・日本武道館の屋根の上の擬宝珠(ぎぼし)のことである ▼武道館コンサートが決まり、レコード会社の偉い人から「満員にしろ」と言われて苦悩するうち、武道館が舞台の詞ができる ▼「ペンフレンドの二人の恋は/言葉だけがたのみの綱だね」と文通相手の女の子への思いを描くラブソング。初めて会おうと武道館であるコンサートのチケットを送るが、相手は席に姿を現さなかった。「時計だけが何もいわず回るのさ/君のための席がつめたい」 ▼武道館で営まれた安倍晋三元首相の国葬は欠席者が少なからずいた。法的根拠が乏しいなどと国葬に反対した野党議員ら。葬儀をめぐる分断は不幸なことだが、直近の世論調査でも国葬への反対は多い。岸田首相は安倍氏の業績など国葬とする理由を説明したが、腹に落ちた国民は多くなかったということだろう ▼先の武道館コンサートは満員になったが、当初は自信がなく、空席には理由があるのだと弁解のつもりで作ったのがかの曲と、ボーカルのサンプラザ中野くんは明かしている。国葬で欠席の理由を作ったのは首相と、野党は今後も攻めるのだろう ▼内閣支持率は低下傾向だが、今回の首相の説得不調をみると浮上は楽観できまい。文通相手との意思疎通に限らず、政治も頼みの綱は言葉である。

    CBCテレビ

    2022.10.24(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】9月20日(火)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------   子守歌でよく使われる文句の「ねんねんころりん」。「ねんねん」は「寝む寝む」で、「ころりん」は「子らよ」という意味だそうだ。「ころりん」は子どもが「ころん」と寝入ることかと思っていたが、そうではないらしい ▼西舘好子さんの『「子守唄」の謎』によると、「ねんねんころりん」の歴史は古く、鎌倉末期の書物にもその原型を見つけることができるそうだ。「ねんねんねんねんろろろろ」。聖徳太子を寝かしつけたときのおまじないと伝わるらしい ▼聖徳太子はともかく、いつの時代も子どもを寝かしつけるのは苦労でそのために「ねんねんころりん」や子守歌が生まれ、今の世まで長く伝わっているのだろう ▼「ねんねんころりん」より効果があるか。そんな最新の研究である。泣いている赤ちゃんを寝かしつけるにはまず抱っこして五分歩き、落ち着いたら八分待つと良いそうだ。理化学研究所などの国際共同研究チームが発表した ▼実験によると赤ちゃんを落ち着かせるには座ったままの抱っこやベッドに置くことよりも抱っこして歩くことが有効らしい。親の腕からベッドに置くときに目を覚ましやすいが、眠ったら、八分ほど座って抱っこしながら待つことで起きにくくなるそうだ ▼<この子よう泣く 守をばいじる>。「竹田の子守歌」。寝かせるのに苦労している子守に「五分、八分」と教えたくなる。

    CBCテレビ

    2022.10.17(月)放送

  • 9月5日(月)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼罰当たりな人間が乗った船を神が沈めた。罪もない大勢の人が巻き添えになった。それを見た男がこう嘆く。神の裁きは正しくない−。イソップにそんな話がある ▼そのとき、男にアリの大群が向かってきた。一匹のアリが男にかみついたので男はそのアリを踏みつけたが、大勢の他のアリも一緒に踏んでしまった。神の一人、ヘルメスが現れて叱った。「おまえがアリにした方法で、神々がおまえたち人間を裁くことが許せないか」− ▼不気味な濁流。水没した村。人びとの悲痛な顔。そんな映像にやはり、あの神は正しくないと嘆く。パキスタンの大洪水である ▼雨期の六月以降、モンスーンの影響によって大雨が続き、各地で洪水を引き起こした。死者は千人を超え、国土の三分の一が水没したと伝わる。気候変動の影響による暖かく湿った空気がモンスーンを一層、凶暴にした可能性がある ▼北部山岳地帯の氷河融解も洪水の原因という。これも気候変動の影響だろう。無情な神の方法を思った理由は気候変動の原因となる二酸化炭素を、同国は世界の1%以下しか排出していないことにある。その人たちは人をかんだアリではない。なのに理不尽な責めを負わされているように思えてならない ▼日本を含め、大量排出国は気候変動対策の加速はもちろん「温暖禍」の巻き添えとなった国の窮地に、手を貸さなければなるまい。

