2022年12月5日放送
【アナウンサーが中日新聞コラムを朗読】5月19日(木)アナよみ春秋
アナよみ春秋
中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。
書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
▼愛知県三河地方の明治用水の誕生は民間が主導した。明治時代に県の指揮で完成するが、地主ら民間人が考案し、資金を確保した。同じころ、猪苗代湖の水を引く東北の安積疏水整備が国直轄だったのとは対照的である
▼当初、三河で導水と新田開発を計画したのは地元の豪農都築弥厚(やこう)。江戸時代、水害を招くと誤解した農民に反対され、夜間ひそかに測量を続けたが、果たせぬまま借金を残し、亡くなった。岡本兵松(ひょうまつ)と伊豫田(いよだ)与八郎が遺志を継いで農民を説き、出資者も確保したが、兵松は親類の財も費やし、与八郎は破産して家族離散を招いたという
▼「日本デンマーク」の呼称を得るほどまでに地域の農業を育て、やがて自動車関連企業にも水を運ぶようになった用水が危機である
▼川から取水する施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で漏水が起きた。戦後に国が建設した三代目施設だが、通常通りに取水できない
▼田植えを控えた農地への供給は止まった。企業向け供給も安定せず、昼間の稼働停止を決めた工場もある。国は応急的にポンプで水をくみ、復旧を急ぐが、官の沽券(こけん)にも関わる事態であろう
▼用水完成の記念碑には、明治の指導者松方正義が「疏通千里(そつうせんり)・利澤萬世(りたくばんせい)」の言葉を残した。水路の完成が永遠の恵みを与えるという意味だが、「萬世」のくだりは大丈夫だろうか。民の営みに水をさす事態を、長引かせてはいけない。
番組詳細
中日新聞の看板コラム「中日春秋」を東海テレビ&CBCテレビのアナウンサーが朗読します!
「中日春秋(ちゅうにち・しゅんじゅう)」は、中日新聞の朝刊1面に毎日載っているほぼ555文字の文章。
書いた人の意見や考えが含まれた「コラム」と呼ばれる読み物です。
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