甘えん坊の店主が守る父の味。三姉妹で切り盛りする名古屋市西区の町中華「太平閣」
名古屋市西区・円頓寺本町商店街の近くで、長年地元の人に愛され続ける町中華「太平閣」。平日でも満席になる人気店には、名物のパイコーメンをはじめ、何度でも食べたくなる料理が並びます。そんな店を支えるのは、姉たちに甘える姿と厨房での力強い仕事ぶりのギャップが魅力の店主・大原慶子さん。父から受け継いだ味と、三姉妹の温かな絆に迫ります。
名物はパイコーメン!地元で愛される絶品中華の数々

この一杯を求めて通う人が続出!人気のパイコーメン
町中華「太平閣」は、平日でも満席になることが珍しくない人気店。常連客が口をそろえておすすめする看板メニューが「パイコーメン」です。
サクサクに揚げた大きな豚肉の唐揚げを、昔ながらの中華そばに豪快にのせた一杯。衣のカリッとした食感を残しながらも、スープがじんわりと染み込み、ここでしか味わえないおいしさが評判を呼んでいます。

黒酢あんが美味しさを引き立てる特製肉団子
ほかにも、外は香ばしくカリッと、中は肉の旨みがあふれる特製肉団子も大人気。たっぷりとかけられた黒酢あんが食欲をそそります。
新鮮なレバーが主役の野菜炒めや、塩味のあんに目玉焼きをのせた中華飯も人気メニューのひとつ。意外な組み合わせながら、一度食べるとクセになるファンが続出です。
甘えん坊の店主!?姉妹の絆が生む、温かな町中華

スキンシップを欠かさない店主の大原慶子さん
これらの絶品中華を作り出しているのが、「甘えん坊の中華店主」として親しまれている大原慶子さんです。
料理の腕前は一流ですが、厨房では思わず姉に後ろからハグをして甘える一面も。その微笑ましい光景は、この店ではすっかりおなじみの日常になっています。

ひとたび調理に入れば、表情と手さばきは真剣そのもの
慶子さんは太平閣の店主。営業が始まると表情は一変し、厨房で次々と中華料理を作り上げます。長女の善恵さんがホール、次女の富美さんが調理をサポートし、三姉妹が息の合ったチームワークで店を切り盛りしています。

閉店後にはお姉さんにハグする時間が恒例
11歳年の離れた末っ子の慶子さんは、幼い頃から姉たちといつも一緒に過ごしてきました。今でも休日に一緒に出かけるほど仲が良く、閉店後には三姉妹そろって夕食を囲むことも日常のひとコマです。
三姉妹だからこその今のかたち。父から受け継いだ味を未来へ

いつ帰っても温かいと思ったお店を守りたいという想い
創業60年以上の歴史を誇る老舗「太平閣」。4年前、2代目店主だった父・松一さんが病に倒れ、お店は一時休業を余儀なくされました。
当時、フランス料理店で修業していた慶子さんは、「いつも温かい空気が流れていた父のお店を、もう一度そんな場所にしたい」という思いから店を引き継ぐことを決意。父の味を受け継ぐため、猛特訓を重ねました。

極限まで卵をうすく焼き、皮として具材を包んだ特製春巻き
なかでも苦労したのが、特製春巻きです。薄く焼いた卵でタケノコや豚ひき肉などたっぷりの具材を包み、じっくり揚げて仕上げる一品は、高い技術が求められる看板メニューでした。
さらに、麻婆茄子にも父ならではのこだわりがあります。ナスは皮をむいてから調理することで、なめらかな食感を引き出しています。

父の味を伝える、かけがえのないレシピメモ
慶子さんは、父が残した約30品のレシピをわずか1年ほどで習得し、お店を再開しました。
残念ながら父はその後亡くなりましたが、最後には慶子さんが料理を作る姿を見届けることができたといいます。父が書き残したレシピのメモは、今でも慶子さんの大切な宝物です。

支え合う三姉妹が、父の味を未来へつなぐ
そして慶子さんは、「姉たちが支えてくれたからこそ、今の太平閣がある」と感謝を語ります。父から受け継いだ味と三姉妹の深い絆が、多くの人に愛される温かな町中華を今日も支えています。