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紙だけで模型を作る「ペーパークラフト」の世界 立体感の出し方、塗装のポイントを解説

  • ペーパークラフトの車


    身近な素材を使って手がけるペーパークラフト


ペラペラの紙を立体物へと仕立てるペーパークラフト。既製品の組み立てキットは数多存在しますが、今回紹介するのは完全オリジナル作品です! 身近な素材を使って、あらゆる部分を紙だけで作る妙技をお届けします。


【動画はこちら】紙だけで模型を作る「ペーパークラフト」の世界

●紙だけを使ってクラシックカーを再現

  • ペーパークラフトの車体


    クラシックカーをモチーフにしたペーパークラフト


動物や植物などの形が入り組んでいないものや、大きな建造物ではなく、有機的フォルムとメカニカルなディテールが織りなすクラシックカーをモチーフに製作します。シャフトなどの駆動部や配線に至るまで、すべて紙だけで表現していきます。


モチーフとなるメルセデス シンプレックス クーペ

  • 「メルセデス シンプレックス」の車体


    「メルセデス シンプレックス クーペ」


高級車ブランドとして知られる、世界最古の自動車メーカー「メルセデスベンツ」の起源といえる車両「メルセデス シンプレックス」の1つ。クラシックカーらしい細かい装飾と、運転席の後ろにキャビンがある構造は見どころです。


使うのはお菓子の空き箱。


  • 空き箱


    お菓子の空き箱を使う


ある程度厚みのある包装用の箱を使用。見た目や塗装を考えて、柄のないものを選びます。


  • 自動車の車輪のスケッチ


    自動車づくりに似た工程をとる


作り方は各パーツに製作して組み合わせる方式。実際の自動車づくりに似た工程をとります。


●“ドーナツ”のようなリアルなタイヤに

  • ペーパークラフトの車輪部分


    紙で再現するのが難しい流線型を描くタイヤ


一見、車のパーツの中でもっとも単純に思えるタイヤも、実物を見ると紙で再現するのが難しい流線型を描く立体物です。目立つパーツなので、タイヤの仕上がりがモデル全体の仕上がりに影響します。


  • バウムクーヘンとドーナツの画像でタイヤの形を比較


    理想のタイヤは右のドーナツのような丸み


平面にタイヤを表現してしまうと、左のバームクーヘンのような形になってしまいます。目指すは右のドーナツのような雰囲気!


  • 切り込みを入れている様子


    切れ込みを入れた部分を内側に折り込むことで、山なりの立体感が生まれる


円周にできるエッジをなだらかにするために、V字の切れ込みを入れて斜めの面ができるように工夫します。


  • 紙を小さく切り分け、接地部分を製作する様子


    地面の接地部分を別途製作。溝を作ってタイヤらしさを強調


  • パーツを組み合わせる


    それぞれのパーツを組み合わせると、リアリティーを感じられるタイヤに


  • 自作の道具で製作


    クラシックカーたらしめるスポークは自作の治具で製作することで、角度がしっかり決まる


●塗装は模型用塗料で

  • テーブルに塗料や筆が置かれた様子


    少しずつ乾かしながら塗装


素材が紙なので塗装でふやける恐れも。模型用塗料をうすめに希釈し、少しずつ乾かしながら塗装していきます。


  • 塗り重ねる様子


    模型用塗料によって、つややかな仕上がりに。少しずつ塗り重ねていくことで、紙に強度が加わる


  • 和紙に塗装を施すとレザーっぽい雰囲気に


    座席などの内装には和紙を使用。和紙に塗装を施すとレザーっぽい雰囲気に!


●エンジンルームの製作

  • 実車のエンジン


    車の心臓部でもあるエンジンを見えるように製作。資料や実車を参考にする


  • ボンネットを開けた様子


    ボンネットは開閉式。可動部のヒンジももちろん紙製


  • 箱組みをしたパーツ


    設計図を作って、箱組み


  • エンジンプラグを別パーツに


    エンジンプラグを別パーツ化してディテールアップ


  • 完成したペーパークラフトのエンジン


    塗装済みの配管、配線を施したらエンジンの完成!


  • パーツが並んだ様子


    すべてのパーツができたらあとは組み立てるだけ


●まとめ

  • ペーパークラフトでつくった作品


    空き箱をクラシックカーへと昇華させたペーパークラフト


とても紙でできているとは思えないシャープな仕上がりで、実際に手に取るとあまりの軽さに驚きそう。タイヤの形状表現、扉のヒンジ、装飾部分など、リアルさを感じられる要素をしっかり盛り込んでいるところが、クオリティーアップにつながっているのでしょう。


本来捨てられるはずの空き箱をクラシックカーへと昇華させる、まさに“紙ワザ”の世界ですね!