

2022年10月24日放送
アナよみ春秋
中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。
書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
▼京都の島津製作所に勤める田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞したのは二〇〇二年。サラリーマンの快挙として話題になった
▼受賞決定の二日後、田中さんは小泉首相らと官邸で昼食をともにしたが、東京での記者会見でこう言った。「出張の新幹線はいつも『ひかり』。今回は念願の『のぞみ』に乗れてうれしかった」
▼東海道新幹線最速ののぞみ。今でこそ頻繁に走るが、〇二年度当時の一日当たり本数は最多のひかりの約六割で、各駅停車のこだまより少なかった。東京−新大阪間の料金も、のぞみは他より千円近く高かった。料金差は今、三百円程度になったが、経費節減の命を受ける会社員が気軽に乗れない時代が確かにあった
▼のぞみがきのう、誕生三十年を迎えた。東京−新大阪間の所要時間を約二十分も縮めた「韋駄天(いだてん)」。首都圏、東海、近畿の交流を盛んにした功労者といえる
▼のぞみが生まれた一九九二年は、バブルが崩壊して長期不況が始まるころ。新幹線の乗客も減り始める時期にあたる。JR東海元社長の須田寛氏が著書で、新幹線の歴史でも節目だったと振り返る危機。のぞみ増便などの積極投資があったからこそ、落ち込みは抑えられた
▼出張も観光も低調で、乗客が減るコロナ禍の今をどう乗り切るか。難問だが、希望はあろう。田中さんに限らず、心浮き立つ列車の旅を記憶する人は少なくない。
中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。
書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
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