    東海テレビ

    2022.10.03(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】8月27日(土)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------   日本の冷凍食品は一九五〇年代、魚肉のフライなどが学校給食に採用され、普及の契機となる。同じころに始まった戦後の南極観測で、隊員が食したこともいい宣伝になったという ▼約七十種が提供され、冷凍の野菜や茶わん蒸しもあった。時代は異なるが、九〇年代に調理担当として、仲間八人と南極のドームふじ基地で過ごした西村淳さんの著書『面白南極料理人』が実態を伝える ▼入り口脇の暖房の通っていないスペースに扉を設置しただけの「冷凍庫」は、年間を通じ氷点下の三四〜七五度。冷凍のカツオのたたきを暖房の効いた部屋に運ぶとすぐ霜がつき、水に漬けると「パキッパキッ」と音がして解凍が進んだ ▼国内の家庭用冷凍食品の生産量が急増し昨年初めて、業務用を上回った。新型コロナウイルス禍で飲食店などの業務用が伸び悩んだ一方、自宅での消費が増え、売り場を拡大したスーパーもある ▼手軽さから一人暮らしの若者らの「個食」にも浸透したという。少子高齢化による単身世帯増加や在宅勤務の普及で、個食需要はまだ伸びると業界はみている ▼西村さんの著書によると、南極の基地では隊員の誕生会など宴(うたげ)が少なくない。厳しい日々を乗り越えるためだろう。みなでカニづくしの料理を味わったり、寒さがゆるんだ日に外でジンギスカン大会を開いたり。こんな時代だけに、密な食事が尊く思える。 ------------------------------------------

    CBCテレビ

    2022.09.26(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】8月19日(金)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------   世界と勝負する。ファッションデザイナーの森英恵(はなえ)さんにそう決断させたのは、一九六一年の米国旅行で味わった屈辱という ▼ニューヨークの百貨店は上階ほど商品が高級になったが、日本製衣料は地下。粗悪な安物の象徴とされた。日本の芸者蝶々(ちょうちょう)さんと米軍士官の国際結婚の悲劇を描いたオペラ『マダム・バタフライ(蝶々夫人)』を見ると、蝶々さんは中国人風に両腕を前で組み、げたで畳を歩いた ▼低評価と無理解。「日本でデザインし、日本の布地を使い、日本人の手で縫い上げた服をジェット機で米国に運ぶ」と誓い、実現させた ▼森さんが亡くなった。トレードマークとして後に世界に知られる蝶(バタフライ)の柄は六五年、ニューヨークで初の海外コレクションを開く際に使った。自伝『グッドバイ バタフライ』によると、オペラの屈辱の記憶もあり、世界に羽ばたく意味を込めた ▼防空壕(ごう)で空襲を避け、戦後は新宿の店で進駐軍の将校夫人の服を仕立てた。米国で成功し、現地で会ったソニー創業者の盛田昭夫氏から「すごいよ」と言われたことが忘れられないという。歩みは戦後日本のそれと重なる ▼『グッドバイ バタフライ』は、パリでのショーを最後に一線を退いた際、著名ファッション記者が国際英字紙に書いた送別記事の見出し。今生の別れが来たが、天上で後進の飛躍を何より願っているだろう。 ------------------------------------------

