トンネル工事の舞台裏...爆薬300本で岩盤を粉砕!地下では"巨大クモマシーン"が活躍
安心して通れるように徹底した安全対策が施されているトンネル。取材班は、現在建設中の高速道路「東海環状自動車道・養老トンネル(仮称)」の工事現場に潜入! ※「養老トンネル」は仮称。記事では以降、(仮称)を省略。
東海環状自動車道とは、愛知・岐阜・三重にまたがる「NEXCO中日本」の高速道路で、「養老トンネル」を含む、養老インターチェンジ・大安インターチェンジ間が最後の工事区間。開通すれば、岐阜と三重が初めて高速道路でつながり、交通の便がさらに良くなる。
工事が進む「養老トンネル」で取材を進めると、番組スタッフが謎の通路を発見! その先には一体何があるのか!
横穴を発見!その先には巨大空間
#1、#2では、1日最大4メートルしか進むことができない「養老トンネル」の掘削現場に密着したが、そこでスタッフが見つけたのは、トンネルの進行方法から直角に伸びる謎の横穴。向かってみると…そこには巨大な空間が広がっていた。
実はこちらが、実際に自動車が通る「本坑」。
#1~#2で紹介したのは「避難坑」と呼ばれる緊急用のトンネル。
実際に高速道路を走ってみると、本坑の隣にもう1つトンネルがあるのがわかる。
実は3000m以上のトンネルには、緊急用に「避難坑」と呼ばれるもう1つのトンネルを作ることが義務付けられている。万が一を想定した安全対策だ。
爆薬300本で岩盤を粉砕!
「養老トンネル(本坑)」は、高さ約8メートル、幅約13メートルの対面走行で、完成後は、各一車線となる予定。
掘り方は避難坑と同じだが、本坑は広いだけあり、掘削に使われる機材はすべてダイナミック! 爆薬用の穴を空ける「ホイールドリルジャンボ」は“巨大なクモ”のような姿をしていて、SF映画に出てきそう!
避難坑で使われていた「ホイールドリルジャンボ」には2本のアームが付いていたが、こちらは3本もついており、その長さは3倍以上! しかも避難坑ではレールの上を移動していたが、本坑で使用しているものはタイヤが付いているため自力で移動できる。
本坑は避難坑の4倍という大きさで岩盤も巨大なため、爆破用の穴も300カ所開けなければならない。
避難坑同様、すべての穴に爆薬を仕掛け、爆破5分前…。サイレンが響き渡り、カウントダウンがゼロになると、点火とともに大きな爆発音が鳴り響く!
爆破の規模も避難坑とは比べものにならないほど大きく、がれきの量も数倍に。
ここで登場するのが、お掃除屋さん「トラクタシャベル」だ!
かなりの力持ちでがれきを豪快にすくい上げ、そのまま90度に倒して一気に除去する。
その後は避難坑と同じ工程で、トンネルのカーブに沿うようにアーチ型の金属をはめ、コンクリートで固めた後は、棒を差し込み、次の爆破で崩れないように補強する。
「養老トンネル」の現場では、本坑と避難坑合わせて約50人が2交代制で勤務。専門的な知識と確かな腕を持ったプロフェッショナルが万全な安全対策を行い、地道に開通を目指している。
番組概要
番組名:工場へ行こう III AMAZING FACTORY
出演者:(ナレーション) 平泉 成、城ヶ崎祐子
公式ホームページ:https://tv-aichi.co.jp/koujou3/
放送日時:毎月第1土曜午後