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飾るだけじゃ物足りない!心踊る、『動く戦車プラモデル』の世界 前編

車やプラモデル、カメラなど、趣味の世界を楽しむ大人たちに密着してその魅力を調査する『極上ライフ おとなの秘密基地』。2016年~2018年までテレビ愛知で放送され、現在はLocipoでアーカイブを見ることができる。

今回の秘密基地の主は、動かないはずの戦車プラモデルを動くように改造する、三重県の男性に密着。足回りや砲塔の動きをリアルに再現するこだわりを紹介する。後編はこちら

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のどかな風景が広がる三重県南伊勢町にある一軒家が、今回の秘密基地。戦車を巧みに操っているのは、山本明彦さんだ。戦車プラモデルを本格的に作り始めて、30年近く経つ。部屋にはこれまで作った戦車や装甲車などのプラモデルが並べられ、しかも山本さんが作るプラモデルは動かすことができるのだ。


「『九七式中戦車チハ』という戦車のプラモデルは動かないもので、それにラジコンの装置を組み込んで走るようにした」と山本さんは話す。日本軍で使われた戦車のプラモデルで、キットを組み立て細部にこだわりながらカラーリング。山本さんは、そのプラモデルに電池やモーターを組み込むことで、動くようにしているのだ。

「前進と後進、左旋回と右旋回」と山本さんは、プラモデルが動くメカニズムを説明し始めた。右に曲がるときは右のキャタピラーが止まり、その後逆回転し進む、左に曲がる時は左のキャタピラーが止まって逆回転。このように片側のキャタピラーを止めたり、逆回転させることで曲がったり旋回させる。山本さんは本物の戦車と同じような動きを再現しているのだ。


中でも力作は、スチュワートの愛称で知られる「M3軽戦車」だ。電源を入れエンジン音がし始めた戦車は、走るだけではない。実際に、大砲を打ったときの動きまで再現したらしい。

「このスチュアートの戦車のプラモデルは、1200円くらいで市販されているもの。ディスプレイモデルと言って、モーターも何も入っていない。パーツの上下を合わせて、さらに足回りや砲塔などをつけて形にしていく」そうだ。


ベースとなるプラモデルのキットを動かすために付け加えるのが、ラジコン戦車のキット。そこに入っているモーターや送信機と組み合わせることで、市販されていない自分だけの動く戦車プラモデルを作り上げていく。

元々空っぽだったプラモデルキットに、電池やモーター電子基板がぎっしりと詰め込まれている。この中には山本さんが自作したパーツもあるのだ。

「砲身を上下させたりするギアは自作になります。下がるのは早く戻るのをゆっくりと、動きのリアルさというのを追求している」と本物さながらの砲身の動きが実現されているパーツを自分で作った山本さん。


サスペンションにもこだわり、多少の段差をものともせずスムーズに超えていく動きは実にリアル。段差に合わせてキャタピラーが形を変え、サスペンションが上下しているのがわかる。

「プラモデルをそのまま組み立てたものは、キャタピラーが回転せず、固まったままなので全然動かない。ただ組み立てて飾っておくだけならよいが、実際走らせるとなった時に、走りにリアリティがない」のだそうだ。

戦車には欠かせないキャタピラー。バネを利用した、本物さながらのサスペンションの動きはどのように再現しているのだろうか。まず、プラモデルキットのパーツを細部にわたって採寸し、実物大で設計図を作成する。それを真ちゅうの板に張り付けて切り出す。そして、出来上がったパーツをプラモデルキットの車輪と合わせながら組み上げる。


続いて山本さんは、ピアノ線を旋盤につないで巻き始めた。市販のものでほしい硬さやサイズがない場合は自分で巻いて作り、これをサスペンションのバネにするのだとか。技が細かい。

こうしてサスペンションが完成。坂道や段差もガンガン突き進む、とことんリアリティを追及する山本さんの自信作だ。

『極上ライフ おとなの秘密基地』

【放送局】テレビ愛知 2016〜2018年放送(現在はLocipoでアーカイブを視聴可能)
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/himitsukichi/
【You Tube】https://www.youtube.com/watch?v=taShnox9S0Q

極上ライフ おとなの秘密基地

趣味を通して人生の喜びを追求する、大人のための「知的好奇心」探求番組。

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