    CBCテレビ

    2022.09.20(火)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】8月14日(日)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼昔話や童話なんかのおしまいの文句はだいたい「めでたし、めでたし」だった。よかった、よかった。いろいろあったけれど、問題はすべて解決。読み聞かせる親としては「さあ、安心しておやすみなさい」と子どもに言える ▼英語にもやはり物語を終わらせる決まり文句がある。「Happily ever after」。「その後、ずっと幸せに暮らしましたとさ」。どこの国でも子どもには幸せな結末を用意してあげたいと願うものなのだろう ▼その人の絵本は「めでたし、めでたし」「ずっと幸せに」とは終わらない。最後に大切な友だちは解けて消えるし、別の作品では核兵器が使用され、夫婦は死に向かう。『スノーマン』『風が吹くとき』などの英絵本作家レイモンド・ブリッグズさんが亡くなった。八十八歳 ▼淡いクレヨンで描かれた『スノーマン』のどこか夢心地のタッチを思い出している人もいるか。冬の夜空を雪だるまに抱かれて飛ぶ少年。楽しい一夜 ▼あくる朝、雪だるまは解けて消えている。別れは必ず訪れる。だから幸せな時間を大切にしなさいと教えているのだろうか。核のおそろしさを描いた『風が吹くとき』も含め、子どもに何かを考えさせる筆だった ▼絵筆を握った少々風変わりな雪だるまが真夏に解けて消えた。世界中の子どもとかつての子どもが解けた雪だるまを寂しそうに見つめている。

    東海テレビ

    2022.09.12(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】8月5日(金)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼<五月雨をあつめて早し最上川>。もちろん、芭蕉の「おくのほそ道」にある有名な句で、最上川の大石田(山形県大石田町)での作と伝わる ▼芭蕉に同行した河合曽良(そら)の「曽良旅日記」の中にある「俳諧書留」によると、おもしろいことに、もともとの句は少々、趣が違っている ▼芭蕉が最初に詠んだのは<五月雨を集(あつめ)て涼し最上川>。「早し」が「涼し」となっている。これだけで最上川の印象が大きく異なってくるから不思議である。「涼し」の川が心地良く、おだやかさを感じさせる一方で、「早し」の川は豪快であり、激しい。おっかなさもある。どうやら芭蕉さん、最上川下りを実際に体験したことで「涼し」から流れにより勢いのある「早し」に改めたらしい ▼最上川に水を集めたのは「五月雨」ではなく線状降水帯による雨である。記録的な大雨が続いた山形県内では最上川が各所で氾濫し大きな被害が出ている ▼積乱雲が列をなして発生し、通過、停滞した結果、長時間にわたって局地的な大雨を降らせた。住宅への浸水、橋の崩落。芭蕉にこの最上川の濁流を見せれば、「涼し」はもちろん、「早し」でも不十分で、字余りを気にせず「おそろし」「危うし」「すさまじ」と詠むだろう。雨は収まりつつあるとはいえ、現地が心配である ▼四〇度に迫る猛暑に豪雨。自然の過酷さばかりが目に付く今年の夏である。

    東海テレビ

    2022.09.05(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】6月23日(木)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------  沖縄土産の琉球ガラス。色とりどりのグラスなどがあるが、青色がよく売れるという。観光客が沖縄の海をイメージするらしい ▼浜松学院大の清水友理子講師が九年前に発表した論文『琉球ガラスの文化史』などによると、沖縄のガラス工場は戦前、日用の容器などを作ったが、戦争で焼けた。物不足の戦後、再開した工場は米兵が捨てたコカ・コーラやセブンアップ、ビールなどの瓶を再生。薄青、緑、茶などもとの瓶の色がガラスの色になった ▼廃瓶ゆえ、不純物が工程で混じりガラスに気泡ができたが、それも味わい。本国に帰る米兵の土産として人気を呼んで工芸として発展し、一九七二年の本土復帰以降、主な顧客は日本人観光客になった ▼沖縄戦の組織的戦闘の終結から今日で七十七年。今も在日米軍専用施設の七割が沖縄に集中する ▼県のホームページの基地関連「Q&A」に「沖縄県の経済は米軍基地経済に大きく依存しているのではないですか」という質問がある。県民総所得に占める基地関連収入は六五年度に30・4%だったが、近年は5〜6%と限定的。本土に誤解する人がいるから、この質問を載せるのだろう ▼琉球ガラスの名工、故桃原正男さんの代表作に青い花瓶がある。イメージしたのはニライカナイ。海の彼方(かなた)などにあると沖縄で信じられる理想郷だ。青色には、幸せを願う気持ちもこめられている。

