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マツダ、伝統のロータリーエンジンがPHEVで復活!「MX-30 Rotary-EV」はどんなクルマ?

MX-30 Rotary-EV

「コスモスポーツ」「サバンナ」「RX-7」など歴代のマツダの名車に搭載されてきたロータリーエンジン。2012年のRX-8生産終了以降量産が止まっていましたが、2023年にMX-30の発電機として11年ぶりの復活を果たしました。


7月17日~19日に愛知県で開催された「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」でマツダは、このMX-30を展示。ロータリーエンジンをモーターの発電機として搭載する独自のPHEV「MX-30 Rotary-EV」はどんな特徴を持った車なのか。マツダの担当者に話を聞きました。


【動画を見る】世界初のロータリーエンジンを搭載した量産車!コスモスポーツとは?

平日はEV、休日のロングドライブはエンジンの発電で

――「MX-30 Rotary-EV」の特長を教えてください。


基本的にはモーターだけで走行するクルマです。約17キロのバッテリーを載せており、バッテリーだけで約100キロ走行することができます。ガソリンは50リッター入るので、トータルで約700キロほどの走行が可能です。


  • 機械を詳細に示した図。MAZDA MX-30 Rotary-EV 電動駆動ユニット


    MAZDA MX-30 Rotary-EV 電動駆動ユニット


一般的な方の1日の走行距離は50キロ程度。長距離移動の方でも70キロなので、普段使いの足としては EVのみで走行可能です。週末など長距離移動のときはエンジンを使って発電して走ることができます。


乗りやすさを意識した価格帯やサイズ

――PHEVは割高なイメージがありますが、価格は400万円台前半と比較的抑えめですね。


今回新たに開発したロータリーエンジンは、非常にコンパクトで小さいという特徴があります。また車体をほかのクルマと共通化している部分もあり、エンジンルームの大きさは当社でつくっている「CX-30」や「マツダ3」とほぼ同じなんです。


その2リッター程度のエンジンが載っているスペースに、発電用のエンジンとモーター、走行用のモーター、この3つを何も改造せずに載せられるので、その部分がコストを抑えられている要因です。


  • MX-30 内装


    MX-30 内装


――既存のPHEVモデルの「CX-60」よりも少しお手軽なクルマのイメージでしょうか。


大きさがひと回り、二回りくらい小さいクルマです。「MX-30」よりもグレードアップしたものが「CX-5」です。「CX-5」よりもさらに大きくなったモデルが「CX-60」です。かなり小さな部類になると思います。


――小回りや女性向けなど乗りやすさを意識されている?


非常に乗りやすさにこだわったクルマでもあります。観音開きの扉を採用しているのもそのひとつです。常に4人乗るわけではないというスタイルや、少しだけ後ろを開けて荷物を置くことは観音扉だからできることかな、と。


  • 扉の開いたクルマ


    観音開きのドア


また、車いすを利用する方向けのSeDV(Self-empowerment Driving Vehicle)というクルマも「MX-30」をベースにつくっています。


通常車いすの方がひとりで乗る場合、車いすを助手席に置く場合が多いです。運転席に座られたあと、車いすを折りたたんで助手席に置く。そうなると、自分の上を通さなければいけません。


観音扉だとそのまま後ろに入れることができるので、「MX-30」の大きな魅力だと考えています。


従来のマツダとは異なるイメージのクルマ

――ユーザーの反応は上々ですか?


観音扉のメリットなど、詳細な特長をご説明すると共感してもらえます。「そんなところまで考えているんだ」と、感心していただけるのはうれしいですね。


――コスモスポーツなどロータリーエンジンの車に乗車しているオーナーは、愛が深い方が多い印象です。「MX-30 Rotary-EV」はどんな方におすすめしたいですか?


MXなので、マツダのイメージとは少し雰囲気の変わった使い方もしていただけるような形がコンセプトになっています。V2H(Vehicle to Home)にも対応していますし、キャンプなどにもご利用いただけます。ぜひ多くの方に「MX-30 Rotary-EV」の存在を知ってもらい、選んでもらえたらうれしいです。