「湯切りが長い!」伝説のラーメン店・招福軒 復活させたのは、元競輪選手だった!【名古屋市北区】
名古屋市北区・城北エリアにある「招福軒」は、名古屋のラーメン好きに知られるラーメン店。その人気ぶりはすさまじく、10時30分のオープンからわずか5分で満席になるといいます。しかも、週に4回や1日2回も来店するという猛者も! この記事では、そんな名古屋のラーメン好きたちに愛される伝説のラーメン店「招福軒」の人気とおいしさの秘密をご紹介します。
滋養たっぷり“好来系”の名店「招福軒」

松(チャーシューメン)
1985年に創業した招福軒は、名古屋発祥ともいわれる「好来系」ラーメンの名店。半濁スープが特徴の“薬膳ラーメン”が店の名物です。玉ねぎを中心とした根菜類と魚介、鶏ガラ、漢方素材を使ってじっくりとうまみを抽出しています。

大寿竹(麺・チャーシュー・メンマ大盛り)
メニューは基本系の「松」を基準として、メンマ多めの「竹」、チャーシュー多めの「寿」など独特の名称で呼ばれるのも特徴。麺大盛りなら頭に「大」がつき、麺・チャーシュー・メンマ全て大盛りの「大寿竹」を注文すれば、スペシャルなごちそうラーメンが楽しめます。

自家製極太メンマ
滋味深い薬膳スープと並ぶ好来系ラーメンの特徴が自家製の「極太メンマ」。最高級の麻竹を使った塩漬けのメンマを丁寧に仕込んでいます。ラーメンだけでなく、このメンマが「群を抜いて食べ応えがある」とヤミツキになる人も多いです。

自家製のチャーシュー
もちろん、チャーシューも自家製。手間暇を惜しまず、数種類のしょうゆを使ったカエシでじっくりと煮込むことで、噛みしめるほどにうまみがあふれだす食べ応え抜群の味わいに仕上がっています。

招福軒 創業者 松浦善広さん
招福軒のもう1つの名物が、創業者である松浦善広さんの「湯切り」。松浦さんが釜から麺を取り出すと、カウンターに並ぶお客さんたちが一斉に視線を送ります。

超ロング湯切り
お客さんたちが見守る中、チャッチャッチャッチャッとリズム良く湯切りする松浦さん。この日ざるを振った回数はなんと97回! 時には100回以上も行われるという徹底した“超ロング湯切り”が招福軒の名物であり、味の要になっているそうです。
「湯切りが甘いとスープの味が変わってしまう」と徹底した超ロング湯切りにこだわる松浦さん。夕方になると疲れてしまうと言いますが、それでも妥協することなくざるを振り続けます。
名店を復活させたのは元競輪選手

惜しまれつつ閉店
松浦さんは、15歳で「好来」に弟子入り。23歳に両親とともに独立して「招福軒」を開店させました。ロング湯切りとともに瞬く間に人気店となりましたが、体調を崩してしまい2019年、やむなく閉店に……。
その味をなんとか残したいと立ち上がったのが、当時の「招福軒」の常連客として足繁く通っていた山本晋平さんでした。

オーナー&弟子として「招福軒」を復活
全国のラーメンを食べ歩いていた山本さんですが、「松浦師匠の味にかなうラーメンはない」と弟子入りを志願。2023年にオーナー兼弟子として新たな物件を探し、「招福軒」の復活にこぎつけました。
現在の招福軒にも、山本さんが仕込み作業を担いながら、松浦師匠と二人三脚で店を支えています。

生涯獲得賞金は2億5000万円~6000万円
実は山本さんは2年前まで現役の競輪選手だった経歴の持ち主。一宮競輪・名古屋競輪を拠点に活動し、現役時代には131勝を挙げ、最高ランクであるS級にも在籍経験を持つトップレベルの選手として活躍していました。

常連客には現役競輪選手も
現役時代から招福軒の味に惚れ込んでいた山本さんは、なんと自宅のガレージに招福軒の厨房を再現。松浦師匠を招いてラーメン作りを教わっていたそうです。
そして2023年に現役を引退すると、師匠とともに招福軒を復活。現在の招福軒にも、現役の競輪選手たちが足を運んでいます。

競輪がつないだ縁
競輪が大好きなことが共通点でもある師匠と弟子。競輪とラーメン店、思わぬご縁から復活した「招福軒」は今も、松浦さんに見守られながら至高の一杯を作り続けています。