    CBCテレビ

    2022.07.25(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】6月17日(金)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------  石垣りんさんの詩『ランドセル』。新一年生に語りかけるように<あなたはちいさい肩に/はじめて/何か、を背負う>と始める ▼<机に向かってひらく教科書/それは級友全部と同じ持ちもの/なかには/同じことが書かれているけれど/読み上げる声の千差万別/入学のその翌日から/ほんの少しずつ/あなたたちのランドセルの重みは/違ってくるのだ>。重みが違ってくるのは、子どもも年相応に何かを背負いながら生きていくためだろうか ▼比喩的な「背負うもの」でなく、現実のランドセルも重いようだ。キャスター付きフレームに取り付け、キャリーケースのように運ぶ新商品「さんぽセル」が人気という。小学生が発案した ▼教科書が厚くなって荷物が重くなり、文部科学省は四年前、一部を学校に置くなど工夫し、負担を減らすよう各教育委員会に通知したが、改善したのだろうか。最近はタブレットを持つ子もいる。体育用品を扱う企業「フットマーク」が昨秋に発表した小学一〜三年生千二百人対象の調査では、約九割が重いと感じ、ランドセルの重さは平均約四キロ。肩や腰などが痛くなった子もいた ▼先の詩はこう続く。<手を貸すことの出来ない/その重み/かわいい一年生よ。> ▼独り立ちを願う言葉だろうが、現実の重さ軽減には手を打たねばなるまい。子どもに限らぬ話だが、何でも背負うとつらい。

    CBCテレビ

    2022.07.19(火)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】6月10日(金)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼「○○円でどうだ。こんだけまけても、まだ買わねぇか」。こんな口上で、売り手が買い手と掛け合うバナナのたたき売りは、大正後期に始まった。日持ちしないゆえの安売り。発祥の地は台湾産バナナが集積した北九州の門司港という ▼台湾産は明治期から入り、昭和の高度成長期に急増した。台湾の台風被害の影響で一九七〇年ごろは、赤道下の南米エクアドル産が台湾産を日本で凌駕(りょうが)。その後はフィリピン産が席巻し、最近は輸入の八割近くを占めている。『バナナと日本人』(鶴見良行著)などに教わった ▼今、その主産地が価格引き上げを訴えている。フィリピン政府が、日本の小売業団体に理解を求める申し入れを行った。肥料や農機具を動かす燃料の価格が高騰し、生産者の利益がほとんど出ないという。かさむ経費を価格に転嫁できず、買いたたかれているということだろう ▼駐日大使は記者会見で「困窮するバナナ農家に希望を与えてほしい」と力説した。経済の変調のしわ寄せが、特定の人たちだけにいくとすれば、正しいことではない ▼まど・みちおさんの詩に『バナナの うた』がある。冒頭を引く。<せきどうを こえて/きたのか バナナ/まなつの におい/まひるの におい/まなつの まひるの/はたらく ひとの におい> ▼赤道ほど遠くはないが、かの南の島で汗を流す人にも思いをはせたい。

    東海テレビ

    2022.07.11(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】6月6日(月)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼戦後の「ブギの女王」笠置シヅ子さんの「買物ブギー」(作詞、作曲・服部良一)は一九五〇(昭和二十五)年のヒット曲で大阪弁とスピード感あふれる曲調が今、聴いてもかっこいい。<わてほんまによういわんわ>の歌といえばピンと来るか ▼お客さんでも迎えるのか買い物に走る女性を歌っている。<何はともあれ 買い物はじめに魚屋さんへと飛び込んだ><タイにヒラメにカツオにマグロにブリにサバ> ▼まず魚屋さんというところが、当時を映している。かつての日本人はそれほど魚をよく食べた。二〇二一年度版の水産白書によると日本の一人当たりの魚介類消費量は二〇年度に二三・四キロとなり、比較可能な一九六〇年度以降で最低だったそうだ ▼消費ピークの二〇〇一年度の六割弱と聞けば<わてほんまによういわんわ>と驚く。肉の消費は拡大する一方で魚介類は値の高さや調理の手間で敬遠されているらしい。コロナ禍で飲食店での魚介類消費も減ってしまった ▼消費回復に手はないのか。あの歌と同じ時代に連載が始まった漫画の「サザエさん」。登場人物の名は当時身近だった魚などの名だが、今ならさしずめ、「ハンバーグさん」やら「唐揚げくん」となるか ▼暖流の黒潮と寒流の親潮がぶつかることで豊富な魚に恵まれ、かつて世界一、魚を食べるといわれた日本の魚食文化。急速な衰えが心もとない。

    東海テレビ

    2022.07.04(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月29日(日)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ------------------------------------------ 母子二人の貧しい生活。ある日、子どもが殴られ、ひどいけがをする。 泣いて帰ってきた子を見て、おっかさんは腹を立てる。落語の「子別れ」である。 「どこの子がやったんだい。おっかさん、文句を言ってやるから。 ほっといたら、しまいに、何をされるか分かったもんじゃない」 ▼子どもが教える。「伊藤さんの坊ちゃんが」。おっかさんの威勢が途端に悪くなる。 「痛いだろうが、がまんをおし」「その家からはお仕事をいただいている。 お仕事がもらえなくなったら…」 ▼この場面に差しかかるとつらくなるという人もいるのではないか。事情は分かるが、 相手に非があるのに辛抱しろとは切なかろう。国際社会はやはり「痛いだろうが、 がまんをおし」と言われている気がしてならぬ。国連安全保障理事会の話である ▼弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮に対し、制裁強化を求める決議案は否決された。 中国とロシアが拒否権を行使した結果である ▼賛成国が多数でも常任理事国の両国が拒否すれば曲がったこともただされぬ。 ロシアのウクライナ侵攻をめぐって露呈した国連の分断と限界が「再び」である ▼心配なのは、さらなるおとがめはないとたかをくくった北朝鮮の動きだろう。 核実験の準備を進めていると伝わる。「しまいに、何をされるか」−。 おっかさんの言葉をいやでも思い出させる国連の機能不全である。 ------------------------------------------

    CBCテレビ

    2022.06.27(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月22日(水)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ----------------------------------  ベートーベン、チャイコフスキーにマーラー。散歩を日課としていた作曲家は多い。 「ジムノペディ」などの仏作曲家、エリック・サティもそうだ。パリの町を毎朝、歩き回る。着想を得るためだったそうで散歩中、アイデアがひらめくと小さなスケッチブックに メモしていた ▼散歩の際にもう一つ、必ず持ち歩いていたものがある。カナヅチだそうだ。 散歩コースには治安の悪い地区もあり、護身用にとポケットに忍ばせていた。 さぞ、歩きにくかったことだろう ▼カナヅチほどではないが、散歩や日常生活でのわずらわしさがある程度、 緩和されることになる。新型コロナウイルス対策のマスクである。 政府は会話する場合などを除いて屋外ではマスク着用の必要はないとする見解を発表した ▼散歩やランニング、徒歩での通勤通学もマスクは不要。 屋内でも人との距離が二メートル以上離れ、かつ会話が少ない場合はマスクを外すことができるそうだ ▼マスク緩和にサティの軽やかなワルツ曲「ジュ・トゥ・ヴー」を口ずさみたくもなる。 感染から身を守る道具とはいえ、長く続くマスク着用の生活は心の負担にもなっていたはずだ ▼ようやく、ここまできたかと振り返れば、感慨深いが、コロナ禍はまだ収束しておらず、人混みでのマスク着用は今までと変わらない。カナヅチを携え、散歩に出たサティの用心深さの方もお忘れなく。 ----------------------------------

    CBCテレビ

    2022.06.20(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月19日(木)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼愛知県三河地方の明治用水の誕生は民間が主導した。明治時代に県の指揮で完成するが、地主ら民間人が考案し、資金を確保した。同じころ、猪苗代湖の水を引く東北の安積疏水整備が国直轄だったのとは対照的である ▼当初、三河で導水と新田開発を計画したのは地元の豪農都築弥厚(やこう)。江戸時代、水害を招くと誤解した農民に反対され、夜間ひそかに測量を続けたが、果たせぬまま借金を残し、亡くなった。岡本兵松(ひょうまつ)と伊豫田(いよだ)与八郎が遺志を継いで農民を説き、出資者も確保したが、兵松は親類の財も費やし、与八郎は破産して家族離散を招いたという ▼「日本デンマーク」の呼称を得るほどまでに地域の農業を育て、やがて自動車関連企業にも水を運ぶようになった用水が危機である ▼川から取水する施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で漏水が起きた。戦後に国が建設した三代目施設だが、通常通りに取水できない ▼田植えを控えた農地への供給は止まった。企業向け供給も安定せず、昼間の稼働停止を決めた工場もある。国は応急的にポンプで水をくみ、復旧を急ぐが、官の沽券(こけん)にも関わる事態であろう ▼用水完成の記念碑には、明治の指導者松方正義が「疏通千里(そつうせんり)・利澤萬世(りたくばんせい)」の言葉を残した。水路の完成が永遠の恵みを与えるという意味だが、「萬世」のくだりは大丈夫だろうか。民の営みに水をさす事態を、長引かせてはいけない。

    東海テレビ

    2022.06.13(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月8日(日)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼「母の日」といえば、母親の日ごろの苦労や気づかいに対して、子どもや夫が感謝を示す日なのだろう。そもそもの「母の日」は少し、性格が異なるようだ ▼十九世紀の米国の詩人で社会活動家のジュリア・ウォード・ハウという女性が「母の日」の「原型」と関係している。「心ある女性たちよ、立ち上がれ」。一八七〇年、自分の息子や夫が戦場に駆り出されることに反対の声を上げようと世界中の女性に向けて呼びかけた ▼南北戦争の悲惨な記憶が生々しく残っていた時代だろう。母親が子どもに幼いときから教えた慈愛や寛容の精神。そうした大切な教えが戦争によって奪われてしまう。そのことが母親としては許せない。「武器を捨てよ、武器を捨てよ」。そう訴え、母親の団結を求めた ▼現在「母の日宣言」と呼ばれるものでハウは毎年六月二日を「平和を求める母の日」としたかったそうだ。残念ながら定着しなかったが、「母の日」の出発点は反戦と女性の団結にあった ▼戦争で息子が誰かを傷つける。傷ついた誰かもまた誰かの母親の息子。世界中の母親が団結すれば戦争をとめられるはず。その発想は今聞いても頼もしい ▼「母の日」である。ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。国際社会はロシアを今止められないでいる。無力な世界はいくさが大嫌いな「かあちゃん」からこっぴどく叱られた方がよい。

    東海テレビ

    2022.06.06(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月4日(水)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 5月4日(水)の中日春秋 「語録」にこんな言葉があった。 「指導者が仕事をするには忍耐が必要だ。私は子どものころにそれを学んだ」− ▼子どものころの出来事とはこんな話らしい。その人は数学が得意で、 友だちの勉強も見てあげていたが、相手はなかなか理解しない。気づいたそうだ。 教える側は辛抱強く、相手の理解を待つしかないのだと。 ▼その人とは八十歳で亡くなったサッカー元日本代表監督イビチャ・オシムさんである。 含蓄ある言葉で選手を鍛え、鼓舞した名指導者だった。日本サッカーの恩人の一人だろう。 ▼「ライオンに追われたウサギが逃げ出すときに肉離れを起こすか。 (選手がけがをするのは)準備が足りない」。ウサギだって、けがをすることもあろうにと 思わぬでもないが、その人が語れば、なるほどと信じたくなる説得力があった。 ▼理解しない相手をどう導くか。オシムさんの言葉が磨かれ、 魔法のような力を持つようになった背景かもしれない。民族が対立した旧ユーゴスラビア。 そこで代表監督を務めるには対立を越え、選手を団結させる魅力ある言葉が必要だったのだろう。 ▼「人生はこれからも続く。サッカーでもそうだろう。 試合に負けるのは人生の終わりではない」。苦難にも絶望しないで。 東日本大震災の後、日本に向けたメッセージにそんな言葉があった。 日本人に伝え、教えたのはサッカーだけではなかった。

    CBCテレビ

    2022.05.30(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】4月24日(日)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 4月24日(日)の中日春秋 作家の井上ひさしさんは高校生のとき、新聞記者になるのが夢だったそうだ。 こんな空想をしていた。ある日、仙台市内で財布を拾う。財布は地元紙の社長のもの。 もちろん正直に届ける。 ▼感心な少年ということで新聞社のお手伝いとなる。 やがて「こいつ、なかなか書けるぞ」と評判になる。社長の娘と恋仲になり、結婚。 会社を引き継ぎ、全国一の新聞にする。つい笑ってしまうが、 少年時代は誰もがこんな空想をするものだろう。財布を拾うことで運が向く。未来が広がる。 ▼拾った財布ではなく、自分の銀行口座に大金が振り込まれていた話である。 山口県阿武町が新型コロナウイルス関連の臨時特別給付金として、 ある住民に四千六百三十万円を誤って振り込んでしまったという。 ▼井上さんの空想のように話はよい方向には進まない。町側は当然、返金を求めているが、 住民は「もう元に戻せない」と拒んでいるそうだ。「罪は償う」と言っているあたり、 一部を使ってしまった可能性もある。 ▼返金を拒む住民の態度を責めるのは簡単なのだが、大金を目の当たりにすれば、 気の迷いを起こすこともあるだろう。 ▼町側は刑事告訴を検討しているという。罪作りな送金ミスさえなければ、 この住民もこんな騒動に巻き込まれることはなかったろう。 身に覚えのない大金は正直に届け出ないと不幸を招く。空想ではなく現実である。

    CBCテレビ

    2022.05.23(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】4月12日(火)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼昭和の時代、作新学院高の江川卓投手は剛速球で甲子園を沸かせた。怪物と呼ばれたが、法政大二年の時、右肩を疲労骨折した。高校時代から登板過多だった ▼巨人入団後、二十勝をあげた年もあったが、最盛期は長く続かず、三十二歳で引退した。自伝「たかが江川されど江川」に「大学二年のときに起こしたあの疲労骨折以来、僕の投手人生は最後まで、右肩との闘いの繰り返しだった」とある ▼令和の怪物ことロッテの佐々木朗希投手が日曜日のオリックス戦で、走者を一人も出さない完全試合を成し遂げた。プロ三年目。二十歳五カ月での達成は史上最年少という。最速百六十キロ超の直球を武器に十三連続奪三振のプロ野球新記録も作った ▼大船渡高三年の夏、甲子園をかけた岩手大会決勝で監督がけが防止を理由に佐々木投手を登板させずに敗れ、議論を呼んだ。プロ入り後も体づくり優先で登板は制限された。大事に育てられた大器が片鱗(へんりん)を見せ始めたのだろう ▼江川氏はプロ九年で完全試合こそ達成していないが、通算百三十五勝。現役最後の年も十三勝で引退を惜しまれた。自伝によると、肩の痛みで「あるべき姿の江川卓」でいられないから決意したという。打者が直球を待っていると分かっていても、直球を投げて空振りさせなくてはいけない− ▼きっと今の佐々木投手には、できることであろう。長く見たい。

    東海テレビ

    2022.05.16(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】2月15日(火)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼漁の網にウミガメがかかったら、酒を飲ませて海に戻す。日本各地の漁師に伝わる風習という ▼民俗学が専門の藤井弘章近畿大教授によると、ウミガメを縁起物として大切にするゆえの行動で大漁の願掛けもする。遅くとも江戸時代には始まったという ▼真偽はともかく、漁師の間では「ウミガメは酒が好き」と伝えられ、「酒を飲んだカメが泳いで帰るとき、顔を出してお礼をした」といった話も残る。最近はウミガメ保全関係者の間で「飲ませ過ぎはよくなかろう」という声もあり、水産庁も酒を飲ませないよう指導しているようだが、助けたカメが恩を返す説話が定着した日本らしい風習ではある ▼絶滅も危惧されるウミガメに、誤ってこれを飲ませてしまうのはまずかろう。プラスチック製不織布マスク。岩手県沿岸で捕獲されたアオウミガメの排せつ物の中に含まれていたと、東京農工大と東京大のグループが発表した ▼コロナ禍で海への流出が増えているようだ。グループによれば、生物への悪影響が懸念される化学物質を含んだ不織布マスクも市販されているという ▼プラスチック類の海洋流出は、かねて指摘される課題。魚や貝の中から微小なプラスチックが見つかり、それを食べる人間も体に取り込んでいるとみられる。問題を放置すれば報いを受けるのは人間。報恩の生きものウミガメはそう教えているのだろう。

    東海テレビ

    2022.05.09(月)放送

  • 【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】4月8日(金)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」をCBCテレビ&東海テレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 「あんたの好きなようにしられ」 ▼地元富山の新聞社に勤めていた安孫子素雄さんが、  会社をやめて漫画家を目指し上京すべきか相談すると、母はあっさり言った。  ※「しられ」は地元の言葉で「しなさい」の意 ▼上京は、週末に地元で一緒に漫画を描いていた相棒の藤本弘さんに迫られていた。  安孫子さんは高校卒業後に会社に勤めてまだ二年目。  入社には母方の親類の縁も頼っていた。十歳の時、住職だった父を亡くしている。  母は当然、止めると思っていたから驚いたという。それから初めて悩み、  やがて上京の決心がついたと自伝に書いている ▼共同のペンネーム「藤子不二雄」を使った二人。同じように早くに父を亡くすなど、  境遇も似ていた藤本さんは一九九六年に旅立っていたが、  藤子不二雄(A)こと安孫子さんの訃報がきのう届いた。  きっと天国で二人、積もる話もあろう ▼安孫子さんの自伝によると、漫画家として世に出ると、共働き家庭が増え、  自分で家の鍵を開閉する「かぎっ子」も生まれていた。  「怪物くん」で人間界に来た怪物と仲良くなるヒロシは、姉と二人暮らしだった。  「プロゴルファー猿」の主人公は賭けゴルフで、  自身らきょうだいを一人で育てた母に報いる ▼作品の「ベースは愛」と自伝で語った人は、家族愛に飢えた昭和の子に寄り添った。  若き日の背中を押した富山の母に感謝せねばなるまい。

    CBCテレビ

    2022.04.25(月)放送

  • 再生中

    【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】3月15日(火)アナよみ春秋

    アナよみ春秋
    中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します! 「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。 書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。 ▼京都の島津製作所に勤める田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞したのは二〇〇二年。サラリーマンの快挙として話題になった ▼受賞決定の二日後、田中さんは小泉首相らと官邸で昼食をともにしたが、東京での記者会見でこう言った。「出張の新幹線はいつも『ひかり』。今回は念願の『のぞみ』に乗れてうれしかった」 ▼東海道新幹線最速ののぞみ。今でこそ頻繁に走るが、〇二年度当時の一日当たり本数は最多のひかりの約六割で、各駅停車のこだまより少なかった。東京−新大阪間の料金も、のぞみは他より千円近く高かった。料金差は今、三百円程度になったが、経費節減の命を受ける会社員が気軽に乗れない時代が確かにあった ▼のぞみがきのう、誕生三十年を迎えた。東京−新大阪間の所要時間を約二十分も縮めた「韋駄天(いだてん)」。首都圏、東海、近畿の交流を盛んにした功労者といえる ▼のぞみが生まれた一九九二年は、バブルが崩壊して長期不況が始まるころ。新幹線の乗客も減り始める時期にあたる。JR東海元社長の須田寛氏が著書で、新幹線の歴史でも節目だったと振り返る危機。のぞみ増便などの積極投資があったからこそ、落ち込みは抑えられた ▼出張も観光も低調で、乗客が減るコロナ禍の今をどう乗り切るか。難問だが、希望はあろう。田中さんに限らず、心浮き立つ列車の旅を記憶する人は少なくない。

    東海テレビ

    2022.04.11(月)放送

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